冬の食卓 いま・むかし 
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[No.174] Re: 京のおばんざい 投稿者:男爵  投稿日:2013/01/13(Sun) 06:09
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12月の巻

おかぼ

 冬至の日には、おかぼの炊いたんを食べる。そのおかぼは、台所の天井に
夏の終わりからぶら下げてあった。いまのように、冬でも夏の野菜があるわけでは
なかったから、こうして、残しておいたのである。
 時季にはずれたおかぼは、夏の、あのむっちりとした甘味もどこえやら
べたべたの水かぼちゃに変わっていて、こんなあじないもんはない。
それでも、冬至のおかぼは中風にならんまじないえ、と、いい聞かされて
いやいや食べたものである。それよりも、幼い心は、おかぼを食べたらお正月がくる
といううれしさでいっぱいやった。

 冬至のおかぼは、砂糖をぎょうさんいれて、甘かろう炊きあげる。
まじないというよりも、決まった日に決まったもんを食べんと、きしょくが
悪いだけである。あじないもんをしんぼうしてまで食べることはないと
人さんには笑われるけど。

 当時にはまた "ん" の二つつくもんを、七品食べる。
なんきんのほかは、にんじん、れんこん、ぎんなん、きんかん、かんてん
もう一つはうどんで、昔はうどんのことを、うんどんというたそうな。
人は、運、根、鈍の三拍子がそろうて、はじめて出世するという。
その "ん" にあやかるためで、運がようて根気があって、そして鈍やないとあかん。
鈍は器用貧乏の反対である。

おかぼとは、かぼちゃのことだった。
読んでいるうちに気がついた。
 おかぼ → おかぼ(ちゃ) → おかぼちゃ
なんきんは、かぼちゃのことだとは知っていた。
 かぼちゃは南京からきた? かぼちゃはカンボチャからきた。

冬至にかぼちゃを食べる習慣は全国的。
北海道のかぼちゃはうまい。ここに書かれているような水かぼちゃではない。
北海道の人は、それを栗かぼちゃと呼んでいる。
だから、北海道で育った私は、おいしいかぼちゃと小豆を煮たものを
冬至に食べるのが楽しみだった。


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