Re: 昭和十六年一月一日~五月三十一日
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成瀬孫仁日記(一) 1989年9月から記す (あんみつ姫, 2008/10/24 11:15)
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昭和十六年一月一日~五月三十一日 (あんみつ姫, 2008/10/24 11:20)
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Re: 昭和十六年一月一日~五月三十一日 (あんみつ姫, 2008/10/24 11:31)
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Re: 昭和十六年一月一日~五月三十一日 (あんみつ姫, 2008/10/24 11:41)
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Re: 昭和十六年一月一日~五月三十一日 (あんみつ姫, 2008/10/24 11:47)
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Re: 昭和十六年一月一日~五月三十一日 (あんみつ姫, 2008/10/24 11:56)
- Re: 昭和十六年一月一日~五月三十一日 (あんみつ姫, 2008/10/24 11:58)
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Re: 昭和十六年一月一日~五月三十一日 (あんみつ姫, 2008/10/24 11:56)
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Re: 昭和十六年一月一日~五月三十一日 (あんみつ姫, 2008/10/24 11:31)
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昭和十六年一月一日~五月三十一日 (あんみつ姫, 2008/10/24 11:20)
あんみつ姫
居住地: メロウ倶楽部
投稿数: 485
休講で教練《注1》多く皆ブウブウ
五月二日(金) 晴 暖
暖い外套なしで登校。学校で訪日宣詔記念《注2》式あり。式典後校庭で満洲国々歌の練習あり。午後各室対抗の野球とバレーボールの試合あり。一号室はバレーのみ出場、天候の不良と風向が悪いため八号室に完敗。
五月三日(土) 晴 暖風強し
蒙古風烈しく吹く。砂塵を巻き上げて吹く。その為太陽が黄色にはっきりと見える。眼も大いに痛む。
バルカン・ギリシャ戦線で獨軍遂に勝つ。北アフリカ戦線でも獨軍威振う。併し英国軍も根強く頑張る。伊軍だけは何時も敗けている。
校庭で愛馬の日について院長の話あり。其の後チフスの予防注射あり。
五月四日(日) 晴 稍寒し風強し
昨夜の蒙古風は猛烈を極め寮の屋根を剥ぎガラスを破り廊下は砂煙が濛々と立ち込め、朝になって見ると室内は砂埃りだらけ。而も今日吹き荒れたが夕方にはすっかり静まって空が青い色を見せ、校庭の草も芽を吹く。
五月八日(木) 雨後晴 稍寒し
夜中からのひどい雨で屋根が雨漏りで原田調三さんがずぶ濡れに なる。
教練の授業に始めて教官廣渡大尉が出て来た。
五月九日(金) 暖
柔道部奉天の満洲医大で開催される高専大会に十時発の亜細亜《注3》注で出発。五月十二日帰哈の予定。
五月十四日(水) 晴 寒
最近朝夕寒い。寒きがぶり返して来たか。
六時限の授業後寮の前で勤労奉仕あり。参加者約三十名。大豆、豌豆、胡瓜、小豆等澤山植える。学監先生も来て汗を流しておられた。
五月十五日(木) 晴 暖
朝感心にも早く起きて点呼に出る。此の頃どうした事か白井教授が居ないのでその時間がすべて教練に充当され皆不平ブウブウである。それで思い出したが、此の月の三日以来、演習で兵隊が寮に来て泊ったり炊事をしたりしている。
五月十七日(土) 晴 暖
午後隣りの飛行場で飛行機が一機炎上した。火を噴き黒煙をあげて炎えていた。飛行機の炎上は初めて見た。
北安省綏化街に大火事あり。最近地震があった計だ。ダブルパンチとは酷い。
五月十八日(日) 晴 暖
学院の運動場で哈爾浜鉄道局の運動会があった。美しいメツチェンが澤山来て盛大に行われ吾々も日曜日に拘らず行って眼を楽しませて貰った。
北方亜細亜研究会のジンギスカン鍋が夕方六時から校庭であり。
二次会に蒙克(モング)と一富士へ行く。此の男日本の飲屋を好み満人、露西亜人の飲屋に一緒に行ったことがない。
