Re: 成瀬孫仁日記(六)昭和十七年四月~昭和十七年八月
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成瀬孫仁日記(六)昭和十七年四月~昭和十七年八月 (あんみつ姫, 2009/3/16 8:38)
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あんみつ姫
居住地: メロウ倶楽部
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十一日(月)雨 涼し
10期の先輩、小川氏(11期の小川亮作氏か)来院。「アフガニスタンと英露」と題して時局講演があった。面白くなし。途中で出る。
晩十二時過まで山本(雄吉、22期)と映画論。毎日、不愉快な気分で寝る。
十二日(火)雨 寒
朝から風が吹き、雨が降り、寒くて思わずブルっとした。あまり寒いので尻の穴の周りまでビリビリする。冷えたな。
帰りに伊藤と「池田」へ行く。福永が芝(正春、23期)と一緒にいた。
柔道部に於て、三年生が個人的感情でBを排斥していると、二年生が誤解しているのを知って、驚くと同時に真実を語り、その事を理解して貰った。
十三日(水)晴 暖
教練の時間に、現地で実地に小哨の配備の図を書かせて提出させられた。小哨長教育か。天候、おだやかにして暖かく、眠りたくなる様に楽しかった。
十四日(木)晴 暖
竹内教授、「ソ連経政機構」の時間に試験あり。教材持込自由の試験だが、忘れて来て何も持っていなかったので逃げた。
夜、蒙克と「しまや」で一杯。
十五日(金)晴 暖
三年生は入寮のことにつき、先生から御注意があった。
染谷先生の露語の試験あり。何の事かさっぱり解らない。出来ない答案を出すのが何時の間にやら得意になっている。試験が十三日から始まると毎日全く驚木、桃の木である。
一年生がカンカン帽を貨って喜ぶような様子をしている。国立大学の威厳はあるかもしれないが、哈爾浜学院の威厳はない。
川村先生日曜日まで新京へ出張せられる。
十六日(土)晴 曖
午前中、建国十周年の英霊を祭る式典あり。風邪がきつく、福永と二人出なかった。夕方、新寮へブラブラ散歩。案外、部屋は感じが良かった。
十七日(日)快晴 暖
全くの快晴、惜しいような天候。
柔道部のコンパの為、一年生を送り出し、午前中大掃除をする。神代(忠信、23期)、室園(同)、山根(政治、同)は残ったが、他の者は皆行った。青木(鮮系)とプヘットで昼食。
午後、米内先生の南寮への移転を御手伝いする。先生からレインコート一着いただく。
最近、川辺が変な気持になって困る。俺まで変になりそうだ。
十八日(月)晴後曇 暖
今年になって、朝礼を初めて戸外でする。例の院長先生の馬鹿話あり。
柔道の練習に特習科のオッサンが来るようになる。 川辺が全く休んでしまうようになった。
十九日(火)晴 暖
中台先生のお宅にお芽出度があったそうだ。
二十日(水)晴
三年生が新寮(南寮)に移転する。寮の小母さんの人生論(世間話)を聞く。
二十一日(木)晴
午後、入院中の津田栄(22期、柔道部)を蜜柑を持って見舞う。福永、馬場と会う。
二十二日(金)晴
道場開き面白くない。伊藤(鎭)が怒る。つとに反感がつのる。
米内先生が病院で寝ている。悲しいことが多い。
二十三日(土)晴 暖
朝から老山頭に行く。楽しい一日の行程であった。老山頭《注1》は期待外れだったが、スンガリーで船遊びが出来た。兎に角私は水があるので嬉しかった。写真も沢山とった。宝探しもした。ポトスタービナ先生が特に嬉しそうにしていたのが、印象的だった。
二十四日(日)晴 暖
朝から蒙古風が烈しく吹く。一年生を起し柔道の練習に行くが、人数集らず中止する。
帰って寝る。寮の小母さん、心配かけてすみません。
室園と一緒に、極楽寺、露人墓地をめぐる。気分が悪くなり、一時寮の休養室で、重病人となって寝る。
二十六日(火)晴 暖
三年生全員兵営宿泊に向う。馬鹿になって三日間暮らした。生意気なл ес(森か?)Широкий?《露語=広い》も馬鹿だ。単に Cаⅹар《露語=砂糖》 третий《露語=第三の》(佐藤か?)のみ人らしく思えた。毎日、教練、昼も夜も、それは貴重な体験だった。如何にして生きるか、理由を抜きにして生きて行く所に軍隊らしい所がある。本当に真剣な三日間を送った。
軍隊宿泊の終った日は日満会館で充分、楽しく慰労した。
二十九日(金)晴 愉快
朝から寝る。昼から病院に行く。後柔道練習。後、神代(忠信、23期)と「池田」へ行く。蜜豆がうまかった。夜、農園の盗賊を捕らえに行く。ロスケ《-》注1しい。皆あわてるな。
三十日(土)晴 寒
忠霊塔で春季大祭に伴う柔道大会あり。初段三名打ち取る。
夕方、一年生数名と共に植物園へ行き、樅の木等九本取って帰る。寮の庭に植えるためである。夜、決死隊を組織して植物園を襲う計画をしていたが、之はより夜襲は取り止める。隊長として之に過ぎたることなし。
三十一日(日)晴、雨 寒
朝から寒い天候だった。
