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母の記憶から    E Pili Mai

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2022/8/7 23:15
編集者ze  モデレータ   投稿数: 56
母の記憶から

投稿者:E Pili Mai
投稿日:2022/07/31(Sun)

▼今は亡き、昭和5年生まれの母に、20年以上も前に聞いたおぼろげな記憶です。
 私の祖父は、徳島県鳴門市で塩業に携わる仕事をしていました。
 7人兄弟の母は、終戦前に長兄(当時24歳)を出征先で亡くしています。
 出征前の長兄に、セルロイドの筆箱を買ってもらった唯一の思い出を、
いつも嬉しそうに話していた顔が目に浮かびます。

▼終戦直後の混乱期の15歳の母は、直ぐ上の姉と共に、塩の入った風呂敷包みを担ぎ、
少し離れた村の農家へ、米やその他の食べ物と交換する為に、汽車に乗って出かけたそうです。
 何軒も廻って、やっと交換してもらったわずかな食料を手に入れたものの、
帰りの汽車の中で、憲兵の見廻りに合ったそうです。
見つかれば取上げられると思った時に、大きなマントを着た見知らぬお爺さんが、
すっぽり隠してくれて、事なきを得たそうでした。

2022/07/31
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