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長崎の被爆者の声(1) (4枚目のCDの21から30まで)

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kousei

通常 長崎の被爆者の声(1) (4枚目のCDの21から30まで)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2006/7/14 10:20
kousei  管理人   投稿数: 2

その21 音声を聞く

 前を見ましたところ、楠がもおぅー、ぱちばちぱちっとですね、星のようにですね、光ってですね、木の中からもう火がバーっと吹き出たみたいな感じで、もう、七色の色で燃えているのをはっきりですね、この目でみたんですよ。ああ、これでしまいか、もうこれで終わったんだな、自分はいつ死ぬんだろうかという気持ちだけだったですね。

 慌てて「お母さん!」って云ったんです。そしたらお母さんが「ただひろ、ただひろ」って弟の名前を何回か呼ぶうちに、もう火傷でですね、水ぶくれを抱えてですね、弟を、目の前におりましたもんですから「ああ、ここにいた」ちゅうて、こう左の手で抱えてですね、防空壕に走って行ったんですけど、その時弟の頭をみましたら、もう真っ二つに割れてたんです。頭から血がどんどんどんどん出てますもんですから、こりゃいけないと思って、また慌てて防空壕に私も一緒に走って行ったと思います。

 もうその時は家の中も外も火に包まれましてね、お布団を干してた、そのお布団に光線があたりましてですね、燃えてたと思います。母が「痛い痛い痛い痛いっ」ていいながらですね、「まぁ、お母さんどうしたの?」ってこう顔をみたら、水ぶくれでぶら下っているのがベーっと破れちゃったんですよね。破れたかと思ったら、もうそこからひりつくんでしょうね、「ああ、痛いよ、痛いよ、痛いよ、痛いよ」とお母さんが始終言い出しましてね・・・

その22 音声を聞く

 その防空壕の端っこにはうちの防空壕があったんです。そこに私、入りこんだんです、兄がいないかなと思って。そしたら兄がいないんです、出たんです。

 そしたら、きょうこちゃんが、「みっちゃん、みっちゃん」って呼ぶんですよ。そしてね・・(泣)・・私がね「あんた誰?」って聞いたら、「きょうこよ」っていうんですよ。近づいてきて「みっちゃん、みず、みず」っていうんですね。

 その時は私、水をやれる状態じゃなかったんです。姿をみましたらですね、まっくろ。髪の毛もなんにもない。ただパンツのゴムだけ。皮膚もね、もうね、下がってるんじゃなくて真っ黒、くっついてるんです。火傷はほれ、水ぶくれがしますでしょ、そんなんじゃないんですよ、真っ黒。だからよっぽど酷かったんですよねぇ。「水を、水を」ってねぇ。ほんとにあの声がいまだにこの、残ってるんです。

 だからね、うちの裏にね、この位の桜の木をもってきて植えてたんですよ。それがこんなに大きくなったんですね。夏になるとセミの音がね、もう「ミズ、ミズ、ミズ」と聞えるんですよ。「ミズ、ミズ、ミズを頂戴」。それとあのうめき声ね、苦しいあのうめき声にね、そのセミの音が聞えるんです。それでもう全部それ、切ってもらったんです。

 
その23 音声を聞く

 ちょうど別世界なんですね、誰もいないから。おかしいなと思ったんですよ。そして周りみたらもう薄暗くなってるんですね、さっきまで真昼でしょ、もう、空は青くて白い雲が少しあるだけでね、綺麗な景色だったのがね、ちょうどもぅ薄暗くなってね、真冬の山で雪がいっぱい降ったときね、薄暗~くて、こう、なんとなく暗い景色になりますね、ああいう状態なんですね。

 そして陣地に今まで大勢いたのが1人もいないでしょ。
 とにかく、ぱっと下を向いたときね、ちょうど隙間なくね、一定の正確な間隔置いてね、チョロチョロチョロチョロ燃えてるんです、町全部が 浦上の方がですね。

 長崎医大の真上ですからね、一目で上から見えるんです、町全体がね、浦上の方が。いつの間にこんだけの焼夷弾を落としたのかなと思ったですね。これがね、ほんとに繋がったらね、続いてしまったら火の海だなと思ったですね。ぞーっとまた、背筋が寒くなりましたよ。すべて終わりだと、全部がおしまいだと・・

