Re: 沖縄特攻に散った山中正八に捧げる43年目の弔詞
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沖縄特攻に散った山中正八に捧げる43年目の弔詞 (kousei2, 2008/2/6 16:17)
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kousei2
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十二月十一日
徹底スベキコト 勉学二徹シ 休憩二徹スベシ 人絶エズ緊張スルトキハ 無意識裡二倦怠ヲ生ジ 虚心坦懐《きょしんたんかい=わだかまり無くさっぱりする》ナル能ハズ 文 休息中ハ絶対二余事ヲ想ワズ 童心二帰リテ楽シマザルベカラザル所以ナリ
特ニ空中勤務者タルモノハ 過ギタルヲ想フ未練ヲ残サズ 又 刹那的ニナラズ 悠然ト勝利ノコトヲ想フベシ
十二月十六日
十三日 室井ノ家ヲ訪レ 久シク終日温和ナル家庭ノ雰囲気二心ヲ軽クセリ 時折 何トハナク忽然卜憂ウツナル沈ンダ気分ニ襲ワル 不安ナル思ヒ 誰シモ懐クヤモ知レズト思ウ 皇国ノ前途ヲ思ウ信念ニハ変ラネド 影サスコトアリ 真ノ明朗トハ如何ナルモノナランヤ
十二月十八日
行ケル者ハ己ニ無シ 又一切ハ流レ行ク 恋々タルナ 又 一切ハ流レントス 只アルハ 今ノミ 来ラントスルノミ コノ今ニコソ我ガ生命ハアルナレ
二月二〇日
又 室井ノ小母サンノ家ヲ訪レ 楽シク団ラン、中二1日ヲ送ツタ 親切ナ優シイ 心力ラ我々ヲ思ツテ下サル心ハ 何トオ礼申サレヨウカ マコトニ澄ンダ神ノ如キ境地ノ人トハ アノ方ノコトヲ言ウノダラウ 温イ風ガタエズ吹イテヰテ 外ハ筑波颪ノ鳴ル中二 我ハ幸福ダ 然シコノ温イ手二縋ル我々○○○(判読不能) コノ人達ニモ敵ヲ一歩モ進マセテハナラヌ 我儘一杯ナ元気ナ坊ヤ 殺伐ニナリ易キ心二 幼ナ心 童心ヲ思ヒ出サセル 童心二帰ラセテクレル 愉快ナ坊ヤ 大キクナツタラ立派ナ日本人ニナレ 純真ナレ 素直ナレ
あれをごらんと指差す方に……(流行歌「大利根月夜」の歌詞が続く
昭和二十年
一月一日
一年ノ計ハ元旦二在り 必勝 童心ナル哉 我等ノ生命ハ永ヘニ此ノ地ニトドマルベシ(このあと六ページにわたって意味不明の乱数が一面に書き込まれている。暗号作成の練習を兼ねて何等かの心境をつづっているのかも知れない。その末尾に、当時の物価が記録されている。チリ紙 四銭、甘味 五銭、洒 五〇銭、タバコ 七三銭、パイプ 四五銭)
一月四日
初飛行 愉快ナ気持
轟沈《3分以内に船が沈む》 轟沈 凱歌が上る……(「轟沈」の歌詞が続く)
一月六日
飛行機搭乗第三回目 自信満々 男ラシク小事ニ拘泥《こうでい=こだわる》セズ進マン 愉快ナリ大空
一月七日
(日)(晴) 男度胸ハ大空ニテ 本日慰問演芸会ヲ観覧セリ 後方二掲ゲ夕日ノ丸ノ大国旗二包マレテ死ニタキ思ヒナリ
本日デ飛行十回十時間 久慈(茨城県)ニ飛ビテ諸元測定訓練《注》
一月十五日
鬼怒川橋、大宮間往復単辺飛行
一月十七日
宇都宮、川越間単辺飛行二回 往復搭乗 益々飛行機二対スル興味深々トシテ湧クヲ覚ユ
一月十八日
室井氏ノ家二行ク
一月十九日
宇都宮、川越間単辺飛行
一月二〇日
鬼怒川、大宮間単辺飛行 機上ニ於テ度胸ノ良イ方ガ艮イ 夜、ネズミ顔ノ上ヲ這イ回ル
一月二一日
宇都宮駅、川越間単辺飛行 余裕ヲ或ル程度感ゼリ
一月二二日
鬼怒川橋、大宮閣僚機航法(編隊飛行)錀山中尉殿ヨリ 最モ優秀ナル組トシテ賞賛セラレタリ 夜間演習飛行 宇都宮上空 燈火綺麗ナリ 月明二反映シテ壮観ナリキ 案外安心ナルモノト感ゼリ
一月二三日
