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戦前の赤坂表町の思い出・その3 大正14年生まれのY

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通常 戦前の赤坂表町の思い出・その3 大正14年生まれのY

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/12/29 9:22
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 大叔父邸のなかの様子

 では、この1800坪(約6000平方メートル)の敷地のなかはどうなっていたかの一部をこれまた不確かな記憶に基づいて述べてみたい。

 1.請願巡査の家
 
 請願巡査とは、富豪や地主などが自宅を警備させる目的で私費で派出所を作らせたものをいうが、この家の敷地にも請願巡査が一家で住み込んでいた。
 この時期、515事件、226事件と政治家を狙ったテロ事件が相次いでいたわけで、必要性があったのかもしれない。

 ただし、日常は、押し売り、変人、ヤクザ、暴漢を退散させるのが仕事であった。

 この家には、巡査と奥さん、小学校4年生の女の子が住んでいた。
 巡査は日曜日でも制服を着ていた。
 奥さんも腕力があるという噂であった。大柄で静かな奥さんであったが、主人不在の時は同じことができたようであった。

 巡査の奥さんは、派閥の会合や、選挙区からの来訪者が多い際などには接待係の手伝いに駆り出されてもいた。

 なお、巡査外出の際は、書生が内玄関の前に椅子を持ってきて詰めていたという話であったそうだ。とにかく、右翼と変人が一番怖かったようだ。刀物を持って歩く者の話が年に1-2度はある世の中であった。

 2.書生部屋

 書生さんは3-4名くらいいたような気がする。名前は知らない。
 書生さんというのは通常は玄関脇に居間を持つものであるが、この家の書生部屋は玄関脇ではなかった。


 3.図書館

 何しろ、7人の子供を育てただけあって、小学生にはうってつけの本ばかり(イソップ、千夜一夜物語、アンデルセン童話集、グリム童話集、三国志、三蔵法師、キリスト物語、物語モハメッド、お釈迦様の一生、軍備の世界、新兵器の世界、客船の世界、自動車の世界、世界各国の歴史、世界の宗教、世界の鉄道、など)。
 滞在中、これらの本を3週間ぐらい食い入るように読み耽っていたことを記憶している。

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