[No.16008]
Re: お金の対策/警戒しつつ好意を示す
投稿者:男爵
投稿日:2010/10/31(Sun) 19:28
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> > > 五木寛之の旅の考え方のヒントがいろいろ書かれてある。
> > > 内容は広く面白いので何度かにわけて記載する。
>
> つぎは盗難対策ですね。
その町には危険地帯というところがある。
そういうところを避けるべきであるが、五木寛之の場合どうしても行かなくてはならないことがある。
そういうときは、物を盗られたりすることは日常のことである。
だから、盗もうとする者が怒らない程度の金額で、盗られて惜しいと思うほどは多くない
ほどほどの金額の「見せ金」を必ず持って行くという。
それは危険地帯に出入りする人間のチップだというふうに考えて。
「見せカード」も必要である。
カメラ量販店などのポイントカードを入れておく。
向こうではその場ではそれがクレジットカードと見分けが付かないから、期限の切れたクレジットカードでもいい。とりあえず、相手は日にちまでは確かめる余裕はないだろう。
それらを入れた「見せ財布」は、お尻のポケットなど目立つところに入れておいたほうがいい。
きちんと揃えて入れておく。それは貢ぎ物みたいなものだ。
お金やカード以外でも、小物を盗まれることもある。
五木寛之はその対策として、ひもを活用しているそうである。
たとえばトートバッグは上が開いているから、物が落ちたり、泥棒に持って行かれたりしやすい。
だから、伸び縮みするひものようなもので、携帯電話やカメラなど、なかのものをぱちんと結び付けておく。
それぞれにクリップをつけてつながっている。
彼の持ち物はそうやっていろいろなものが全部ひもでつながっているから、ひとつの物だけを持って行かれないようになっている。
鞄の中から何かつかみ出して持って行こうとしても、ひもでつながっているから、鞄ごと動いてしまう。
それ専用のひもも売っているそうです。
兼ね合い
ここでいちばん大切なことは「兼ね合い」ということだ。
反対のことを同時に持つということである。
たとえば、ロシアでもヨーロッパでも、コーラスはそれぞれの人が精いっぱい自分の個性を出して、精一杯うたう。
それでふしぎなことに三部合唱、五部合唱という、ちゃんとしたハーモニーになる。
合唱という共同作業のなかに自己をおきながら、ちゃんと自己を表現している。
ところが、日本のコーラスは、それぞれの自我を消すことによって協調しようとする。だからコーラスに芯がない。
ひとりひとり違った人間たちが集まって共同作業をするためには、自分を殺さなければいけないけれど、殺しても殺しきれない自己というものがある。
それをちゃんと表現しなければいけない。
自己を残しつつ共同する。「ばらばらでいっしょ」というのは非常にいい言葉だと思うが、日本の考え方は、ばらばらか、いっしょか、どっちかだ。