タイトル | : オバアチャン・バイバイ 3 |
投稿日 | : 2005/01/14(Fri) 10:03 |
投稿者 | : マーチャン |
診断書には「老衰」とだけ書かれていました。
「重大な既往症なし」「持病なし」「常時服薬しているクスリなし」のオバアチャン。健やかに老いて、安らかに去ったオバアチャンにふさわしい表現でしただと思いました。
葬儀屋さんがストレッチャーで病棟まで迎えにきて、エレベータで地下まで連れて行きました。私は、わずかな私物を拝借したポリエステルの袋に入れて抱えながら従いました。地下の駐車場から寝台車に乗せるのです。
ここには、当直のセンセイ、婦長さん、看護スタッフ、事務の人など、日曜日の病院で、よくこれだけの方が集まれたと思うほど20人くらいの方が、合掌してオバアチャンを見送ってくださいました。
そういう病院なのです。
自宅まではクルマで10分程度。自宅で、いつものお布団に寝かせてもらいました。
「ご親族がおそろいになったころ、ご葬儀の段取りのご相談に参ります」といって葬儀屋さんは帰って行きました。
「ご遺体」と2人きりになりました。でも感傷に浸っている暇はありません。干しておいた洗濯物を取込んだり、掃除をしたり、座布団を出したり、多忙を極めました。
懇意にしているご近所の奥様が駆けつけてくださいました。
そして「ささえさんのご葬儀は、ご自宅での『童謡葬』ーーーでしょう?」とおっしゃるのです。
私自身、戻りのクルマの中でそれを考えていました。が、この奥様の一言で「それでいいのだ」と背中を押された気持ちになりました。