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広島の被爆者の声(2) (2枚目のCD の21から30まで)

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kousei

通常 広島の被爆者の声(2) (2枚目のCD の21から30まで)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2006/7/14 0:09
kousei  管理人   投稿数: 2
  
その21 音声を聞く

 原爆いうのはのちに分かったことですからねぇ。放射能使こうたいうようなことはだいぶのちに分かったことでぇ。その当時は、とにかく、まずう目に見えた切り傷とかねぇ、火傷を手当てするとか、まずぅ第一番じゃったですなぁ。火傷、ほいからあの、このぅ、ガラスでね、怪我して、その出血でドッド、ドッド血が出るようなの、まず治すと、こういうようなことが、外科的なあれがまずじゃったですなぁ。えー。

 ほりゃもう、どう言うてももう、薬は無いし、まぁ惨憺たる状態でしたねぇ、えぇ。その患者たるや刻々死んでゆくんでしょう。厳しいですなぁ、医者としては厳しいですねぇ。その、治療しようにも材料が無いと、こういうことで、厳しいですなぁ。

 廊下の縁(へり)で、こっちへ、白島の方へ逃げて来た兵隊じゃったですが、(声が震える)“お母さん”言うていたですなぁ。(感情が昂ぶって声が崩れ聞き取れない、おそらく、“それから、間もなく死んでいったですわ。”)。若い人じゃったですがのう。


その22 音声を聞く

 旗が立ってるのを求めて怪我人が沢山おいでるんですけどね、その来て、してるうちに、どんどん亡くなっていくわけ。そして、まぁ、ほんと鬼のような気がしました。あの、名前聞いただけで亡くなる方もあるんだから。その長い列が続きますけどね、そして、その待ってる間に亡くなる方もあるわけ。

 女の方でガラスの破片がいっぱい体刺さってた方が「お水下さい」言われたんです。気の毒に思ってお水ちょっとあげたら、そしたら、体中から、すぐ泡のようになって水が出てきた。間なしに亡くなられました。

 だから時計されてる方は文字盤が皮膚に焼け込んでましたしね。んから、兵隊さんの場合でしたらもう、将校さんなんかはサーベルですね、剣が、だけになって、ほとりは全部焼けてんですが。兵隊が担いで来られるのが沢山いましたからね。だけど、その将校よりも兵隊さんのほうが、よっぽどひどいんだから、「その将校さん置いときなさい」言っても、「いや、上官をどうぞ先に」言いながら死んでいかれた兵隊さんも、だいぶ

 
その23 音声を聞く

 その掩体壕の蔭から、ほんと可愛いおかっぱの嬢ちゃんが走ってきて、「おじさん、弟見てやって頂戴」て。掩体壕の蔭に幼稚園にあがるかあがらないぐらいの可愛い息子さんが火傷受けてお尻を掩体壕におろして、手を前に突き出してぶら下げるような格好して。ひょっとみると、左の目ですね。結局目のあった所から15センチぐらい目の玉がぶら下がって、鼻の下のほうに眼球がぶら下がってる。

 それを見てもこちらも気が立っておりましたけど、「診てくれ」って、その嬢ちゃんが、お姉さんが言われても、私ももちろん眼科医でもないし、医者でもないし、眼球を指つまんで元の眼窩の中収めてそれで済むもんでもないことも分かっとるし。その時には本当にそのお嬢さんと、その坊ちゃんと、まぁどうしていいか。

 小さいながら、そのことが未だに念頭離れませんので、毎年八月六日の夕方、お参りするときには心の中で、嬢ちゃん、坊ちゃん辛かったでしょうね。おじさんこらえてくださいね


その24 音声を聞く

 あの、うちの子見つかったのよぉ、言うて。まぁ、良かったねぇ言うたら、あの、臍で判ったの言うて。どこにぃ?言うて見たら、風呂敷包んでるの、このくらいのもんですね。

 あら、頭も手も足も無いじゃないの、胴だけ?言うて言うたら、ええ、焼けてね、くっついてない、離れとったから、もう投げといて、胴だけ負うて来ました、言うて。

 母親が見て臍になんかの特徴があったんじゃろ思います。どこで判ったんですかぁ言うて言うたら、臍、臍で判ったのよぉ言うてね。

 まぁ、あんな時はもう、ちょっとその、ちょっと気が狂っとるようになっとりますからね。だから、まあ、あの、ほかを捨てても頭だけ持ってくりゃよかったんなぁ思うて、あたしゃ


その25 音声を聞く

 まぁ、助けの神さんですやね。そのトラックが通った。ほで、こうやって手を振ったら、、私がこうやってね、ほしたら止まってくれちやったんです。

 ほで、兵隊さんがね、あのう、子ども先こう、帯から解いて降ろして、ほいでトラック乗せといて、ほいでまた私をね、二人か三人かで乗せてくれちゃったんです。抱えて。トラックへね。ほで毛布ひいてね、そこに寝せてくれたんです、親子。助けの神さんじゃな、ありがたいのう思うて手を合わせてね、私は拝みました。やれやれのう、こういう見ず知らずの人に、こういう風にて。

