Re: 国破れて狡さのみあり
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国破れて狡さのみあり (kousei2, 2008/2/7 17:00)
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Re: 国破れて狡さのみあり (kousei2, 2008/2/7 17:03)
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Re: 国破れて狡さのみあり (kousei2, 2008/2/7 17:05)
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Re: 国破れて狡さのみあり (kousei2, 2008/2/7 17:03)
kousei2
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3.やらずぶったくりの市場経済
精神構造というのは、歴史と社会環境の中に国民が長年漬け込まれている間に出来上がる漬物のようなものだと思う。
ロシアの歴史は、内で足らないものは外から取ってきて充足するという掠奪の歴史であるから、このロシア漬けを味つけしたものは掠奪のうま味なのである。孜々営々と努力を重ねて作り上げるよりも、ちょいと奪うことによって手に入れられれば、こんなうまい話はないだろう。このうま味の記憶が、彼らの心身に湊み込んでいてぬけないのである。
掠奪指向と言っても、もちろん現実には暴力を用いるわけではない。労せずして不当に手に入れるという意味で、実際には一にも二にも騙してかかるのである。場合によっては、これに個喝を織りまぜる。比較的最近の例を一つ挙げてみよう。
ある日本の会社がソ連から提案を受けた。その会社が製造する機械のある構成部分(コンポーネント)をソ連国内で共同生産しないか、というものだった。コンポーネントには高度な技術が用いられていて、その会社がパテントを持っている。ソ連製の機械にこのコンポーネントを組み込めば性能は大幅に向上する。会社は提案に応じて交渉に入ったが、相手からはいろいろな図面をあれも欲しい、これも出せとつぎつぎに求められ、ついに最も重要な図面も要求してきた。
これに対し、この図面は製造上の機密事項でノウハウに属するものだから正式な合併契約締結の後でなければ提出出来ぬことを説明したのだが、それがないと最終判断が出来ぬ、契約はどっちみちするから、などと説得され、出さなければ交渉を打ち切るとおどされたので、信用してとうとう提供させられてしまった。
ところが、それから間もなく相手から交渉打ち切りを一方的に通告された。理由は工場を建てる敷地がない、という木で鼻をくくったような無愛想なあしらいようだった。始めからノウハウを騙し取るための戦術だったのである。これに類する例はいくらでも挙げられる。校滑さという点では、日本人は到底彼らには太刀打ち出来ない。
ペレストロイカは既に死語となり、今は市場経済への移行だそうだ。腰痛をおして、そのための大統領令を乱発しているエリツィンもご苦労なことだが、彼を見ていると、どうもワープロをいじくりまわしている猿を連想してしまう。どうしたら動かせるのか、見当もつかない。手下の猿たちも誰も知らない。そのうちに壊してしまうだろう。
IMFが、それが使えたら餌をやる、と言うものだから、片手でキーを叩くまねをして、もう一方の手を伸ばして芋をねだっている。間もなく猿たちはそんなことに飽きて別のボス猿がとって代わり、ワープロを放り出して山に帰るだろう。自分たちの社会に同化させたがっていた人間もいたが、猿自身がもう少し進化してからでなければ、どうにも無理なことはハッキリしている。
(つづく)
精神構造というのは、歴史と社会環境の中に国民が長年漬け込まれている間に出来上がる漬物のようなものだと思う。
ロシアの歴史は、内で足らないものは外から取ってきて充足するという掠奪の歴史であるから、このロシア漬けを味つけしたものは掠奪のうま味なのである。孜々営々と努力を重ねて作り上げるよりも、ちょいと奪うことによって手に入れられれば、こんなうまい話はないだろう。このうま味の記憶が、彼らの心身に湊み込んでいてぬけないのである。
掠奪指向と言っても、もちろん現実には暴力を用いるわけではない。労せずして不当に手に入れるという意味で、実際には一にも二にも騙してかかるのである。場合によっては、これに個喝を織りまぜる。比較的最近の例を一つ挙げてみよう。
ある日本の会社がソ連から提案を受けた。その会社が製造する機械のある構成部分(コンポーネント)をソ連国内で共同生産しないか、というものだった。コンポーネントには高度な技術が用いられていて、その会社がパテントを持っている。ソ連製の機械にこのコンポーネントを組み込めば性能は大幅に向上する。会社は提案に応じて交渉に入ったが、相手からはいろいろな図面をあれも欲しい、これも出せとつぎつぎに求められ、ついに最も重要な図面も要求してきた。
これに対し、この図面は製造上の機密事項でノウハウに属するものだから正式な合併契約締結の後でなければ提出出来ぬことを説明したのだが、それがないと最終判断が出来ぬ、契約はどっちみちするから、などと説得され、出さなければ交渉を打ち切るとおどされたので、信用してとうとう提供させられてしまった。
ところが、それから間もなく相手から交渉打ち切りを一方的に通告された。理由は工場を建てる敷地がない、という木で鼻をくくったような無愛想なあしらいようだった。始めからノウハウを騙し取るための戦術だったのである。これに類する例はいくらでも挙げられる。校滑さという点では、日本人は到底彼らには太刀打ち出来ない。
ペレストロイカは既に死語となり、今は市場経済への移行だそうだ。腰痛をおして、そのための大統領令を乱発しているエリツィンもご苦労なことだが、彼を見ていると、どうもワープロをいじくりまわしている猿を連想してしまう。どうしたら動かせるのか、見当もつかない。手下の猿たちも誰も知らない。そのうちに壊してしまうだろう。
IMFが、それが使えたら餌をやる、と言うものだから、片手でキーを叩くまねをして、もう一方の手を伸ばして芋をねだっている。間もなく猿たちはそんなことに飽きて別のボス猿がとって代わり、ワープロを放り出して山に帰るだろう。自分たちの社会に同化させたがっていた人間もいたが、猿自身がもう少し進化してからでなければ、どうにも無理なことはハッキリしている。
(つづく)