北方亜細亜研究会あり。会後、白井先生と学校の事、種々話し合う。院長を叩き出せ。
かねて入院中の津田栄、腹膜炎を併発、どうなるのか心配でたまらぬ。好漢失いたくない。
注1:黒龍江省南西部にある地域
注2:ロシア人を軽蔑していう
10期の先輩、小川氏(11期の小川亮作氏か)来院。「アフガニスタンと英露」と題して時局講演があった。面白くなし。途中で出る。
晩十二時過まで山本(雄吉、22期)と映画論。毎日、不愉快な気分で寝る。
十二日(火)雨 寒
朝から風が吹き、雨が降り、寒くて思わずブルっとした。あまり寒いので尻の穴の周りまでビリビリする。冷えたな。
帰りに伊藤と「池田」へ行く。福永が芝(正春、23期)と一緒にいた。
柔道部に於て、三年生が個人的感情でBを排斥していると、二年生が誤解しているのを知って、驚くと同時に真実を語り、その事を理解して貰った。
十三日(水)晴 暖
教練の時間に、現地で実地に小哨の配備の図を書かせて提出させられた。小哨長教育か。天候、おだやかにして暖かく、眠りたくなる様に楽しかった。
十四日(木)晴 暖
竹内教授、「ソ連経政機構」の時間に試験あり。教材持込自由の試験だが、忘れて来て何も持っていなかったので逃げた。
夜、蒙克と「しまや」で一杯。
十五日(金)晴 暖
三年生は入寮のことにつき、先生から御注意があった。
染谷先生の露語の試験あり。何の事かさっぱり解らない。出来ない答案を出すのが何時の間にやら得意になっている。試験が十三日から始まると毎日全く驚木、桃の木である。
一年生がカンカン帽を貨って喜ぶような様子をしている。国立大学の威厳はあるかもしれないが、哈爾浜学院の威厳はない。
川村先生日曜日まで新京へ出張せられる。
十六日(土)晴 曖
午前中、建国十周年の英霊を祭る式典あり。風邪がきつく、福永と二人出なかった。夕方、新寮へブラブラ散歩。案外、部屋は感じが良かった。
十七日(日)快晴 暖
全くの快晴、惜しいような天候。
柔道部のコンパの為、一年生を送り出し、午前中大掃除をする。神代(忠信、23期)、室園(同)、山根(政治、同)は残ったが、他の者は皆行った。青木(鮮系)とプヘットで昼食。
午後、米内先生の南寮への移転を御手伝いする。先生からレインコート一着いただく。
最近、川辺が変な気持になって困る。俺まで変になりそうだ。
十八日(月)晴後曇 暖
今年になって、朝礼を初めて戸外でする。例の院長先生の馬鹿話あり。
柔道の練習に特習科のオッサンが来るようになる。 川辺が全く休んでしまうようになった。
十九日(火)晴 暖
中台先生のお宅にお芽出度があったそうだ。
二十日(水)晴
三年生が新寮(南寮)に移転する。寮の小母さんの人生論(世間話)を聞く。
二十一日(木)晴
午後、入院中の津田栄(22期、柔道部)を蜜柑を持って見舞う。福永、馬場と会う。
二十二日(金)晴
道場開き面白くない。伊藤(鎭)が怒る。つとに反感がつのる。
米内先生が病院で寝ている。悲しいことが多い。
二十三日(土)晴 暖
朝から老山頭に行く。楽しい一日の行程であった。老山頭《注1》は期待外れだったが、スンガリーで船遊びが出来た。兎に角私は水があるので嬉しかった。写真も沢山とった。宝探しもした。ポトスタービナ先生が特に嬉しそうにしていたのが、印象的だった。
二十四日(日)晴 暖
朝から蒙古風が烈しく吹く。一年生を起し柔道の練習に行くが、人数集らず中止する。
帰って寝る。寮の小母さん、心配かけてすみません。
室園と一緒に、極楽寺、露人墓地をめぐる。気分が悪くなり、一時寮の休養室で、重病人となって寝る。
二十六日(火)晴 暖
三年生全員兵営宿泊に向う。馬鹿になって三日間暮らした。生意気なл ес(森か?)Широкий?《露語=広い》も馬鹿だ。単に Cаⅹар《露語=砂糖》 третий《露語=第三の》(佐藤か?)のみ人らしく思えた。毎日、教練、昼も夜も、それは貴重な体験だった。如何にして生きるか、理由を抜きにして生きて行く所に軍隊らしい所がある。本当に真剣な三日間を送った。
軍隊宿泊の終った日は日満会館で充分、楽しく慰労した。
二十九日(金)晴 愉快
朝から寝る。昼から病院に行く。後柔道練習。後、神代(忠信、23期)と「池田」へ行く。蜜豆がうまかった。夜、農園の盗賊を捕らえに行く。ロスケ《-》注1しい。皆あわてるな。
三十日(土)晴 寒
忠霊塔で春季大祭に伴う柔道大会あり。初段三名打ち取る。
夕方、一年生数名と共に植物園へ行き、樅の木等九本取って帰る。寮の庭に植えるためである。夜、決死隊を組織して植物園を襲う計画をしていたが、之はより夜襲は取り止める。隊長として之に過ぎたることなし。
三十一日(日)晴、雨 寒
朝から寒い天候だった。
北方亜細亜研究会あり。会後、白井先生と学校の事、種々話し合う。院長を叩き出せ。
かねて入院中の津田栄、腹膜炎を併発、どうなるのか心配でたまらぬ。好漢失いたくない。
注1:黒龍江省南西部にある地域
注2:ロシア人を軽蔑していう
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あんみつ姫