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終戦 そして激動の日々・その2

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エコー

通常 終戦 そして激動の日々・その2

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2005/8/3 7:38
エコー  新米   投稿数: 0
 戦争直後の高校生の楽しみ

高校1年のとき福井中学の男子校と合併男女共学、それに続く学区制と変遷《へんせん=移り変わり》極まりない学窓生活でした。私は学校から帰ると8人家族の主婦の仕事が待っていました。電気洗濯機も、ガスコンロもない時代でした。 一日一度は必ず停電の状態で宿題もままならず、一灯しかない電灯は夜には消されてしまい、懐中電灯をふとんの中に持ち込み、乏《とぼ》しい光を気にしながらの勉強でした。思い返せば際限《さいげん=きり》のないことですが、そういった悪条件の中での学窓生活のなかで、本当にワナワナと震えるばかりの向学心に燃えるのを抑えることの苦労や、色々な本を読みたかったことを想いだします。しかし家に帰れば色々な雑用が待っていましたが、少しの余暇を見つけて教科書をひもとき、さらに、日本文学、世界文学全集、本格派推理小説など借りてきて読んだものです。

アレキサンドルデュマに胸を躍らせ、トルストイの「戦争と平和」に涙し、ドストエフスキー、ツルゲネフ、モーパーサン、スタンダール、ガードナー、フィルポッツ、アガサクリステイなどなどよくぞあの悪環境のなかで読むことが出来たとわれながら感心します。現実からの逃避だったのかもしれません。
あの頃読んだパールバックの「大地」に感激したのを思い出します。―――中国の広大な大地のもと中国農民の3代にわたる生活、思想を描いたこの大作には圧倒されました。

わたしたちの灰色の学窓生活を彩《いろど》るものとして映画の団体鑑賞があります。個人で映画をみることは禁止されていましたから胸躍らせて映画館に入ったものです。
当時の映画は情緒あふれるといいましょうか、ロマンチックな詩情豊かな映画が多く、キューリー夫人、心の旅路、ジェーンエア、若草物語 など私たち乙女心を強く打ったものでした。
今の有り余る環境の中での学生達、勉強は勿論、良書を親しみ、意欲を持って幅広い人格になって欲しいとおもうのです。
この世は 人生という舞台なのです。自分が役者であり、監督であり、演出家なのです。
起伏のある人生は面白く、また悪い想い出は、良い想い出を、より強く鮮明に印象づけてくれます。
私は自分の人生を、誰とも交換したくないほど愛着を持って生きて行こうとおもっております。

エコー

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