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Re: 成瀬孫仁日記(六)昭和十七年四月~昭和十七年八月

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あんみつ姫

通常 Re: 成瀬孫仁日記(六)昭和十七年四月~昭和十七年八月

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2009/3/16 8:46
あんみつ姫  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 485
 七日(火)快晴 暖
一日中おとなしく模範生の生活をする。
 米内先生に昨夜は相当「くだをまいていた」と皮肉られた。

八日(水)晴 暖
 朝早く起きて市民病院へ直行。
 伊藤鎭の下宿から高峰三枝子のブロマイドを持って帰る。机の上に置いていると、その日のうちに誰かに持って行かれた。

九日(木)晴 暖
 蒙古風が烈しく吹いて誰かに貰った風邪が愈々悪くなる。授業終って帰寮、蒲団にもぐり込む。夕食の五目飯を食って又寝る。夜、故里の海の夢を見た。

十日(金)晴 寒
 露語が漸く解りかけて着たような気がする。午後、種痘あり。寮に風呂なし。日之出湯に行く。
 金もないし、一人静かに本を読む。剣道部、野球部等新入生歓迎会あり。皆点呼に遅れて帰る。

十一日(土)晴 涼
 風邪気味で遂に学校をさぼる。全く意気地がないかもしれないが、嬉しかった。昼から桝井(渉・20期)さんとマルスで会う。
 夜、寮の小母さんところで話し込んで、茶やコーヒーを頂き、長い時間をつぶす。
 点呼後、三年生連中の一行が来て激論を飛ばして学院の使命を説いている。彼等の頭の中には二十期の姿が座っているのだ。その通りだ。

十二日(日)晴後雪 寒
 日曜日、おまけに風邪気味だと言うのに登校。体操のみ。
 マルスで清水(繁・19期)さんに会う。名古屋グリル、哈爾浜会館(映画)、天満(てんぷら)、マシンで秋林へ、難波寿司(寿司)を廻って帰る。
 尻の穴の周りにシコリみたいなものがある。春日に聞くと痔の前兆だと言う。病院へ行って見るか。

十三日(月)晴後曇 寒
 尻のことで市民病院へ行く。医者と医大の学生四、五名に尻を覗かれた。口の悪い医者だった。「君、大便の時尻をふくのか、良くふいておればなおる」と薬も呉れない。何でもなかったのだろう。
 夕食後、春日、一年生の江口(英夫・23期)と共に鈴木の下宿へ行く。愉快に時を過ごして点呼に遅れそうになる。

十四日(火)晴 暖
 蒙古語の最初の授業あり、これからこのミミズと取組む。蒙古人はミミズを切るのを嫌って農耕をしないと言うが、そのためミミズが増えて字にまで具現されたのか?
 夜、夕食後クラス会あり。皆激しく論議する。一致団結して学院の改革の為に邁進することを議決する。私は自分のことに全然自信が持てないので、覚めた気持で一言も発せず、眺めていた。
 会後、ニヒルな松並の下宿に行く。これで三日間何もせず遊んだ。

十五日(水)晴 暖
 柔道の試合あり。途中で抜け出し宴会のある新華楼で待つ。
 宴後、収穫は帰り途にあった。川村先生に御話を伺う。蒙古民族について、満州国の現状について、これに対応する学院の使命について、感激する。併し本当に出来るのだろうか。

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あんみつ姫

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