 そしたらね、あの、その、子どもがね、顔を変えてね、みるみるね。「父ちゃんね?、父ちゃんね?」言うて言うたのが、兵隊さんじゃ、あー思うてね、「あー僕の父ちゃん兵隊さん?」言うたら、「うん」言うたんよ。ほいでね、うなずいたんですよ。

 ほいたら「あぁそうかそうか、元気でおれよ、死ぬなよ。元気でおれよ。父ちゃんすぐ戻るけんのぅ」言うてからね。「うんうん」言うてからね、うなずいたんです。

 それがまぁ、向こうの人にね、私らに情けかけてくれたんじゃと思うと。いったい子どもはこまいしねぇ。とうとう助からなかった。「母ちゃん、父ちゃんは?母ちゃん、父ちゃんは?」言うてね、言いよったです。


その26 音声を聞く

 造船所っていや南の端でございましょ。だから怪我人が皆こう逃げて来てね、だんだん溜まるわけですよ。それがまぁ、呻いておる。それから「水を水を」って言う声ね。これは忘れられませんですよ。

 そうするとね、「水をくれー」って言いますと医者がまた大きな声で怒りよる。「水飲むと死ぬぞ!」ちゅうて一喝しよるですね。まぁそれは誰にも「水を水を」と言う声が忘れられんと言いますけれども、やっぱり耳に、今さっきのように耳には残っておりますですね。

 まぁ、結局、その、特別に造船所から船を出してくれまして。その時も学生は僕を担架に乗せてね、そしてなんですよ意気揚々。まるで負傷した大将を担架に乗せて兵隊が帰るような具合の調子ですよね。あの動員の歌、今こそ筆を投げ捨ててという。「♪今こそ筆を投げ捨てて」ってちゅう。あの歌ですね、あれを歌ってね。もう


その27 音声を聞く

 やがて夜がやってきましたが、広島市はさながら真昼のごとく炎上しており、家は爆風により倒壊し、空は赤土の粉を撒き散らしたようにどんよりと曇り、陰惨な風景を呈していました。

 間もなく、「負傷者は集まれ」の声に、兵籍者、地方民を問わず、一つ所に集まりました。看護婦は一生懸命負傷者に布を巻いていました。手当てするにも資材とて無く、治療の施しようも無かったのです。

 集まった人を見れば、みな血だるまのごとく、出血しており、中には女の人も混じっていましたが、髪は赤く縮れ、顔の皮膚は赤く、まるで外人を見るようでした。

 一同は応急手当を受け、間もなく兵舎の中の毛布を各自一枚あて持って頭よりかぶり、我々兵隊は病院裏の防空壕前に布陣しました。6人一組ぐらい、集団にかやを張り、各自が持っておる毛布一枚あてを用いて寝床にあてました。


 
その28 音声を聞く

 あの、ずる剥けに真っ赤に裸になった人間がね、トラックに乗って、もう狂い死にしよるわけですよねぇ。なんかワーワーヤーヤー言うてトラックの上でもしよるしもう。

 広島の県女(県立高女)のね、あれがねぇ引き倒しにいたのが(行ったのが)、先生に引率されて帰って来てね、全部死んだですね。張り切ってそこまで来たらもうバタバタとみーんな倒れたですよ。ほーしてね「諸君の仇は先生がとってやるから」ちゅうて、先生…


その29 音声を聞く

 六日の晩はどうも何とも言えん悲惨な思いがしたです。「寒いのー」言うてから、おらぶ(叫ぶ)んですなぁ。そいから「水をくれ、水をくれ」。そいから、子どもがねぇ、母親をおらぶんですよねぇ、「お母ちゃん、お母ちゃん。お母ちゃんどこ行ったんかい」言うて。それがね、夜っぴて耳についた。ほで、夜明けによけい死んだですよ。


その30 音声を聞く

 ま、妹はさかんに「水が欲しい、水が欲しい」って言ってましたけどね、まぁ「水をあんた飲んだらね、すぐ死ぬるんじゃき、我慢しんさい。でも明日の朝になるとこの奥のほうへねお医者さんがおってじゃろうから、お医者さんとこすぐ連れてってあげるけんもうちょっと我慢しんさいや」いうことだったんですよね。

 夜になりまして、広島のこう空を見ましたらね、凄い真っ赤なんですよねぇ。ものすごくもう明るいんです。今にもこう山が燃えてきそうですね、己斐の山が《己斐は西区の地名》、もう、ずーっと町中が燃えてたんでしょうねぇ。

 で、まぁ、妹の、もう丸焼けですからねぇ、どこをどういう風にしてやるとも分からんですね。つける薬もありませんしねぇ。で、水もやったらいけないとばっかり思ってますからね。ただついているよりしようがないですよ。で、時々「どんな、痛い?」とかいう風なことしかね、言えませんね。

 で、夜中にあれですね、あのう、急にこう呼吸が荒くなりましてね、もう「呼吸が苦しい、呼吸が苦しいー」言っですねぇ。もう、そう言ったらもう途端にもう亡くなりましたね。

 しまった! こんなんだったら、水を、あれだけ欲しがってた水をやればよかったのに思ってね。で、みんな本当に大声あげて泣きました、はぁ。母はもう気違いみたいですね、もう。

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