『千早帖』 （マーチャン）

母の持ち物のなかに、こんなものがありました。
どうやら手習いのお手本のようです。

　初版明治四十三年、《1910年》大正四年《1925年》に版を重ねているようです。

　亡父の女房教育の教材だったのかも。
　母が、これを見て手習いをしていたのを見た記憶はありません。
　また母の筆跡《ひっせき》も「水茎の跡も麗しく」《みずくきのあともうるわしく》ーーーという感じからは程遠かった。娘の私にいたっては悪筆で有名です。
　母の長姉《ちょうし＝一番上の姉》などは、巻紙に筆でさらさらと手紙を書いていました。

　本には何度も、丁寧《ていねい》に補修した跡《あと》があります。

　マーチャン

奥付です。

　　マーチャン

本のなか身です(1)。

　マーチャン