画像サイズ: 1280×720 (35kB) | 一般に外国人が日本語を覚えるには、まず耳(音)で覚え、書いて(文字)記憶するのが普通。 子供の場合は耳だけでどんどん言葉を吸収していくが、大人の場合はノートにメモするなどして反復学習が必要。 文字としては先ずひらがなを覚えるが、その覚え方が非常に面白い。
先ず50音表をお経のように一行ずつ暗唱したうえで、一つ一つの仮名が50音表の右から何番目、左から何番目に当たるかを記憶する。 言われた仮名を読むにしても書くにしても、その仮名が50音表のどこにあたる文字か天井を見上げながら指折り数えて思い出すのだ。 どうしても思い出せないときはチラッと50音表を見せると、にこっと嬉しそうに思い出して書いたり発音したりする。
あるフィリピン出身の男の子は母国でも満足に小学校に行ってなかったらしく、数字を書くことや、簡単な足し算引き算すらおぼつかなかった。 一般に非漢字圏の人は日本文字を書くのは苦手だが、この子はひらがなに異常なほど興味を示し、瞬く間に全部書けるようになった。 ただ、文字と音が一致しておらず、例えば「え」という文字を書いたので何と読む?と聞くと答えられないのであった。
彼は日本語による会話はできるが文字を書けないことに引け目を感じていたのか、文字が書けただけで満足し、それで文章をつづるということに関しては全く関心を示さなかった。
また、我々がアラビア文字を覚えるのに戸惑うように、ひらがなも外国人にとっては覚えにくいようだ。 彼らは50音表の一つずつの文字をまるで1つの絵のように丸ごとの形で覚える。 例えば、日本人であれば左記のひらがなA,Bはファオントが違うだけでどちらとも「さ」、「き」、「ふ」と瞬時に理解するが、外国人にとっては別の文字に見えてしまう。
だから日本語を教える人は正確な文字(できるだけ明朝教科書体に近い文字)を書くようにと日本語講座の先生に教えられた。 |