画像サイズ: 550×413 (73kB) | > 産経新聞社:がれきの中で本当にあったこと わが子と語る東日本大震災 (平成23年6月)
日本一の防潮堤、無残
過去の津波被害を教訓に、高さ10メートルの防潮堤が整備された岩手県宮古市田老地区。 しかし、東日本大震災では、大きな津波が防潮堤をあっさり越えた。 市によると、防潮堤を信じた結果、犠牲になった住民は少なくないという。
田老地区は津波被害で有名 明治29年6月の明治三陸地震の津波で1859人 昭和8年の昭和三陸地震の津波では911人の死者・行方不明者が出た。
これらの津波被害を教訓に、防潮堤工事が始まり 最終的には昭和53年に完成。 海側と陸側の二重構造で、高さ10メートル、総延長約2.4キロと 国内屈指の規模となった。
この間、昭和35年のチリ地震の津波では ほかの三陸沿岸地域で犠牲者がでたが、田老地区ではゼロ。 「日本一の防潮堤」として、国内外の研究者が視察に訪れ注目を集めた。
しかし、東日本大震災の大津波はいとも簡単に越えてしまった。 「高さ20メートル以上」ともいわれる津波が次々と押し寄せ 海側の500メートルの防潮堤は崩壊し、真っ黒な濁流が田老地区を一気に飲み込んだ。 |