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燭台(しょくだい)

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ハム

通常 燭台(しょくだい)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2004/11/10 22:00
ハム  新米 居住地: 岡山県  投稿数: 18
戦後の数年間はよく停電した。
私の家では、停電対策として台所兼食堂には石油ランプを、居間にはこの燭台を準備していた。燭台にはいつも百目蝋燭(ひゃくめろうそく=一本の重さが約375グラムある大ろうそく)が立ててあり、決まって床の間の近くに置いてあった。
急に停電しても困らないように位置を決めてあったのである。
また、風呂場にはろうそく立てと小振りなろうそくが用意してあったが、真っ暗な中で、しかもぬれた手でマッチをすって火をつけるのには苦労したものである。
当時の電化製品と呼べるものといえば、ラジオだけであったから、消費電力は今とは比べものにならないほど少なかったのだが、発電施設や送電設備が貧弱であったり戦禍(戦争によって生じる被害)のために痛んでいたりしたのであろう。
家族は、小さな明かりの下に集まって停電が復旧するのを待っていた。
物資は不足し、生活は不便であったが、人と人との結びつきは強かったように思う。

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