地震などの天災を語る 
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[No.163] SPEEDIは動いているか 投稿者:男爵  投稿日:2013/05/27(Mon) 19:30
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>  放射性物質の広がりを気象条件などをもとに迅速に予測するシステムSPEEDI。
>  放射性雲は、浪江町へと移動し、雨雪となって地上におちたが、その予測は住民には知らされない。

ためしに第18章について
メモ的に紹介する。
これを読む方は、私の言っていることがわかってくださるだろうか。

「原子力安全・保安院の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム SPEEDIがフル稼働中ではないかな。しかし計算結果は公表されていない?」とツィッターがつぶやきはじめた。

3月15日に早野龍五東大教授の流したツィートである。

政府の防災基本計画では、文部科学省は第10条通報を受けた場合は原子力安全技術センターに対し、SPEEDIネットワークシステムを緊急時モードに切り替えて、原子力事業者または安全規制担当省庁からの放出源情報が得られ次第、放射能影響予測を実施するよう指示すること、そしてそこで得られた結果は文部科学省の端末に配信することが定められている。

その端末は文科省、保安院、原子力安全委員会に据えてある。

SPEEDIの運用は本来文科省が行うことになっている。文科省は原子力安全技術センターにオペレーターの委託契約をしている。

原子力安全技術センターは、文科省の指示に基づき、11日午後9時以降
福島第一原発から毎時1ベクレルの放射性物質の放出があったと仮定した場合の1時間ごとの放射性物質の拡散予測計算を行っていた。

原子力安全技術センターは、その計算結果を関係機関に送付していた。

保安院も原子力安全センターのオペレーターを保安院のERC(緊急時対応センター)に入れ、独自の予測をはじめた。

11日午後9時、保安院は1回目のSPEEDI試算結果を出し、官邸地下の危機管理センターの専用端末にその予測図を送った。

それは、翌12日午前3時半に福島第一原発1号機のベントを実施した場合を想定し、放射性物質がどのように拡散されるかを試算した結果だった。

放出された放射性物質が拡散されるさまは、風向き、風速、地形などによって違ってくる。
不通は、プルーム(放射性雲)は同心円状には広がらない。

しかし、この情報は首相には伝わらなかった。

12日午前1時、保安院は2回目のSPEEDIの予測結果を出し、官邸の危機管理センターの専用端末に送った。
これもまた、首相には伝わらなかった。

保安院から危機管理センターの専用端末に送られたのは、この2枚で終わった。
保安院はその後も、SPEEDI予測を行ったが、それらはERC内でとどまっていた。
その数は43回167枚にも及んだ。

3月15日早朝、2号機の格納容器が損傷し、4号機建屋で爆発が起こった。
その日は南向きの風が吹き、昼過ぎから北西に流れた。

午前9時、福島第一原発正門付近で毎時1万1930マイクロシーベルトが測定された。

午後11時台には、同じく正門付近で毎時7000〜8000マイクロシーベルトが測定され、大量の放射性物質がこのとき放出された。

同日午前、福島第一原発から半径20〜50キロ圏内の住民に出された指示は「屋内退避」だったが、南相馬市はこの日から希望者に対して市外への避難誘導を実施し始めた。多くの市民が飯舘・川俣方面に避難した。

浪江町は、この日の朝方、二本松市へ避難することを決め、住民避難を実施した。

浪江町の山間部から飯舘村長泥にかけて県道には車が殺到した。

長泥地区の村民は、炊き出しに精を出した。そこに逃げ込んでくる南相馬市からの避難民を支援するためである。

その上をプルーム(放射性雲)が流れ、雨になり雪になりして、地上に落ちた。
そんなことを人々は知らなかった。


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