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[No.16338] Re: つらくて楽しい添乗員 投稿者:   投稿日:2010/12/28(Tue) 15:38
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> 稲井未来「セカンドクラスの添乗員」(2003)
> この本を図書館で見つけて借りてきました。

・空港カウンターでの受付で、パスポートと一緒に身体障害者手帳を渡される。
 「ここではいいけれども、次の空港からは車いすの手配、お願いね」
 この添乗員は頭の中で、一気に坂道の町に飛ぶ。坂道の先に続く長い階段が目に浮かぶ。打ち合わせでは何も聞いていない。徒歩観光のことはご存じなのか。でも、彼女は大きなリュックを背負い、大きな荷物を持って、確かにここまで歩いてきた。
 あれこれ聞きずらかったので、頼まれたように車いすの手配をする。
 乗り継ぎの空港と到着空港では赤いランプの救急車が飛行機に横づけされ、お客は車いすごと移動する。回りの注目を集め、ヒロイン誕生の光景だ。幸せそうな満面の笑み。その笑顔につられて、この添乗員も幸せな気分になる。
 ところが、空港を離れると、このお客はしっかりと早足で歩き、走る。
 坂道の町でも先頭を切って進む。エレベーターがなかなか来ないホテルでは、階段を駆け上がる。だれよりも元気そう。
 そして、最後の都市で一人だけ延泊することになっている。
 「帰りの日の車いす、ちゃんと手配しておいてちょうだいね」
 見た目だけで判断できない体のこと。疑問は残ったが、何も聞けなかった。
  (気分次第で身体障害者に変わるのだろうか。身体障害者手帳を交付されたことは適切公平だったのだろうかと私も疑問に思いましたよ)

・機内サービスをしているのは添乗員ではない。
 「ちょっと添乗員さん、コーヒー二つ。あっ、砂糖とミルクもね」
 「あっ、毛布持ってきてちょうだい。ちょっと寒いわね」
 「洗面用具とかおもちゃとか、飛行機でもらえるものは何かないの」
 食べ終わったお菓子のゴミを手渡して「これ、捨ててちょうだい」

・シートベルト着用サインが点灯している乱気流の中で「乗務員さーん」と大声でよばれ
 「席を立たないでください」と言う客室乗務員の声を振り切って、お客の席へ行く。
 「揺れるわね、大丈夫なのかしら。パイロットは新人さんかしら。だから飛行機は嫌いなのよ。こんなもの、絶対に乗りたくなかったのに。何とかして」
 何とかしてというのは、著者の添乗員がパイロットにかわって操縦することなのか。

・「コンビニのお弁当の方がおいしいわね。お握りか何かもっていないの」
 このセカンドクラスの添乗員は、機内食が口に合わないお客のために食料はもっていない。持っていても、一人だけのお客に差し上げることはできない。

・添乗員に「座席が狭い。何とかならないものか」というお客。エコノミー料金しか払っていないなら、飛行機の座席は狭いものと思うしかない。
 「お客様が格安コースの中からお選びになったのは、旅行代金が一番安い出発日で、座席はエコノミークラスでございますね。間違いございませんでしょうか」と言えば、きっと怒られるだろう。
 よせばよいのに、ビジネスクラスの様子をカーテン越しにのぞき込み
 「こっちだって高いお金を払っているのだから、せめてあれぐらいにしてほしいわね。そう思うでしょう」
 と同意を求められるが、あちらはもっと高いお金を払っている。

   ーーーーーーーーーーーー

なんだか女性のワガママばかり続いたが
実はこの本には男性のワガママも書いてあります。
海外旅行だけでなく、国内旅行の添乗員たちも
こうしたワガママなお客に苦労させられているのでしょうか。
お客の抗議に口答えしたりすると、会社の上役から注意され、下手をすると次の仕事がまわってこない弱い立場の添乗員。

お客も海外旅行に出かけるのでストレスが溜まるのか、つい思っていることを口に出して、添乗員を困らせ、こうした添乗員の書き物のダシにさせられている。
私も注意しなくては。


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