旅行の話なら、極言すれば、ボディーランゲージを使うか、または、絵の上手なひとなら、絵で説明すれば、何の心配もいらないと思います。単語リッシュという手もあります。
むかし、英語の得意でない、ま、(早くいえば、あっしのような人間かと思いますが)初めてのカイガイで、アメリカの軽食店に入り、サンドイッチといったら、ステーキを持ってきたとか、コーヒーと云ったら、コーラを持ってきたとかいうはなしが流行ったことがありますが、あれらはすべて、作り話だったと思います。そんなバカなことがあるわけが、ありません。
そんな店員がいたら即刻、クビになるはずです。軽食店の店員は、商売なので、外国人の超下手くそな英語でも一生懸命に聞き取ろうとするし、最近は外国のお土産店でも、日本語の片言の云える連中もどんどん増えつつあります。それより、紋題は、たとえば、
一語の間違いも許されない、学術論文や技術翻訳、あるいはビミョーな表現の多い文学作品なぞではなく、一般庶民の読む、フツーの『新聞』などを読もうとする時です。
Actuellement en «convalescence», la muse de Saint-Germain-des-Prés a décidé de reporter sa tournée à l’automne 2016, préférant ainsi se ménager. «Suite à ses récents problèmes de santé, Juliette Gréco entame une convalescence qui devrait se poursuivre quelques semaines. Quartier Libre Productions reporte donc à l'automne 2016, les dates de récital initialement prévues au printemps», peut-on lire lundi dans un communiqué
現在、「回復期」、サン・ジェルマン・デ・プレのミューズは、注意を払うことを好む、2016年の秋に彼のツアーを延期することを決定しました。 「彼の最近の健康問題に続いて、ジュリエット・グレコは数週間を続けるべき回復を始めました。カルティエリブレプロダクションですので秋2016に延期、もともとは春に予定リサイタル日付は、「それは月曜日声明で述べています
上は、シャンソン歌手、ジュリエット・グレコの近況を報じた新聞記事の和訳です。日本語として比較的こなれているとも云えますが、大間違いがあります。自分で、ミューズなどと翻訳しながら、ジュリエットを彼と訳しています。ジュリエットは、フツー電子辞書を引くまでもなく、文化の違う日本でも、女の名前と知っている人が大半です。
前に、違った言語で、やった時は、主語を彼、または、彼女または、それは、などと訳して平気なのです。
あっしの思うには、文字の翻訳では間に合わないということです。ことば、単語の後ろには、何百年、何千年の文化が背景にあります。それを理解しない機械には、正しい翻訳は不可能ではないでしょうか。
基督=基督のこと、では訳にならないのでは。キリストが、どういう時代の人であり、どんなことをやり、どういう最期を迎え、地域に、世界にどういう影響を与えたかを知らなくては、話になりません。
天照大神=天照神ともいう。では、この神、引いては日本神話、さらには日本文化についてのアウトライン、などの知識がなければ、正しく訳すことは無理ではないでしょうか。
カイガイで勤務の余暇、有名美術館を回って聖母子像を観て廻った人の感想には、ただ聖母の顏や肢体の美醜しかありませんでした。聖母子の文化のない日本人には、なぜこのように、聖母子像が沢山描かれるのかが、理解できないと思います。展覧会の目録には、いずれもただ、聖母子像とあり、違うところは作者名、製作年代しか、たぶん書いてはありません。
これもバックグラウンドの理解が必要なことを表しているのでは。機械にはたして、翻訳に必須の、世界中のあらゆる文化が、理解できるのでしょうか。
以上、すべてトーシロの寝言かも、しれませんが…。(-_-;)
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