[No.7838]
Re: ハイネについて思う
投稿者:唐辛子紋次郎
投稿日:2017/03/30(Thu) 23:16
[関連記事] URL:http://http:/ |
男爵さん、みなさん、
> 今でもドイツ語の先生たちは、ヒゲ文字を読めます。書けます。
> ヒトラーが廃止したヒゲ文字。
> だからドイツ人の若者が、日本人のゲルマニストがヒゲ文字を読み書きするのを見て、感心するそうです。
このひげ文字ですが、Sとfの小文字がほとんど同じなのです。かれらは母国語なので、平気なのでしょうが、外国人、とくに初心者はfかsかと迷い、苦労したと思います。違いは、短い横棒があるかないかだけなので、終戦直後など、紙がまだざら紙の場合は、fの横棒が消えたりすると、sにみえたりするので、大弱りだったと思います。当時は、印刷インクも、薄かったりしていたように思います。ところで、
この本のもとの持ち主は「美しき五月」と「ローレライ」の二つだけに鉛筆で印をつけていますが、本は200ページもあるのですから、その人は、特別詩に詳しいひとでなく、
たまたま知っているのが、この二つだったのでしょう。
まあ、あっしだって、ショウジキ、この人とどっこいどっこいなのですが、実はほかにも有名な詩は載っているのです。たとえば「歌の翼に」というのがありますが、これにはメンデルスゾーンが曲をつけています。日本のコンサートなどでも、よく歌われています。「歌の翼」は、このレクラム文庫では66ページ、「美しき五月」からだと3ページ目に出ています。
あっしの蔵書「やさしく歌えるドイツ語の歌」(田辺秀樹著NHK出版)だと、もう巻頭に出て来ます。
> そのころの日記にも「アーベーツェーを習ひ初めて未だ二十日ならざるに、
> 予は既にハイネ、シルレルの詩を十数篇読んだ。
> 今は専心ハイネの『ブック デル リーデル』を辞書片手にひもといて居る」
> と書いているそうです。
あっしがいつもフシギに思うのは、定冠詞のderを、関口存男さんはその著書で、デルと振り仮名を振っていました。aberはアーベルです。啄木のLiederもリーデルです。
しかし、ラジオやテレビで、実際にドイツ人の発音を聞くと、あっしには、デルはデア、アーベルはアーバーと聞こえます。どうして先人にはそう聞こえたのでしょう。
鴎外もドイツでは、通訳までやったと云いますが、その発音はかなり酷かったのではないでしょうか。