[No.7516]
Re: 古きをたずねて新しきを知る〜6
投稿者:唐辛子紋次郎
投稿日:2016/02/25(Thu) 21:36
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GRUE さん、みなさん、こんばんは。
表題を「古きをたずねて新しきを知る」とした者として、ひとこと。
きょう、ポケーとNHKを見ていたら、「温故知新」というキーワードが出て来ました。なんでも、さいきん、テレビゲームが復活して若者の間でひそかなブームだとか。これには先駆けがあって、
テープレコーダー、レコードなどの復活があるそうです。じつは、あっしもさくねん、蓄音機を買ったのです。(^O^)
> 鴎外のドイツ留学は1880年代なので、1909ー1913年にスバルに掲載され
たものは、ドイツや欧州から取り寄せた新聞。雑誌などからの情報でしょうか。
鴎外がニュースソースを明かしていないので、くわしくはわかりません。しかし、「椋鳥」編者の池内さんは、その点について、こうした憶測をしています。
鴎外が「椋鳥」執筆当時Vossische Zeitung、Berliner Tageblattの2紙を読んでいたことは、「通信」の文中に出てくるので、間違いないそうです。
新聞購読も、普通は船便で1か月以上もかかっていたのが、1904年シベリア鉄道開通のせいで一気に短縮、2週間もかからずに着いたことも。
「椋鳥」の始まったのが1909年なので、すでにこの鉄道の恩恵を被っていたはず。このころの世界を牛耳っていた通信社の勢力図をみると、やはりロイターが突出。しか「ヴォルフ」紙は、ドイツ、オランダなどヨーロッパでは、大きな勢力を誇っていたよし。当時の
日本の新聞の紙面は、したがって、最大手のロイター電で占められていたようです。そこで、池内探偵は、はたと膝を打ったのです。「椋鳥」を通読すると、たしかに、ロイターの押さえていない北欧、ロシアなどの記事が多いのです。これは、あっしも読んでいて、すぐ感じました。
ここで、鴎外の社会的地位がものをいうのです。鴎外はただの物書きと違って、陸軍省の上層部にいたわけで、「泣く子も黙る」かどうかは知りませんが、閣下の命とあれば、民間の、1通信社が多少の便宜を図ったことは、十分に考えられます。
「余はげんざい、最新のニュースを欲している。ロイターなぞ他社の知らない、目新しいニュースがあったら、どんどん、こちらへ知らせるように」とかいうご下命が鴎外の口から洩れ、相手はドイツ事情に詳しい、しかもドイツにも知名の友人が沢山いるし、また、鴎外が自身、軍の上層部にいる特異な存在と知って、取れたてのフレッシュ・ニュースを、せっせと邸内に運び込んだのではないでしょうか。
そうでなければ、日本の新聞しか読んでいない「スバル」の読者を狂喜させ、またビックリさせるようなことなぞ、とうてい無理でしょう。