その24 音声を聞く

 もう工場の中じゃけども、真っ暗すみですよ。(炸裂した)瞬間、もうビーン、頭がじーんとなって、もう耳がじーんと、なんかガーンと叩かれたと同然ですね。ほしてもう、その最初受けて、わぁ爆弾だて思うたんじゃけども、もうなんだって思いよる最中に、こんだもう、ダッダッダッダ爆風というんですかね、もう四つんばいになっとっても突っ張っておりきらんくらい、もう強かったんですよ。ほして3回か4回くらい、やっぱり波状的に来たですね、爆風が。

 もう突っ張っとっても、ぐいぐいぐいぐい背中から爆風で押されて、そして白う窓のところが、こう、ぼや~と見える。そいでそっちに行こうにももう結局バラバラになっとるから、上のトタンなんかが、落ちてもう重なっとるとばですね、歩けんわけですよ。

 ほいでもう、泳いで行ったのか這っていったのか、そこまで無我夢中で窓際までいったとですよ。窓から飛び越して出たところが2~3人、あっち1人、こっち1人、トタンが結局、爆風でバーと上にあがっとるわけですね、それが降りてくる、直接サーと降りてくる、ちょうど肩のところから腰まで、もう口が開いとる位切れとったですよ。血がドッドッ流れよるわけですよ。

 その中を今度はもう、目ん玉は結局、飛び出たら下がるんですね、このへんまで。ぶら~と下がっとるわけだ、こうひっこんでね。ほいで女の髪の毛はこう真っ縦に立とるです、全部。結局、えずくて《えずくて=恐くて》、びっくりした時に髪の毛が立ったという位。本当ですね。結局、まっすぐもう、普通こう下げとる髪の毛が真上にもう、撫で付けたごと立っとるんですね。ほって、目ン玉はもう飛び出て、友達にこうすがってですね・・

その25 音声を聞く

 一瞬もう闇夜になっちゃったわけですね。ですから、はっきりその時に爆発音っていうものは聞いていないわけですよ。あまり近いためにですね。ただもう、稲光が一瞬、その、全世界が明るくなって、一瞬また暗黒の世界になったような状態で。

 ほいで気がついたときには、魚雷の心臓部たる噴霧器の、これは火力試験をするところの、その釜の中に入っちゃったんですね。こう、立ち上がろうとしたところが、「ああそうだ、ここは釜の中だったんだな」と、「何時はいったんだろう?」と、自分でも無意識だったからわからなかったんですがね。もうほとんど薄暗いもんですからね、手探りで出て、ほんで、表でちょうどその時に女の子が2人で表を掃除してたんです。これが2人共どこへいっちゃったんだかわからないですね。なんの形もないんです。

 ほんで、それでちょっと行きましたところが、組立工場長がですね、左足の片方が全然ないんです。結局、何かの拍子に切れたんでしょうね。切断されてるんです。そこにはおびただしい人が泣き叫んでいる。もう真っ暗ですしね。

その26 音声を聞く

 2階からごそっと崩れ落ちて、その中に女子挺身隊の連中が100人位はおるんですけん、それがわいわいその中でみんな狂いよった。

 それからそのエンジンをいっぱい吹かしてですね、その泣き叫ぶ・・・もう火が少しずつ回り出したんです。
正味10分でしょうね、エンジンを全開させて、もういっぱいふかして、ホースで、ひとりですけん、水をかけようもなにもないし、、そいから、かけたんですよ。けども、エンジンはもう全開してふかしよる、あわてちょる、ひとりじゃしするもんじゃから、すぐ真っ赤なってエンジンはもう止まってもうたですな。オイルも悪いもんですけんねぇ。

 ところが1人ですね、女の子がH鋼の梁の下に、手首だけ下敷きになって、1人飛び出しちょったのがおった。そいからそれを手首を切って、可哀想だとおもったけど、ノコギリで切って、そいで出して止血をして「早くもうここを逃れなさい」と。

その27 音声を聞く

 まぁ、待避する瞬間がですねぇ、その工場内でも実際もう、物凄いもう、人間が死んでるんですね。それから、生きながら燃えている人間もおるわけですよ。なぜかというと、結局大きな工場が倒れとるでしょ。その梁の下になってですね、そしてもう、下の方には火がついてるんですよね。そいで「助けてくれ」というけど、とにかく、助けるもんが誰もおらんわけですよ。

 みんな瀕死瀕傷でもう、とにかく自分がもう一生懸命でしょう。そして1人2人じゃその梁なんか動かそうて動かんわけですよ、二度とあんなことはもう、見ろと云われたって見られんですね。また、見きらないですね。目を覆うごとありますよ。

