Re: 沖縄特攻に散った山中正八に捧げる43年目の弔詞
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沖縄特攻に散った山中正八に捧げる43年目の弔詞 (kousei2, 2008/2/6 16:17)
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kousei2
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十月二四日
便所ノ手入レヲ実施ス 此レヲ修養道卜考フルハ未ダ心ノ至ラザルカ 然レドモ余ハ無心二嫌悪スルコトナシ
十月二七日
悠々たるかな白雲 徹すべし 徹すべし
十月三一日
空襲警報発令 駈走ニテ飛行場二帰り 飛行機ヲ分散配置セリ
十一月一日
急顕的(瞬間的に現われて消える標的、空中射撃能力向上訓練に用いる) 三〇〇米五発中二発命中 明朗鷹揚ハ航空部隊ノ特性ナリト自負スルモ良シ サレド 内容、実力ノ涵養之二伴ハザルベカラズ
十一月二日
過ギシ日ヲシノビテ 徒然トシテ何等ナスコトナク他二頼り 何力大キナ力ノママニ自己ヲ忘却セントシタリ 惜シキ日月ナリ
十一月五日
特別攻撃隊 久シク壮快烈々タル壮挙ヲ拝シ 感激血涙 胸二迫ルヲ覚ユ
嫌ナラヤルナ 好キナコトダツタラ死ニモノ狂イデヤレ 若イ時ハ之デヨイ 何故 円満ナル必要ガアルカ 夫ハ悲シキアキラメ 本心ノ糊塗《こと=いい加減にごまかす》デハアルマイカ 柔弱ナル心ナリ 自己ノ良心ヲイツワルコトハ 悲シキコトナリ 嵐二叩カレテイル男ノ姿 美シイモノデハナイカ
十一月六日
俺ガ見習士官ニナツタラ 兵隊ヲ可愛ガロウ 下士官ハ大イニシボツテヤルゾ 特二軍曹ヲ 不愉快ナリ 目ノ上ノコブノ如クシテヰル様ハ言語二絶スル
十一月八日
神風特別攻撃隊 神風ヲ信ズ サレド大日本人ハ之ヲ頼ムベカラズ 自ラ 嵐ヲ起スベシ 思ヒココニ至ルトキ コノ攻撃隊ノ勇士ノ心事 正二尊シ 我々地上勤務者ノ夫ハ決シテ華々シカラズ マコト 縁ノ下ノ力持チナリ
十一月十五日
甲種幹部侯補生《注1》ノ非難サルルハ 無気力ノ故二非ズヤ
十一月十六日
時ガ解決スルカ 人ガ解決スルカ 俺ガ解決スルカ 余ノ日々展開サレユク生活ハ空虚ナリ 束ノ間ノ夢ヲ追ウガ如シ
十一月十九日
我々ハ軍隊二入ル以前乃至以後二於テ 所謂「士官侯」《士官候補生》ナルモノニ「空砲」「擬製弾」トシテ 面白カラヌ 又 卑下二似夕 文 相手ヲ敬シスギル先入主ヲ心二留メテ来タ 之ハ余リニモ自己軽視ニスギル 只 境遇卜 行ク道ノ異リタルニスギズ 我等ノ胸中ニハ 断ジテ彼等卜等シク勇猛ナル日本精神・大和魂・軍人精神ガ充溢シアリ 身ハタトイ幹候出身ナルトモ 断ジテ帝国軍人ナリ 今後 何人モ我等ヲ侮ラセズ 我等 又 自ラ軽ンゼズ 勇猛邁進 一剣ヲ振ツテ 敵米英ヲ撃滅センカナ
十一月二一日
空中勤務者《航空機搭乗勤務》合格 想うべし余の得意や
十一月二二日
余ハ空中勤務者ナリ
十一月二三日
大言壮語ヲナスヨリハ先ズ目前ノ一些事ヲ為スニ若カズ
十一月二九日
入隊式を前にして父にあて遺言めいた手紙を書く
