[No.236]
Re: 京のおばんざい
投稿者:男爵
投稿日:2013/01/20(Sun) 07:39
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> 京のおばんざいを少しずつ紹介してみましょう。
2月
塩いわし
節分の晩には塩いわしを食べます。まるまるとふとって脂ののった二十センチもありそうないわし。
それがまた塩からい。子どもの時分は二つと食べられなかったのをおぼえています。このごろでは冷凍の技術が進んだので、あんな塩からいいわしを食べることはなくなりましたが。
節分にいわしを食べるのは、その焼くにおいがくさいので、鬼、疫病、よろずもろもろの厄が逃げてゆくのだといいます。
たわいもないけれど、昔の人の考え方がかわいらしくて大好きで、わたしも毎年この日は欠かさずいわしを焼きます。
この晩はお菜のおむしのおし。年寄りがいなくなったら、白みそをおむしということも消えてしまうでしょう。それに青菜のごまあえをつけ、戦前は、わざわざ麦ご飯を炊いたものでした。
ご飯がすむと豆まきです。年男か、その家の主人が、「福は内、鬼は外」と声を張って家中豆をまいて歩きます。
戸も障子もあけ放して、まっ暗な庭の方にも豆をなげつけて、鬼がかけ込まないうちにと、大急ぎで戸をしめます。ぴしゃんという音。おんな子どもの嬌声。それはそれはにぎやかな晩でした。
> 参考資料
> 秋山 十三子 (著)
> 大村 しげ (著)
> 平山 千鶴 (著)
> 京のおばんざい―四季の味ごよみ
節分の豆まきは、日本だけの習慣なのか。中国大陸や朝鮮半島にはないのだろうか。