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無線講選科第三期生(三選会)始末記 河村泰平 前編 その3

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通常 無線講選科第三期生(三選会)始末記 河村泰平 前編 その3

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/1/13 8:41
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 (実験)濠州シドニー出港直後、対銚子無線空中線電力25「ワット」で使用波6メガでのQSA/QRKは3の応答であった。電波管制を命じた人でなければ之を強行は出来ない。恐らく作戦参謀は激しく抵抗しただろうと少考する。此れは大変な賭けに等しいからだ。

 6月4日、午前中我が輸送船団が敵哨戒機に発見され、午後にはB17爆撃隊9機の爆撃を受けた。幸い船団には被害がなかったが、その夜、敵機一機の低空雷撃を受けたという。そしてその夜、ついに我が南雲部隊も敵哨戒機に発見されたのである。各艦は一斉に不安と緊張が高まって来た。

 6月5日、この辺りの日出は東京時間午前2時である。空にはかなりの雲があり天候はあまり良くない。海上は平穏で今ミッドウェー空襲の第一次攻撃隊が発艦しようとしている。東の空がかすかに明るく水平線がぼんやり見分けられる。午前1時45分、第一次攻撃隊は出ていった。しかし日の出と共に敵飛行艇に接触され始めたと言う。対空戦闘の一時解除を待って当直を交替し、私(筆者高崎)は暁のまどろみに入った。早朝、第一次攻撃隊が出払ったあと私は控え室で仮眠をとっていた。

 午前4時45分頃、突如、対空戦闘ラッパが艦内伝声管を通じて轟き渡った。私の戦闘配置は無線室である。戦闘配置につけの号令とともに無線室に飛び込んだ。しかし司令部員はいわゆる助人で固有の配置がない。約1時間、飛行甲板の両舷にある高射機関砲の激しい発射音、敵機のか味方戦闘機のかゴーッという通過音が入り乱れ、続いた。この空襲はミッドウェーの陸上基地から攻撃して来た敵雷撃機、爆撃機および陸軍機の空襲であったそうであるが、上空直衛の味方ゼロ戦隊の見事な活躍でその大半を撃墜し、味方空母に被害はなかった。

 丁度その頃、ミッドウェー島攻撃から帰ってきた第一次攻撃隊の飛行機群が、夫れ夫れの母艦に着艦を始めた。午前6時20分頃であった。母艦では待機中の第二次攻撃隊の飛行機に艦船攻撃用の魚雷や爆弾を、陸用爆弾に付け替える作業に忙しかった。というのも、第一次攻撃隊からミッドウェー陸上攻撃に際して、戦果不十分として『第二次攻撃の必要あり』との電信を受けていたからである。

 報告を受けた時点で母艦群は、既に敵空母攻撃に備えて対艦船用爆弾及び魚雷の装備で、飛行甲板に待機していた。しかし、第一次攻撃隊指揮官からの報告によって、第二次攻撃隊を出すことになり、これを急遽陸用爆弾に装着換えしなければならなかった。

 ところが第一次攻撃隊を収容する直前になって、『利根』の偵察機から敵機動部隊の発見が伝えられ、母艦群は再び雷撃装備に再変換と言うことになり、大混乱になった。敵艦隊発見の報告が入った時点で、二航戦司令山口少将は、直ちに攻撃発進することを意見具進したと言われる。

 これは陸用爆弾のまま攻撃隊を出すと言う事であった。が、南雲長官は正規の編成、攻撃方法による攻撃を選んだと言われる。

 (後編へつづく)

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