十二月五日
入隊式 我レ航法学生《ナビゲーター習得要員》トシテ 宇都宮教導航空師団二入隊ス 最優秀航法者トシテ懸命ノ努力ヲ為サン
(つづく)
注
幹部候補生には甲乙があり 甲種は将来士官に採用される試験合格者 乙種は下士官に採用予定者をいう
便所ノ手入レヲ実施ス 此レヲ修養道卜考フルハ未ダ心ノ至ラザルカ 然レドモ余ハ無心二嫌悪スルコトナシ
十月二七日
悠々たるかな白雲 徹すべし 徹すべし
十月三一日
空襲警報発令 駈走ニテ飛行場二帰り 飛行機ヲ分散配置セリ
十一月一日
急顕的(瞬間的に現われて消える標的、空中射撃能力向上訓練に用いる) 三〇〇米五発中二発命中 明朗鷹揚ハ航空部隊ノ特性ナリト自負スルモ良シ サレド 内容、実力ノ涵養之二伴ハザルベカラズ
十一月二日
過ギシ日ヲシノビテ 徒然トシテ何等ナスコトナク他二頼り 何力大キナ力ノママニ自己ヲ忘却セントシタリ 惜シキ日月ナリ
十一月五日
特別攻撃隊 久シク壮快烈々タル壮挙ヲ拝シ 感激血涙 胸二迫ルヲ覚ユ
嫌ナラヤルナ 好キナコトダツタラ死ニモノ狂イデヤレ 若イ時ハ之デヨイ 何故 円満ナル必要ガアルカ 夫ハ悲シキアキラメ 本心ノ糊塗《こと=いい加減にごまかす》デハアルマイカ 柔弱ナル心ナリ 自己ノ良心ヲイツワルコトハ 悲シキコトナリ 嵐二叩カレテイル男ノ姿 美シイモノデハナイカ
十一月六日
俺ガ見習士官ニナツタラ 兵隊ヲ可愛ガロウ 下士官ハ大イニシボツテヤルゾ 特二軍曹ヲ 不愉快ナリ 目ノ上ノコブノ如クシテヰル様ハ言語二絶スル
十一月八日
神風特別攻撃隊 神風ヲ信ズ サレド大日本人ハ之ヲ頼ムベカラズ 自ラ 嵐ヲ起スベシ 思ヒココニ至ルトキ コノ攻撃隊ノ勇士ノ心事 正二尊シ 我々地上勤務者ノ夫ハ決シテ華々シカラズ マコト 縁ノ下ノ力持チナリ
十一月十五日
甲種幹部侯補生《注1》ノ非難サルルハ 無気力ノ故二非ズヤ
十一月十六日
時ガ解決スルカ 人ガ解決スルカ 俺ガ解決スルカ 余ノ日々展開サレユク生活ハ空虚ナリ 束ノ間ノ夢ヲ追ウガ如シ
十一月十九日
我々ハ軍隊二入ル以前乃至以後二於テ 所謂「士官侯」《士官候補生》ナルモノニ「空砲」「擬製弾」トシテ 面白カラヌ 又 卑下二似夕 文 相手ヲ敬シスギル先入主ヲ心二留メテ来タ 之ハ余リニモ自己軽視ニスギル 只 境遇卜 行ク道ノ異リタルニスギズ 我等ノ胸中ニハ 断ジテ彼等卜等シク勇猛ナル日本精神・大和魂・軍人精神ガ充溢シアリ 身ハタトイ幹候出身ナルトモ 断ジテ帝国軍人ナリ 今後 何人モ我等ヲ侮ラセズ 我等 又 自ラ軽ンゼズ 勇猛邁進 一剣ヲ振ツテ 敵米英ヲ撃滅センカナ
十一月二一日
空中勤務者《航空機搭乗勤務》合格 想うべし余の得意や
十一月二二日
余ハ空中勤務者ナリ
十一月二三日
大言壮語ヲナスヨリハ先ズ目前ノ一些事ヲ為スニ若カズ
十一月二九日
入隊式を前にして父にあて遺言めいた手紙を書く
十二月五日
入隊式 我レ航法学生《ナビゲーター習得要員》トシテ 宇都宮教導航空師団二入隊ス 最優秀航法者トシテ懸命ノ努力ヲ為サン
(つづく)
注
幹部候補生には甲乙があり 甲種は将来士官に採用される試験合格者 乙種は下士官に採用予定者をいう