「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 1 お姉ちゃんがお婿さんを
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- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 11 獅子舞 (編集者, 2016/3/22 6:13)
- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 12 畳屋さん (編集者, 2016/3/26 8:04)
- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 13 縁の下 (編集者, 2016/3/27 7:24)
- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 14 茶殻を撒いて掃除 (編集者, 2016/3/28 17:31)
- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 15 褞袍(どてら) (編集者, 2016/3/29 6:49)
- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 16 背中の皮を剥く (編集者, 2016/3/30 6:57)
- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 17 ハエ取り (編集者, 2016/3/31 8:32)
- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 18 障子紙の張りかえ (編集者, 2016/4/1 6:57)
- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 19 毛糸を巻く手伝い (編集者, 2016/4/2 6:51)
- 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 20 灰神楽 (編集者, 2016/4/3 7:42)
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獅子舞 1954年
描き残したい昭和「突然の訪問客」昭和29年(1954年) 正月、獅子舞が街を巡回してきます。突然玄関が開いて獅子舞が飛び込んできます。小太鼓と横笛を従えて。なにがしかの賽銭を渡してお引き取り願いました。
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畳屋さん 1955年
描き残したい昭和は今年はこれでおしまい。来年もまた引き続きご愛顧のほどお願いします。いい年をお迎えください。
「畳屋さんが来た」 昭和30年(1955年) 畳を外に出す。裏には戻す位置がわかるように印がついていた。古い畳表を剥がす。イグサの香りがあたり一面に漂います。
「ブウー」張り終った畳にお兄さんが霧を吹いた。表がピンと張りつめるように。畳表のヘリを縫う職人さん。「ギュー、ギュッ」音をたてて縫い糸を絞り上げる。この音がいいのだ。肘は金具の肘当てに乗せて順々に移動する。職人さんの身のこなしがきれいでいつまで見ていても飽きませんでした。
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縁の下 1952年
描き残したい昭和 「縁の下は秘密の場所」 昭和27年(1952年) 這いながら縁の下を進んで行くと秘密の隠し場所がある。湿気を含んだ冷気が顔に当たる。猫やネズミの小動物、小鳥も出入りするので独特の臭いが漂っていた。礎のうしろに置いた赤い缶にたどりつく。獲得したベーゴマをポケットから取り出し缶の中に入れる。縁の下はなんだか不思議な魅力があった。
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茶殻を撒いて掃除 1952年
描き残したい昭和「どうしてそんなのまくの」 昭和27年(1952年) 朝、天気が良ければ掃き出すが、天気が悪かったり、寒い日には茶殻を畳に撒いて箒で掃いて部屋を掃除しました。茶殻は部屋の隅々まで行き届いて埃やごみをとてもよく吸ってくれたものです。
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褞袍 1955年
描き残したい昭和 「寝心地の悪い寝具、褞袍(どてら)」 昭和30年(1955年)
褞袍(どてら)という寝具がありました。やはり綿入れの夜着で搔巻や丹前もありましたが。褞袍を掛布団にすると衿のまわりの納まりがよくなく寝心地がたいへん悪い。おまけに太い袖が突き出て、寝返りのたびに空気が入って寒い。いやでしたね、この寝具は。かぶって遊ぶのには結構面白いのですが。
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背中、皮を剥く 1954年
描き残したい昭和「日焼けの背中、皮を剥く」昭和29年(1954年)真っ黒に日焼けしなければ夏は終わらなかった。焼かないと冬に風邪ひくからといってみんなが日焼けに専念した。背中の皮は火脹れて水疱となった。次の皮膚ができ始めるころ皮が剥ける。姉妹はキャーキャと声を上げて皮膚をきれいにはがしてくれた。今もこうなのだろうか。
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ハエ取り 1955年
描き残したい昭和「ハエ取り棒の威力」
昭和30年(1955年) ハエを捕獲する道具にハエ取り棒というガラス製の管があった。先端はラッパのように開き、管の下は水が入る丸底。天井のハエに先端が忍び寄る。ハエは背後が見えないらしい。気がつくとラッパの中。ハエは水平方向にしか飛べないので細すぎる管の中では短すぎる。上下のホバリングは出来ない。それで、奈落の底に落ちるのみ。壁を伝って登ることはできるが、あっという間でつかまる暇がない。
今もインテリアとして使われているフラスコ型ハエ取り器。底が中に煙突状にくびれあがっている。餌を器の下に置いては絵をおびき寄せる。中は水が張ってあり入ると出られない。
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障子紙の張りかえ 1953年
描き残したい昭和「障子紙の張りかえの日」昭和28年(1953年) 障子紙を張かえたあとの爽やかさ。和室に入ってくるやわらかな光。破っては怒られたがこの日は破っていい。枠をはずして横たえ、桟に水を吹きかける。水を吸った紙は容易に桟から剥がせる。素通しになった薄めの正麩のりをペトペト塗る。新しい障子紙を下から貼ってゆく。湿気を吸っていた紙は乾くとピンと張る。最後に取っ手に×を切りいれて巻き込み貼りつけて出来上がり。真っ白でまぶしい。近頃めっきり障子が少なくなりました。
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毛糸を巻く手伝い 1952年
描き残したい昭和「毛糸を巻く手伝い」昭和27年(1952年)
こどもらはよく遊び、家ではよく「お手伝い」をしたが、これはみんな嫌いだった。毛糸の束を両手に中空に支え、毛糸を巻き取る。毛糸を巻き取る動きに合わせて巻きやすく手を上下する。単純で飽きる。ひたすら終わりを待つ。横にはおさがりのセーター。ほどいて巻き戻す。肘や裾は擦り切れているので毛糸が途切れる。柴ってつなぐ。巻いた毛糸は次のセーターを編むのに使う。毛糸を補充するのでどうしても縞模様になった。
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灰神楽 1952年
描き残した昭和 「灰神楽」昭和28年(1952年) こんなことがありました。ごとく(五徳)の上のやかん(薬缶)は座りが悪い。うっかり手が触れると倒れてしまう。転がって熱湯が噴き出す。それが赤く染まる炭の上に。灰がお神楽のように舞い上がる。アッツチチチ。そのころの暖は火鉢。熱がもったいないので薬缶をかけていつでも湯が使えるようにしていた。ところで五徳は三本足なのにどうして“五”というのでしょう。