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長崎の被爆者の声(1) (4枚目のCDの41から51まで)

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kousei

通常 長崎の被爆者の声(1) (4枚目のCDの41から51まで)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2006/7/14 10:27
kousei  管理人   投稿数: 2
その41 音声を聞く

 たくさんの負傷者が来るわけですね、するとみんなあの腰に紐一本だけをまいているんです。きものが全部吹き飛ばされている、ほいでこんどはさらに夏ですから薄着。そうしますと今度は、着物ばかりじゃのうして皮が吹き飛ばされているんです。その皮が吹き飛ばされて、切れずにぶらさがっている、ちょうど風呂敷をぶら下げたように皮がぶらぶらぶらさがっているんですね。それを引きずるようにして歩いて来よる、みんな裸足です。
 
 「熱か、熱か、どこまで行っても熱か」ちゆうのは、その人たちはもう裸足で焼け土の上を歩いているから、皮は焼けてなくなっている、肉で歩いているんです。それだから痛いのも熱いのも分からないような状態ですね。その脇の道路にはもう沢山南に向かって倒れて死んでいるわけですね。その人たちはね、歩き続けて焼け足で、腹ばうようにして来た人もおります。

 そうすっと、その人たちは死んでるけれどねぇ、その人たちの魂はやっぱり南に向かって歩き続けていると思っているんですよねぇ。


その42 音声を聞く

 びっくりしてね、私もう、ほんと動けなかったんですよ。というのは、もうすっぱだかでですね、そうしてもう、体じゅうが腫れ上がった人たちがね、もう本当に人間じゃないですね。もうなんにも着ていないんですから。あるいはこう、ゴザみたいなのを体に巻きつけたりね。そういう調子の人たちが次から次へと歩いてくるですよ。

 で、もうその、何時間も何時間もかかって、その火の中をくぐってきた人たちですよねぇ。もう、腕の皮がこうぶらぁと下がったり、ほんとに皮はあんなに、あの、下がるものだということを私は初めて知りました。もう腿の皮でもなんでもビローッと剥げましてね。

 そして、髪の毛なんてもこう、髪の毛が逆立つて言いますね。逆立つという形容は全く本当ですね。もう一本一本逆立っているんですよ。そして、それがもう焼けたところもあるしですね。そういう人がもう次から次、次から次へと、もうずうっーとつながっているんですよね・・・。


 
その43 音声を聞く

 とにかく、あのね、死の行進と言いますか、もう頭はちぎれたり、あの、真っ裸だったり、真っ黒になった人が、もうとにかくなんちゅうか、夢遊病者のような状態でですね、それでもやっぱり逃げたいという心理でしょうね、ゾロソロ来よるんですね。そうかと思うと、もう動ききらんで、もう蓑虫のようにこうゴロゴロしながら・・・

 今でも私の目から離れんですが、若い娘の子やったですが、真っ裸になってですね、真っ黒に汚れて、汚れちゅうか火傷しとっとと思いますが、「もう私は、うちは死ぬとよ、水ばくれんね、くれんね」言いよるもん、あんた。ほってんか《だけど》水を、自分も手がふさがってどうもならんじゃけん、水を飲ましてやりたいなと思うけれど、それが出来んでですね。

 そのまま見捨てて帰りました、逃げたですけれど、今でもあの子に、何とかして水を飲ましてやりたかったなぁと思います。


その44 音声を聞く

 ・・・ですもん、ほんとに。そして行きかう人を見れば、いよいよ全裸の人もおるですもんね。そいで、皮がもう腰までぶらさがっとるとよね。浦上のほうからこう走ってくる人たちの姿を見る。これがほんとに新型爆弾じゃなかろうかち、そのとき初めて思ったですね。ね。

 一番記憶に残ったのはですね、その、首のない赤ちゃんをからって《背負って》ですね、自分もすでに、まぁ全裸にはなっちょらんだったですけど、前のほうだけかなかったですれど、それでも「泣くなよ、泣くなよ」ちゅうてですね、そう言うて走っている人の姿を見たとき、ほんとうに戦争ちゅうのはむごたらしいもんだなぁと、本当にそのとき感じたですね、はい。

その45 音声を聞く

 外人墓地の広い畑の中で、そこにたむろしている多くの火傷とか怪我人、たくさんたむろしている団体に出会って、9年間も中国で戦争をし、何十人もの死体を見ながら、少しもそういうことに驚かなかった自分が、その状況を見て魂まで吹き飛んだような状態になってしまいました。

 ほとんどの方が火傷で本当の顔もわからないし、抱いている赤ちゃんはもうすでに息も絶え絶えにしているのに、母は一所懸命おっぱいを与えるような格好であやしている。背なの赤ちゃんは一生懸命おっぱいを求めて泣くのに、もうすでにお母さんは虫の息というような姿。あるいは、大きな負傷を負いながら、口も利けないようなお年寄り。その周囲を、兄弟らしい二人の少年が母の名を呼び、父の名を叫びながら狂ったように走り回っている姿を見たとき・・・


その46 音声を聞く

 下の方からですね、原爆で怪我した人たちがですね、もう三々五々もう列作ってですね、ずっと上ってきているんですね、無数に。で、その人たちが上る途中でですね、精も根も疲れ果てて、次々に倒れていくんですね。でもう、道の両脇にもう、バタバタそういう人たちが倒れてですね、赤黒く焼けただれてもう膨れ上がった人たちがですね、目も当てられんような状態でバタバタ転がっているんですね。

