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歩兵第五十九聯隊 パラオ作戦外史抄・2-3

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通常 歩兵第五十九聯隊 パラオ作戦外史抄・2-3

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2008/6/19 8:24
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298
 二 パラオ本島南地区に移動した初期の状況

 初めは、瑞穂村(本島西南部) に本部を置き、南地区全般の兵用地誌を調査の後、聯隊本部を南地区のほぼ中央にある、エリギー川の川口近くに置き、主力をその周辺地区に集結し、何時でもアイライ飛行場へ出撃し得る態勢とし、これを支援し得るように、砲兵は東西両翼に各一個中隊を配置したのである。
 また、地区隊として指揮下に入った大里大隊は、アイライ・コイグルの両海岸線に配備し、コロール島との連接の要点であるアリミズ水道地区には、第三大隊の広瀬中隊をして、その守備に当たらせたのである。
 なお、新たに指揮下に入った海軍部隊も、それぞれその特性に応じて配備し、歩兵第五十九聯隊を中核とする南地区隊の準備は、九月初めに完了した。ただし、アンガウル島の場合と異なり、海岸線の守備に任ずる部隊は別として、聯隊主力は陣地構築などすることなく、打撃部隊として専ら出撃訓練に徹底したのである。


 三 ペリリユー並びにアンガウル

 両島の戦闘開始前後の状況八月下旬より連日にわたり、B24の来襲あり、敵の作戦近きを思わせたが、九月六日、グラマン戦闘機を主体とする攻撃が始まり、機動部隊の接近が察知され、旬日をでずして上陸が開始されるものと判断した。
 九月十五日、敵はペリリユー島に上陸を開始すると共に、パラオ本島マルキヨク地区へ艦砲射撃《かんぽうしゃげき》を実施、南地区隊としては、敵の上陸を予測し、蜂巣少尉を将校斥候《しょうこうせっこう》としてマルキヨク方面の道路並びに地形偵察を実施せしめ、何時にても同方面に出撃し得るよう準備を進めたのである。
 九月十七日、敵は更にアンガウル島に上陸を開始したが、本島に対しても攻撃の手を伸ばすことあらんと判断し、同二十一日、南地区配備の件につき、現地視察と連絡を兼ねて、アリミズ水道地区に広瀬大尉を訪ね、次いで南地区に最も近く所在し、作戦上、連繋《れんけい》を要する歩兵第十五聯隊飯田大隊を訪れ、大隊長と南地区における作戦について、意志の疎通《そつう》を図った。
 当日は同大隊本部に宿泊したが、飯田少佐と、折から来訪した村堀中尉(ペリリユー島逆上陸先遣中隊長)と三人で夕食を共にしていろいろ打ち合わせをしたが、翌日の夜よりの同大隊の逆上陸作戦については、何等知るところはなかったのである。

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