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海外での技術指導の話   千葉の小猿

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2022/8/10 12:49
編集者ze  モデレータ   投稿数: 56
海外での技術指導の話 

千葉の小猿
2022年8月7日

▼1968年イギリスのある会社が私の勤務する会社の自動化設備を買ってくれることになり、据え付け指導のためセントヘレンに行ってきました。
 50年以上も前のことですが、その時の記憶をたどりながら伝承館の「枯れ木も山の賑わい」として書きます。

▼当時も外貨は大蔵省が全面管理しており、800ドルの割当で一ヵ月半生活してきました。日本に対してヨーロッパの検疫は、
アフリカ並の扱いで、黄熱病以外は全て国際的に登録された医師のもとで、予防接種をしてその証明書が必要でした。
 給油地点のアンカレッジでは、ターミナルビルに入るのになんの検疫もなかったのですが、最初の着陸地コペンハーゲンでは、
検疫官が乗り込んできて一人ひとりの健康状態を確認してから、ターミナルビルに入ることが出来ました。

▼余談ですが、飛行機の一緒の搭乗者には、アフリカ沖のタコ漁の交代要員が複数いました。その頃からアフリカのタコを食べていたのでは??。
 
▼その会社に技術導入で行ったグループとは状況が相当違いました。一つはWho’s payという考えが相当あるのと、
現地の作業員に指示する必要があることです。(ワーカーのこと)

▼地域ごとに職種別の組合があり排他的です。作業を始めるのにヤードギャング(鳶職)、ブラックスミス(溶接工)、
フィッター(機械工)、エレクトリシャン(電工)が揃わない作業が始まりません。

 機械の部分でもドライバーの作業は電工、制御盤の中でもスパナを使うのは機械工で、縄張りは決して譲りません。

▼私達は技術者の扱いで、ホアマンコートを着せられ、原則手出しは一切出来ません。
 効率の悪いこと!!。ただ日本人は何でも手出しするぞと、会社から話があり4組合が激論の末しょうがないと了承したと機械工からききました。
 制御盤の中に蝶ネジがあり、Who’s jobと聞くと返事なく、次の日からホアマンコートを脱ぎ捨て、日本の作業服に着替えて手をだしました。

▼この弊害?は帰国のときも経験しました。
 マンチェスターからアムステルダムに行きJALに乗り換える予定でしたが、ポーターのストで飛行機が出発出来ないとかで、
飛行機をリバプールに移動することになり、バスでリバプールに移動しアムステルダムに飛びました。

▼アムステルダムでは、乗り継ぎ客が3名いるからとJALが出発を遅らせ待っていてくれました。ストがどんな影響を及ぼすかお構いなしです。
サッチャー政権よりだいぶ以前の話ですから今は変わっているでしょう。

▼これはスコットランド、アイルランド出身が多いワーカーの話で、ウエールス・イングラントド出身が多いエンジニアからは、
さすが紳士の国と感じさせる話がありますが、別途UPします。(ランカシア地方の話)

▼あるミーティングの時、「あなた達の工場ではどんなボイラーを使っているか」と全く関係のない質問がありました。
ランカシアボイラーと答えると、怪訝な顔をしています。
国際派のエンジニアがいて「シェルボイラーのことだ」と言ってくれました。

▼よく考えるとその場所は、産業革命発祥の地ランカシアだったのです。
 国際派のエンジニアは、別席で産業革命当初は、ボイラーの爆発事故が時々あり、近隣の人も相当死傷している。
ブルドン管圧力計、重錘式安全弁が出来、ボイラーの監視によって事故がなくなってきた。

▼日本にボイラーが入ったころは、これらは備わっていたのでは。とのはなしがあり考えさせました。
だからこの地域の人は、ボイラーにこだわるのかな??。
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