Re: 成瀬孫仁日記(四)昭和十六年十月~十一月
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成瀬孫仁日記(四)昭和十六年十月~十一月 (kousei2, 2008/11/4 10:22)
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kousei2
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十月十一日(土) 雨 寒
寮に帰ると日下が内地から帰っていた。全快。嬉しい。
散髪に行く。北岡先生内地へ帰る。病気のためとかや。
十月十二日(日) 雨 寒
朝から雨、激しい雨、終日雨、夜叉激しく降る。
晩、自棄酒ならぬ自棄飯腹一杯
朝食の時か、何時か、何処か、晩飯の時か全く記憶にないが、又帽子紛失。探していると三島さんがお前の帽子食堂にあったと教えて呉れた。
米内先生、森先生、礼蘭屯か、満州里へ出発、旅行ではないだろう。何か。
十月十四日(火) 曇 涼
登校時、物すごい霧にて何も見えず。見えるものは白い所ばかり。珍しい。
義勇奉公隊《注1》の訓練あり。
十月十五日(水) 晴 暖
授業なし。院長査閲あり。院長には誉められたがこんな事に大切な授業時間を費やす必要はない。陽当たりにいると暖かいが、日陰に入ると寒くてしようがない。
晝食が遅くなり皆がプウブウぼやきながら、キャベツを音を立ててかじっていた。
軍に徴用された三年生達、十一月に徴兵検査、来年一月人隊だとさわいでいた。
十月十六日(木) 晴 暖
愈々本格的な寒さがやって来た。顔が夜など火照って来る。酒が飲みたい。
高橋のおじいさんの願を入れて寮の仕事を手伝うべく放課後帰る。
鏡子叔母さん日く「そんなこと明日にしなさい」と馬鹿にしている。
何日目か?学校の風呂修繕終わる。久振りにゆっくり垢を落とす。
-人でいると淋しい。やるせない。妙に人が恋しくなる。
十月十七日(金) 晴 暖
起床六時、外は薄暗く又冷える。
午前中哈爾濱社参拝。結局叱られないと学院生は動かない。神社へ集ったのは学院のみ。二時から新京電業と柔道試合あり。惨敗する。頭痛がする。早く寝る。福岡さんが帰って来る。電報が来て春日が新京へ出発。
十月十八日(土) 雪 涼
朝 遂に雪が降る。昨年よりも早きこと一週間。哈爾濱の冬が訪れて来た。哈爾濱には冬が似つかはしい。
十月十六日
第三次近衛内閣は総辞職していたが本日東条英機大将に大命下る。愈々戦争が始まるのか、平出海軍省報道部長の演説や学生の徴集期間の繰上げや世の中は騒がしい。
十月十九日(日) 晴 暖
明日教練査閲があり、その準備のため日曜日登校。午前中、寒さの中で諸検査、午後又掃除あり。晩、伊藤鎮の所へ寄る。明日、起床二時、早く寝る。
十月二十日(月) 晴 暖
午前一時半、目覚時計により起床、皆起きて登校。夜気、暖かで意外の感あり。行軍前食堂にて藷を食べる。最初の一個の美味しかった事、最後のいもの味のなかった事。
キラキラと凍る星を眺めつつ行軍は行く。行程七里、吹き寄せる寒さを物ともせず遂に予定通り完了する。忠霊塔で朝日を拝む。荘厳なり。査問成績「おほむね良好」。良くないとも悪くないとも取れる言葉。好きな様に考えると云う事か。夜、点呼なし。眠い。
「16日が重複していますが、原著のまま掲載しています。代理投稿者」
注1:「義勇奉公隊組織に関する件」が閣議決定されて翌日情報局から発表されて この日から兵役法とはかかわりなく全国民男女を総動員して 防空 防衛 被害復旧 疎開輸送 食糧増産 警防活動などの他 陣地構築などの軍の業務の補助も行なう
寮に帰ると日下が内地から帰っていた。全快。嬉しい。
散髪に行く。北岡先生内地へ帰る。病気のためとかや。
十月十二日(日) 雨 寒
朝から雨、激しい雨、終日雨、夜叉激しく降る。
晩、自棄酒ならぬ自棄飯腹一杯
朝食の時か、何時か、何処か、晩飯の時か全く記憶にないが、又帽子紛失。探していると三島さんがお前の帽子食堂にあったと教えて呉れた。
米内先生、森先生、礼蘭屯か、満州里へ出発、旅行ではないだろう。何か。
十月十四日(火) 曇 涼
登校時、物すごい霧にて何も見えず。見えるものは白い所ばかり。珍しい。
義勇奉公隊《注1》の訓練あり。
十月十五日(水) 晴 暖
授業なし。院長査閲あり。院長には誉められたがこんな事に大切な授業時間を費やす必要はない。陽当たりにいると暖かいが、日陰に入ると寒くてしようがない。
晝食が遅くなり皆がプウブウぼやきながら、キャベツを音を立ててかじっていた。
軍に徴用された三年生達、十一月に徴兵検査、来年一月人隊だとさわいでいた。
十月十六日(木) 晴 暖
愈々本格的な寒さがやって来た。顔が夜など火照って来る。酒が飲みたい。
高橋のおじいさんの願を入れて寮の仕事を手伝うべく放課後帰る。
鏡子叔母さん日く「そんなこと明日にしなさい」と馬鹿にしている。
何日目か?学校の風呂修繕終わる。久振りにゆっくり垢を落とす。
-人でいると淋しい。やるせない。妙に人が恋しくなる。
十月十七日(金) 晴 暖
起床六時、外は薄暗く又冷える。
午前中哈爾濱社参拝。結局叱られないと学院生は動かない。神社へ集ったのは学院のみ。二時から新京電業と柔道試合あり。惨敗する。頭痛がする。早く寝る。福岡さんが帰って来る。電報が来て春日が新京へ出発。
十月十八日(土) 雪 涼
朝 遂に雪が降る。昨年よりも早きこと一週間。哈爾濱の冬が訪れて来た。哈爾濱には冬が似つかはしい。
十月十六日
第三次近衛内閣は総辞職していたが本日東条英機大将に大命下る。愈々戦争が始まるのか、平出海軍省報道部長の演説や学生の徴集期間の繰上げや世の中は騒がしい。
十月十九日(日) 晴 暖
明日教練査閲があり、その準備のため日曜日登校。午前中、寒さの中で諸検査、午後又掃除あり。晩、伊藤鎮の所へ寄る。明日、起床二時、早く寝る。
十月二十日(月) 晴 暖
午前一時半、目覚時計により起床、皆起きて登校。夜気、暖かで意外の感あり。行軍前食堂にて藷を食べる。最初の一個の美味しかった事、最後のいもの味のなかった事。
キラキラと凍る星を眺めつつ行軍は行く。行程七里、吹き寄せる寒さを物ともせず遂に予定通り完了する。忠霊塔で朝日を拝む。荘厳なり。査問成績「おほむね良好」。良くないとも悪くないとも取れる言葉。好きな様に考えると云う事か。夜、点呼なし。眠い。
「16日が重複していますが、原著のまま掲載しています。代理投稿者」
注1:「義勇奉公隊組織に関する件」が閣議決定されて翌日情報局から発表されて この日から兵役法とはかかわりなく全国民男女を総動員して 防空 防衛 被害復旧 疎開輸送 食糧増産 警防活動などの他 陣地構築などの軍の業務の補助も行なう