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無線講選科第三期生(三選会)始末記 河村泰平 前編 その2

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通常 無線講選科第三期生(三選会)始末記 河村泰平 前編 その2

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2013/1/11 6:40
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 運命の日

 一体、ミッドウェー作戦とはどんな作戦なのか、それはミッドウェー島を攻略して日本軍基地を推進する。合わせて出撃してくるであろう敵艦隊を撃滅しようというものであった。

 乾坤一擲、この際大日本帝国海軍の誇る戦艦『大和』『武蔵』を始め、帝国海軍連合艦隊の持てる兵力を大挙押し出して敵艦隊と一戦を交える。と言う雄渾壮大な計画の基に実施される大作戦なのである。これはドーリットル爆撃隊の本土空襲が引き金となった作戦と言われる。第一段作戦当時、我々機動部隊や前線に出て東奔西走していた艦戦の将兵は、でんと内地に居座ったまま、世界に誇っていた40センチ主砲を一発も射ったことのない『大和』を無用の長物視する傾向があった。それが初めて出撃してきたのである。ミッドウェー占領隊には陸軍一木支隊(旭川第28連隊の一個大隊、連隊長一木大佐)と、海軍第二連合特別陸戦隊(司令官太田実大佐)が当る。これらの部隊は輸送船12隻に分乗、第七戦隊(重巡熊野、鈴谷、最上、三隈)第二水雷戦隊(軽巡神道以下駆逐艦12隻)が護衛してすでにサイパンを出撃して太平洋上にある。我々南雲部隊は、ミッドウェー占領隊の上陸前にミッドウェー島を空襲し、所在航空兵力、艦艇及び基地を覆滅して攻略部隊の作戦を支援する。その後は同方面を機宣行動し、敵艦隊の捕捉撃滅に当るのが任務であった。そして敵艦隊が出てきたら連合艦隊の本隊、即ち『大和』ら戦艦群が艦隊決戦を挑もうというもので、『大和』ら本隊は我々より2日遅れて柱島を出撃、今我々の後方600浬の洋上を進撃中という。前日来、小雨が執拗に降続き、雨まじりの靄に包まれながら進撃していたが、予定の変針点に達した6月3日、夜明け前から靄は次第に霧に変わり、ついに濃霧となった。艦隊は霧中航行部署に就き、各艦探照灯を点じ自艦の位置を示していたが、隣接艦の探照灯さえおぼろ月のようにぼんやり見え隠れするだけであった。ここで『赤城』が隊内通信系を使って『変針命令』を伝えた。微弱電力送信であったが、後方600浬の『大和』にも捉えられたという。これでは敵方に傍受された恐れがあり、全艦隊も一層敵襲を覚悟しなければならなかった。

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