 で、その人たちなんかはもう、ものすごい喉の渇きがあったんでしょうねぇ。道の脇のほうにドブ溝があったんですよ。そのドブの溝の中に顔を突っ込むようにして、ほとんどの人が息絶えているんですね。そんな後を見ながら上ってったんですけど、そうするとですね、また飛行機の爆音が聞こえたんです。するとその家の人たちが慌てて、前に防空壕があったんですよね、その家の防空壕だったんですけど、そこにあのみんな家族ぜんぶ避難したんです。そいで、しょうがないもんだから、わたしもですね、後から続いてですね、入っていったんですよ。

 ところが、その人たちは先に入っていて、あとから来た自分を見たら「あんたどこんもんね? ここはうちの防空壕やけん、すぐ出て行かんね」と、こういうふうに言ってですね。ほいて、上空には、もう敵機がこう旋回しているんですね。そん中を「出て行け」と言われるでしょぅ。出て行けば、また、機銃掃射でも受けて、もう、たちどころにやられせんかな、という恐怖心があったんですけれどもね、もう出て行けっち言われればしょうないですね、そんでもう泣く泣くですね、そこを・・・


その47 音声を聞く

 坂のある丘をよじのぼったわけですね。のぼってそこに、あのちょっと広い大きな墓がありましたが、その墓に20名が立ってですね、下を眺めて唖然としたわけです。「わぁ~、た~」というため息。これではもうダメだと。ほかの21名の人もみんなもう唖然として、「わぁ~と」、こう驚嘆の声をもらすだけだったですねぇ。

 その周囲の山は山火事を起こしているし、ほとんど木造の建築で残っている家は一軒も見えないしですね、工場の鉄骨は飴のように曲がって、もちろんスレートも飛んでしまう、ガラス窓もガラスも飛んでしまってですねぇ、これではもう復興ももうどうにもならんと・・・


その48 音声を聞く

 崖を、その石垣のくえた《崩れた》ごたるところを、這うたごとして行った。そいで山の、山の頂上のほうに行ったところが、兵隊、兵隊の姿はなるほど見えたけれども、兵隊ももう火傷でもうまっ黒、顔はもう黒こげになっとるわけですよね。ほいでそのもう、「薬はないか」と言うても、「薬もない、水もない、我われも、その、もうこんな状態じゃから、そんなその、薬やら水、補給もできん」て云うた。そしたら、もう、山に着くのと同時にもうドラム缶がボーンと破裂して上にあがってですね、バーンと爆破して、もう落ちるたんびに、街は火の海に、次から次ぎさんなっていったんですね。

 ほってもう、その山の上におっても、もう顔がもう熱いわけですね、ものすごい熱いわけですよ。ほいで、そいけどもうビリビリするわけですね。そのうちにもう吐き気が、もう、ものすごい吐き気がするし。吐き気がしてでも、もう吐くもんがないでしょ。もう腹の中に何もないもんじゃから、もう、あの苦い胃液を吐くんです。それが苦しうてからもう・・・


その49 音声を聞く

 その山を越えました。と同時に、そこにいる十人内外の男の方々はみんな、ほんとに腰を抜かしてしまいました。見渡す限り、ま、火の海なんです。もう、煙で遠い方面は見えません。ただ、真下の三菱工場、ま、製鋼所なんかも一面火の海なんです。そして、その音がその山の上まで聞こえてきます。そのゴーッと燃えるような音は、今でももう忘れることはできませんけど、そこでもう、ヘタヘターとみなさん座り込みまして、どうしていいのかなすすべを知らないというか、全員座り込んでしまいました。

 見ているうちに県庁が燃え出しました。そこにいる人たちは全員で、「あ、県庁が燃え出した、どうしたんだ、消防隊はどうしたんだ」、と言っているんですが、消防隊の方だって全滅したのかもわかりません。とにかく、飛び火をしたような格好で、県庁が燃えていました。われわれは山の上から歯軋りをして残念がるんですが、見る見るうちに燃えていくわけです。


  
その50 音声を聞く

・・・この時刻を遡ることおよそ1時間、爆心地の東側、山里国民学校と長崎医科大学付属病院付近・・・


その51 音声を聞く

・・・先ほどまで一列になりまして、土を手送りしていた女の先生、あるいは外に出て足を拭いていた男の先生、一人残らず倒れてうめいていました。でも、それが上半身、何も着けない、着ていないのです。おそらく爆風に剥ぎ取られたのか、熱のために焼けてしまったのか、出ている手足や顔は焼きただれまして雑巾のような皮がぶら下がり、二目と見られないような様子でした。

 仲間の先生でなければ、もう一目見ただけで、私はもう気味悪くなって逃げ出しただろうと思うのです。それから、一ノ瀬という先生がいらっしゃいましたが、やはり外にいまして、土を手送りしていたんですが、その先生が10メートル以上も吹き飛ばされて崖に打ちあてられて即死していました。

 しばらくしますと、他に行っていました若い女の先生、教頭先生が学校に帰ってきましたけれども、一人残らず背中いっぱい赤く焼けただれた、痛ましい姿をしていました。そしてみんなもうガタガタ震えまして、もう「寒い寒い」としきりに訴えるんですけれども着せるものは何もございません。ま、そのときに学校に出まして助かったのは、男では私1人、それから女の先生が3名でしたけれども・・・

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