宇都宮、川越間飛行
一月二五日
宇都宮、久慈聞ニテ変針測風(飛行機の流れ具合を見て風速を割り出すこと)
(つづく)
注
航空機の機位(現在の位置)を測定する為 風向 風速 風力 機速を加味して実速や航空機の針路を決める(通常三角(三辺)航法で計算する)
徹底スベキコト 勉学二徹シ 休憩二徹スベシ 人絶エズ緊張スルトキハ 無意識裡二倦怠ヲ生ジ 虚心坦懐《きょしんたんかい=わだかまり無くさっぱりする》ナル能ハズ 文 休息中ハ絶対二余事ヲ想ワズ 童心二帰リテ楽シマザルベカラザル所以ナリ
特ニ空中勤務者タルモノハ 過ギタルヲ想フ未練ヲ残サズ 又 刹那的ニナラズ 悠然ト勝利ノコトヲ想フベシ
十二月十六日
十三日 室井ノ家ヲ訪レ 久シク終日温和ナル家庭ノ雰囲気二心ヲ軽クセリ 時折 何トハナク忽然卜憂ウツナル沈ンダ気分ニ襲ワル 不安ナル思ヒ 誰シモ懐クヤモ知レズト思ウ 皇国ノ前途ヲ思ウ信念ニハ変ラネド 影サスコトアリ 真ノ明朗トハ如何ナルモノナランヤ
十二月十八日
行ケル者ハ己ニ無シ 又一切ハ流レ行ク 恋々タルナ 又 一切ハ流レントス 只アルハ 今ノミ 来ラントスルノミ コノ今ニコソ我ガ生命ハアルナレ
二月二〇日
又 室井ノ小母サンノ家ヲ訪レ 楽シク団ラン、中二1日ヲ送ツタ 親切ナ優シイ 心力ラ我々ヲ思ツテ下サル心ハ 何トオ礼申サレヨウカ マコトニ澄ンダ神ノ如キ境地ノ人トハ アノ方ノコトヲ言ウノダラウ 温イ風ガタエズ吹イテヰテ 外ハ筑波颪ノ鳴ル中二 我ハ幸福ダ 然シコノ温イ手二縋ル我々○○○(判読不能) コノ人達ニモ敵ヲ一歩モ進マセテハナラヌ 我儘一杯ナ元気ナ坊ヤ 殺伐ニナリ易キ心二 幼ナ心 童心ヲ思ヒ出サセル 童心二帰ラセテクレル 愉快ナ坊ヤ 大キクナツタラ立派ナ日本人ニナレ 純真ナレ 素直ナレ
あれをごらんと指差す方に……(流行歌「大利根月夜」の歌詞が続く
昭和二十年
一月一日
一年ノ計ハ元旦二在り 必勝 童心ナル哉 我等ノ生命ハ永ヘニ此ノ地ニトドマルベシ(このあと六ページにわたって意味不明の乱数が一面に書き込まれている。暗号作成の練習を兼ねて何等かの心境をつづっているのかも知れない。その末尾に、当時の物価が記録されている。チリ紙 四銭、甘味 五銭、洒 五〇銭、タバコ 七三銭、パイプ 四五銭)
一月四日
初飛行 愉快ナ気持
轟沈《3分以内に船が沈む》 轟沈 凱歌が上る……(「轟沈」の歌詞が続く)
一月六日
飛行機搭乗第三回目 自信満々 男ラシク小事ニ拘泥《こうでい=こだわる》セズ進マン 愉快ナリ大空
一月七日
(日)(晴) 男度胸ハ大空ニテ 本日慰問演芸会ヲ観覧セリ 後方二掲ゲ夕日ノ丸ノ大国旗二包マレテ死ニタキ思ヒナリ
本日デ飛行十回十時間 久慈(茨城県)ニ飛ビテ諸元測定訓練《注》
一月十五日
鬼怒川橋、大宮間往復単辺飛行
一月十七日
宇都宮、川越間単辺飛行二回 往復搭乗 益々飛行機二対スル興味深々トシテ湧クヲ覚ユ
一月十八日
室井氏ノ家二行ク
一月十九日
宇都宮、川越間単辺飛行
一月二〇日
鬼怒川、大宮間単辺飛行 機上ニ於テ度胸ノ良イ方ガ艮イ 夜、ネズミ顔ノ上ヲ這イ回ル
一月二一日
宇都宮駅、川越間単辺飛行 余裕ヲ或ル程度感ゼリ
一月二二日
鬼怒川橋、大宮閣僚機航法(編隊飛行)錀山中尉殿ヨリ 最モ優秀ナル組トシテ賞賛セラレタリ 夜間演習飛行 宇都宮上空 燈火綺麗ナリ 月明二反映シテ壮観ナリキ 案外安心ナルモノト感ゼリ
一月二三日
宇都宮、川越間飛行
一月二五日
宇都宮、久慈聞ニテ変針測風(飛行機の流れ具合を見て風速を割り出すこと)
(つづく)
注
航空機の機位(現在の位置)を測定する為 風向 風速 風力 機速を加味して実速や航空機の針路を決める(通常三角(三辺)航法で計算する)