ジョグジャカルタ周辺にはボロブドール仏教遺跡とプランバナンのヒンドゥー遺跡のがありどれも世界遺産になっている。ジャワ島へ来たからにはこの二つはなにを措いても見なきゃと決めてB氏に希望を伝えていた。
日曜日にB氏の車に乗って先ずはボロブドールと見に行った。1814年発見されるまでこんな大きな仏教遺跡が千年近く椰子の樹海に火山灰に埋まって眠っていたとは! 巨大な石材はすべて朝に夕に山荘から眺めていたMt.Merapiからの石という。どうしてここまで運び、あんな高さにまえ積み上げたのだろうかと、B氏に訊ねたら聞きたいのはおれだといった。物売りには閉口した。
翌日はプランバナンへ行き、近くの発掘現場と天に燃え立つような巨大な寺院群を見に行った。この5月に起こったジャワ沖地震でいくつかの寺院は崩れ石が無惨にも地上に転がっていた。
とてつもない労働と資材と時間を費やして祈りの場を造り、ひとびと挙って神の加護を祈祷してきたが未だに貧困・争い・災害に喘いでいる。釈迦も仏も、耶蘇もアッラーもいないのか、というのが実感だった。