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Re: 大事な家系図

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あんみつ姫

通常 Re: 大事な家系図

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4
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2004/2/24 22:46
あんみつ姫  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 485
この清書が出来上がれば家系図は復活するので、誠にありがたいことだった。

私が清書の責任を負ったのだが、紛失のいきさつを書くのに心重かったり、用紙の望ましいのが無かったりで逡巡《しゅんじゅん=ためらう》日を過ごして居た時しも、岡村の家の後始末を頼んでおいた勇が来藤、先祖伝来の目ぼしい品物を持参して呉れた。

調べたところその中に茶色に変わった古い紙袋に「家系譜河西」と記したのがあった。取り出して見ればこれこそまがいも無い河西家本家本元の系図ではないか。

私はびっくり仰天《ぎょうてん》した。これは一体どうしたこと。満州で紛失したと許《ばか》り思ふて《思うて》いた家系図が出現した。不思議とも不思議、私の頭脳は全く混乱してしまった。

靜に瞑目《めいもく=眼を閉じる》、過去の当時を考えてみた。
満州の荷造りを手伝った時、家系図と表記した古い紙袋を手にした記憶は判然とよみがえった。
然し大勢の手で片付けたので、その後のことは分からない。

私が大切と見た紙袋が今目の前にある紙袋と同じなのか、それとも違うのか、それも分からない。兎《と》にも角《かく》にも紛失とあきらめた家宝たる系図が出現したことは確かだ。

夢ではないこの不可解の謎《なぞ》を誰が解き得よう。
私は奇跡を感受した。祖霊《それい=祖先の霊》の声なき声を聞いた。計り知られぬ恩寵《おんちょう=めぐみ》に対し敬虔《けいけん=うやまいつつしむ》なる謝意の祈りを捧げた。

この古い系図は家宝として子々孫々に伝へ、三吉様の整理された新しい系図を次頁から記す。

昭和四十八年五月末日      河西てう 九十才
    現戸主 河西 武に譲る

遠つ視(み)の み霊の護り《みたまのまもり》くすし《奇し》くて  
  わが家系図の現出に希望

遠つ視(み)の み霊に応《こた》えまへらくは
  うつし世につくすまこととぞ思ふ

岡村の 家より受けしみめぐみは
  霊験とこそ かしこみまつる

--
あんみつ姫

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