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「防空壕のオジチャン」   コロ

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2022/8/4 23:47
編集者ze  モデレータ   投稿数: 56
「防空壕のオジチャン」

投稿者:コロ 投稿日:
2022/07/29(Fri) 08:14

 私は、昭和の20年代の後半に生まれましたから、戦争のことはまるで分からないのですが、
子供の頃はまだ戦後の名残が残っていました。
 小学校に上がる前あたりだったか、蚤・虱(のみ・しらみ)の駆除のためだったのか、 
近くの子供たちと一列に並び、DDTなる白い粉を浴びた思い出も残っています。

 鹿児島市の城山の麓の町(山下町)に住んでいたのですが、近くに防空壕が有り、
そこに一人の男性が住んでいました。
 子供たちは何か怖い人のような近づけないイメージで、彼を
(「防空壕のオジチャン」って呼んでいた)を見ていたと思いますが、
或るときそのオジチャンが近くで遊んでいた子供たちに、
面子(メンコ)のような絵の付いた真新しい束をくださったのです。

 その時から あぁ、このオジチャンは怖くないんだって考え直したのでしたが、
暫くしてオジチャンは防空壕の中で息を引き取られた。
(まだそんなに年を取っていたわけでは無かったと思っています)
 ということで、市の係の人たちがその防空壕に網をかけて、
入れなくなったことを覚えています。
 寂しくて悲しい思い出です。

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