[No.61]
Re: 君がいてよかった(犬がくれた40の物語)
投稿者:男爵
投稿日:2013/03/07(Thu) 19:29
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○愛犬「ウメ」のボランティア
中学二年の娘が
道ばたに捨てられていた雌の子犬を拾ってきてから
13年の年月が流れた。
「ウメ」と名づけた子犬も老境にさしかかった。
「ウメ」を連れ、いつものコースを散歩していたとき、雄の老犬が現れ
遠慮しながら、とぼとぼとあとをついてきて、とうとう自宅の門扉の前に座り込んだ。
「ウメ」はそれを見て、哀願の顔をする。
「ウメ」の気持ちを察して、「ウメちゃん、飼ってやろうか」と声をかけると
わかったのか「ウメ」は門扉の前へ喜々として走って行った。
それから庭で放し飼いにされた老犬は、ほとんど動こうともせず寝そべっていた。
人間不信におちいっているのか、私たち家族にはなじまなかったが
「ウメ」にだけは長年の友のように気を許していた。
ある日の深夜、悲しげな「ウメ」の鳴き声に飛び起きると、老犬が息絶え絶えに
なっていた。やがて、シッポを二、三度振ったかと思うと、あっけなく死んでいった。
ウメに看取られて死んだ老犬は幸せだったかもしれない。
犬も(犬の)ボランティアの役割をしたのだ。