悠々世代 
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[No.107] 旧友を訪ねて オランダへの旅 9 投稿者:   投稿日:2007/05/16(Wed) 11:36
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 旧友を訪ねて オランダへの旅 9
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(9)最後の日はサウナで

早いものでオランダに来てからもう11日目だ。明日は早立ちなので今日が実質最後の日だ。朝、シモンと一緒に犬のイファーを連れてワールl河の岸辺を散歩する。もう来る機会はなかろう。ひとり村はずれの砦のところまで行って村を一巡して帰ってきた。

10時頃シモンと一緒に車でホウテン(Houten)のサウナへ行く。日本の銭湯みたいなところだろうと思っていたが各種のサウナがいくつかありプール、ジャグジー、エクサーサイズ施設等を備えた‘健康ランド’とでも称すべきところだった。

フロントでタオルのガウンとバスタオル2枚、それに脱衣ボックスのキーを借り2階の更衣室へ行って着衣をすべて脱ぎガウンに着替えた。更衣室は男女の別ない混用だ。

シモンに従いてサウナに入っていくと行き交う男も女もガウンを抱えているだけの丸裸でお通りだ。前だけタオルでちょこっと隠すような仕草はまったくない。目のやり場がなくて困った。

サウナ室は教室くらいの広さで床は3段になっていた。上段の温度が100度くらいに設定されているようだ。上段の床にタオルを敷いて寝ころんだ。窓がなく奥の方が暗くてよく見えなかったが夫婦が2組横になっていた。

中年の女性が入って来て下の段にきたようだ。顔の汗を拭って横目で見れば、女は足の裏をこちらに向けて開脚姿勢で寝ていた。「秘すれば花なり」という言葉があるがこれは嘘だで誤魔化しではないか。あるがままに出していいのではないか。 こんなところへきて余計なことを考えさせられた。

15分汗をかいて外のぬるい泡風呂へいった。初夏の太陽をさんさんと浴びて風呂へ浸かっているとき、「ハロー!」といって若い娘が惜しげもなく裸体をさらして入ってきた。1坪ほどの浴槽なので足をのばすと娘の足とからむ。原始人類はこういうおおらかな生き方をしていたんだろう。イチジクの葉っぱで前を隠すようになったのはだいぶん後のことだろう。

また別のサウナをハシゴしてから庭園の寝椅子に寝ころんで昼寝をした。オトコもオンナも生まれたまんまの姿。むかし読んだ詩が浮かんだ…。

豚屋の主人に豚が言った。「着てるものをみんな脱いでみろ」「パンツも脱いで靴下もだ」「ぜんぶ脱いだらそこに立て」「四つん這いになってブーっと言ってみろ」「なんだ、おれといっしょじゃないか」 こんな内容だった。

ブランドもので着飾ったセレブも脱げば豚と同じだ。手鏡で人生を棒に振った先生もここに来ていたらスカートの中を覗くなんてことはしなかっただろうにと思った。タオルで前をちょこっと隠す真似をしたとてなんになる、白日の下堂々と歩くことにしよう。透視術を体得した。もうが外見で騙されまい。シモンが望んでいたのは日本人と裸のつき合いだったということか。

帰ってマチェの作った心づくしの夕食が待っていた。隣のクラシックカーの奥さんから土産にとプレートが届いていた。今日もいい一日だった。

写真:V村の岸辺にはNaturistが日光浴をするところがあった。


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