Re: 成瀬孫仁日記(九)昭和十八年六月~昭和十八年九月
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成瀬孫仁日記(九)昭和十八年六月~昭和十八年九月 (あんみつ姫, 2009/3/30 12:30)
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あんみつ姫
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九月
二十一日(火)
関東軍参謀長笠原中将、山下少佐参謀を帯同して来校。山下少佐と懇談会あり。就職のことなり。充分考えさせられることあり。
二十二日(水)
午後、身体検査。夜教練査閲当日の学課のための教題、作戦用図を渡される。
卒業前にロシヤ語階梯三百頁、十五日間で読み直す予定。今更なんて思うなかれ。
二十三日(木)
布団に日光浴させる。
二十四日(全)雨 寒し
第二十三回学院創立記念日。授業あり。学生の徴兵延期理工科を除いて停止する。
創立記念式に参列して感あり。
二十五日(土)晴れ、寒し
午前八時玄関前集合。査閲準備のための野外演習。練兵場の集団堆土付近に向う。一日中引き回されていささか伸び気味。
教練宿題、晋魏陽作戦における大隊の陣地攻撃。提出。
二十六日(日)快晴
日曜日というのに練兵場に引き出される。毎日、毎日教練。併し良く見ると教練をしている時間よりも遊んでいる時間の方が多いとなると大学当局の無能の底が知れない。
風呂場に行き、冷水の中に飛び込んで体をこすると一日の不愉快が吹き飛ぶ。
二十八日(火)雨天
教練査閲。グライダー及び射撃。
朝六時学校集合。両道を三果樹へ。午前は射撃場へ行き八時半より始まる。成績は学院はびり。工大と中学が良かった。午後、明日の行軍準備。就寝七時三十分。
二十九日(水)快晴
起床二時。洗面。食堂にて馬鈴薯のふかしたのを食べ、三時四十分玄関前集合。四時、全校の職員、学生に見送られて出発。南寮に泊った査閲官、行徳中将及び院長は馬で行く。三貫目の砂嚢を背嚢に入れ、外套と銃を持つと相当重い。スターリーハルビン、三果樹を経て午前七時半北寮へ帰る。釣四里半。
北寮の東の練兵場にて査閲あり。課目は四年生は小隊の陣地攻撃、銃剣術、小哨の配置、図上作戦、六時頃終了。現地にて査閲官、行徳中将の話「もっと頑張り、全体に徹せよ」、講評「おおむね良好」馬鹿にしている。
感心したこと。
査閲官、行徳中将が皆の動作がにぶいと自ら銃を取って匍匐前進、躍進後の射撃の動作を土の上を這い回って模範を示したのには驚いた。
補記
九月二十四日 学院創立記念日に授業をしている。昨年までのことを考えると逼迫した時代の変化を感じさせる。
この頃教練のため作戦用図を書かされたり、宿題に晋魏陽作戦における大隊の陣地攻撃案とかを提出させられたが、我々兵隊要員、よくても最末端の下級将校には関係のないこと、来るべき教練査閲の点数稼ぎの報告用の作業としか思われない。
(成瀬孫仁日記(十)につづく)
二十一日(火)
関東軍参謀長笠原中将、山下少佐参謀を帯同して来校。山下少佐と懇談会あり。就職のことなり。充分考えさせられることあり。
二十二日(水)
午後、身体検査。夜教練査閲当日の学課のための教題、作戦用図を渡される。
卒業前にロシヤ語階梯三百頁、十五日間で読み直す予定。今更なんて思うなかれ。
二十三日(木)
布団に日光浴させる。
二十四日(全)雨 寒し
第二十三回学院創立記念日。授業あり。学生の徴兵延期理工科を除いて停止する。
創立記念式に参列して感あり。
二十五日(土)晴れ、寒し
午前八時玄関前集合。査閲準備のための野外演習。練兵場の集団堆土付近に向う。一日中引き回されていささか伸び気味。
教練宿題、晋魏陽作戦における大隊の陣地攻撃。提出。
二十六日(日)快晴
日曜日というのに練兵場に引き出される。毎日、毎日教練。併し良く見ると教練をしている時間よりも遊んでいる時間の方が多いとなると大学当局の無能の底が知れない。
風呂場に行き、冷水の中に飛び込んで体をこすると一日の不愉快が吹き飛ぶ。
二十八日(火)雨天
教練査閲。グライダー及び射撃。
朝六時学校集合。両道を三果樹へ。午前は射撃場へ行き八時半より始まる。成績は学院はびり。工大と中学が良かった。午後、明日の行軍準備。就寝七時三十分。
二十九日(水)快晴
起床二時。洗面。食堂にて馬鈴薯のふかしたのを食べ、三時四十分玄関前集合。四時、全校の職員、学生に見送られて出発。南寮に泊った査閲官、行徳中将及び院長は馬で行く。三貫目の砂嚢を背嚢に入れ、外套と銃を持つと相当重い。スターリーハルビン、三果樹を経て午前七時半北寮へ帰る。釣四里半。
北寮の東の練兵場にて査閲あり。課目は四年生は小隊の陣地攻撃、銃剣術、小哨の配置、図上作戦、六時頃終了。現地にて査閲官、行徳中将の話「もっと頑張り、全体に徹せよ」、講評「おおむね良好」馬鹿にしている。
感心したこと。
査閲官、行徳中将が皆の動作がにぶいと自ら銃を取って匍匐前進、躍進後の射撃の動作を土の上を這い回って模範を示したのには驚いた。
補記
九月二十四日 学院創立記念日に授業をしている。昨年までのことを考えると逼迫した時代の変化を感じさせる。
この頃教練のため作戦用図を書かされたり、宿題に晋魏陽作戦における大隊の陣地攻撃案とかを提出させられたが、我々兵隊要員、よくても最末端の下級将校には関係のないこと、来るべき教練査閲の点数稼ぎの報告用の作業としか思われない。
(成瀬孫仁日記(十)につづく)
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あんみつ姫