五月十九日(月) 晴 暖
中田甫先生からプリントと国立大学哈爾浜学院論叢を貰う。
どうした事か今日欠席者多く教練の時など実に十七人もいた。良く休んだものと感心させられる。
外出届を春日君に書いて貰い街へ出る。(3)
歴史の時間又もや教練。四時限目、三年生教練、二年生教練、一年甲組教練、教練の花盛り。
五月二十二日(木) 曇 暖
青少年学徒に賜りたる勅語の記念日。校庭で式典あり。後「国立大学哈爾浜学院報国団」の結成式を挙げる。
飛行場の飛行機が一機いきなり頭上に急降下して来て大いに吾々を驚かす。
五月二十三日(金) 雨 暖
剣道部勇躍試合のため南下す。弓道部も又夜奉天《注4》へ遠征。雌伏一年、必ず勝って帰れ。吾等御身らの優勝を待たん。
昨日の新聞によると獨軍はグライダー部隊を先頭に敵前着陸クレタ島の攻略を開始する。成否は如何に。
(3)
五月十九日 外出届は記憶にない。
注1:軍事の基本訓練
注2:満州国皇帝が日本を訪問した記念日
注3:南満州鉄道の特急列車の愛称
注4:現在中国瀋陽で 満州国当時の名称
五月二日(金) 晴 暖
暖い外套なしで登校。学校で訪日宣詔記念《注2》式あり。式典後校庭で満洲国々歌の練習あり。午後各室対抗の野球とバレーボールの試合あり。一号室はバレーのみ出場、天候の不良と風向が悪いため八号室に完敗。
五月三日(土) 晴 暖風強し
蒙古風烈しく吹く。砂塵を巻き上げて吹く。その為太陽が黄色にはっきりと見える。眼も大いに痛む。
バルカン・ギリシャ戦線で獨軍遂に勝つ。北アフリカ戦線でも獨軍威振う。併し英国軍も根強く頑張る。伊軍だけは何時も敗けている。
校庭で愛馬の日について院長の話あり。其の後チフスの予防注射あり。
五月四日(日) 晴 稍寒し風強し
昨夜の蒙古風は猛烈を極め寮の屋根を剥ぎガラスを破り廊下は砂煙が濛々と立ち込め、朝になって見ると室内は砂埃りだらけ。而も今日吹き荒れたが夕方にはすっかり静まって空が青い色を見せ、校庭の草も芽を吹く。
五月八日(木) 雨後晴 稍寒し
夜中からのひどい雨で屋根が雨漏りで原田調三さんがずぶ濡れに なる。
教練の授業に始めて教官廣渡大尉が出て来た。
五月九日(金) 暖
柔道部奉天の満洲医大で開催される高専大会に十時発の亜細亜《注3》注で出発。五月十二日帰哈の予定。
五月十四日(水) 晴 寒
最近朝夕寒い。寒きがぶり返して来たか。
六時限の授業後寮の前で勤労奉仕あり。参加者約三十名。大豆、豌豆、胡瓜、小豆等澤山植える。学監先生も来て汗を流しておられた。
五月十五日(木) 晴 暖
朝感心にも早く起きて点呼に出る。此の頃どうした事か白井教授が居ないのでその時間がすべて教練に充当され皆不平ブウブウである。それで思い出したが、此の月の三日以来、演習で兵隊が寮に来て泊ったり炊事をしたりしている。
五月十七日(土) 晴 暖
午後隣りの飛行場で飛行機が一機炎上した。火を噴き黒煙をあげて炎えていた。飛行機の炎上は初めて見た。
北安省綏化街に大火事あり。最近地震があった計だ。ダブルパンチとは酷い。
五月十八日(日) 晴 暖
学院の運動場で哈爾浜鉄道局の運動会があった。美しいメツチェンが澤山来て盛大に行われ吾々も日曜日に拘らず行って眼を楽しませて貰った。
北方亜細亜研究会のジンギスカン鍋が夕方六時から校庭であり。
二次会に蒙克(モング)と一富士へ行く。此の男日本の飲屋を好み満人、露西亜人の飲屋に一緒に行ったことがない。
五月十九日(月) 晴 暖
中田甫先生からプリントと国立大学哈爾浜学院論叢を貰う。
どうした事か今日欠席者多く教練の時など実に十七人もいた。良く休んだものと感心させられる。
外出届を春日君に書いて貰い街へ出る。(3)
歴史の時間又もや教練。四時限目、三年生教練、二年生教練、一年甲組教練、教練の花盛り。
五月二十二日(木) 曇 暖
青少年学徒に賜りたる勅語の記念日。校庭で式典あり。後「国立大学哈爾浜学院報国団」の結成式を挙げる。
飛行場の飛行機が一機いきなり頭上に急降下して来て大いに吾々を驚かす。
五月二十三日(金) 雨 暖
剣道部勇躍試合のため南下す。弓道部も又夜奉天《注4》へ遠征。雌伏一年、必ず勝って帰れ。吾等御身らの優勝を待たん。
昨日の新聞によると獨軍はグライダー部隊を先頭に敵前着陸クレタ島の攻略を開始する。成否は如何に。
(3)
五月十九日 外出届は記憶にない。
注1:軍事の基本訓練
注2:満州国皇帝が日本を訪問した記念日
注3:南満州鉄道の特急列車の愛称
注4:現在中国瀋陽で 満州国当時の名称
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