 そして、そうこうするうちに、・・敵のグラマンが低空射撃で襲ってくるわけですよ。防空壕に入りましたがですね、まぁ、防空壕に入っても、とにかくもう、皆、逃げてくる者がやはり全部もう重傷したその、全身を熱風でやられた人やらですね、半身を光線で焼け爛れたもんやら、もう、息絶え絶えにみんな逃げて、待避してくるわけですよね。それで狭い防空壕にひきめきおうてですね・・

その28 音声を聞く

 防空壕にいってみるともう既に、もういっぱいですね、もう重傷の人がですね、私なんかが入る余裕はないとです。それがもうみんな息絶え絶えでですね、とにかくもうなんといいますかな、地獄ですね。地獄絵巻をみるとと一緒です。ほいで「助けてくれ、助けてくれっ」ていうけど、こっちも怪我しとるしですね、もうどうしようもない。

 そいからしばらくしたら、今度はグラマンがやってきた。ずーっとね、グラマンが上をずーっと旋回して、ほいで、夏やから白いものを着とるもんだから、目に付いたらダダーっと機銃掃射やるわけですよ。

 その当時はちょっと雲やなんかをみるとですね、なんとも云えん、まぁ、血膿を流したような雲がですね、それを今思い出したら、頭がどうかなるごたるですね。血の膿を流したような雲が、下から燃え上がった炎とですね、上からの雲と交差してですね、なんとも云えん、もう嫌~な気持ちがするですね、今でも。

 そしたらこんどは、ちょうど近くに師範学校がありましたが、師範学校が燃え出してですね、それもどんどんどんどん燃えてですなぁ、みるみるうちに長崎の町は燃えだしたですよ、どっこも。

その29 音声を聞く

 もう、どんどんどんどん長崎方面の三菱の子供たちが、全部もう逃げてくるんですけど、どの子を見ても、もう髪はね、逆立ち、もうシューとなって、ちょうどあの、お不動さんの絵ですね。そんな形の、もう、着物はもんぺはみんなボロボロ、ボロボロなって、そしてもう血みどろでしょ、そしてもう、顔はもうとにかくその、真っ黒、男か女かもそれこそわかりませんね。それがぞろぞろぞろぞろ、その、ちょうど水が流れてくるみたいに、私どもの防空壕のほうに逃げてくるの。

 それで私もそれに連なってずーと一緒に防空壕の中にはいったわけ。そうしたらもう、中は真っ暗でござんしょ、もう電気がつかないですから。真っ暗な中をみんなわーわー泣いてはいってるんですよね。くやしくて泣いているのか、痛くて泣いているのか、なんで泣いているのかわからない子が。もう何人もじゃないでしょうけれど、そのわんわん、その防空壕の中ですから響くんですね。

 さすがに私も情けなくなって、これはなんとかこの泣くのを止めたいなぁと思いましてね、「君が代」をうたいだしたの、私が。で「君が代」をうたって、一番をうたってしまうころまでは、なんとわーわー言っていたんですけどもね、二番をうたうころはね、だんだん声が少なくなりましてね、そしてその泣き声がね、一緒に「君が代」をうたいはじめたんです。

 その時はほんとに嬉しくてね。「君が代」というものがね、その頃のね、人たちにこれだけの感興を沸かすかと思いましたね。で、みんなで「君が代」をうたいながら・・・


その30 音声を聞く

 正気づいて、そしてあたりをこう見回したんですね。するともう巨大な鉄骨がね、飴のように曲がって、その下敷きに私がなっているわけですよ。それで立ち上がろうとしたところがですね、頭と足がぴったりくっついてしまって、お腹も足もついているわけですね。ちょうどあの海老のように曲がっているわけなんですよ。そして背中から頭にかけてその鉄骨が落っこちてきているわけなんですね。それでその、もがこうにももがききれないわけですよ。

 それであの「助けてぇ」とおめいたわけなんですけれどね、シーンとした中でね、本館から若い女の人がね、出てきて、少し梁に隙間があったんですね、その隙間の中に、その女の方が、四つんばいに入り込んで、そして両肩でね、その鉄骨を持ち上げてくださったんですよ。そして、そこから私は救い出されて、一応立たされたわけですね。ところが、もうその時すでに腰から下の感覚がなくて・・・

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