画像サイズ: 640×351 (94kB) | 伊予大洲「臥龍山荘」
レンタカーで親切なオバサマお勧めの食堂と「銘菓・しぐれ」の美味しいお店は行くことになった、お二人さんとは、赤煉瓦館の前でお別れしました。
私のお昼は、赤煉瓦館の前の「油屋さん」で。 建物も、なかなか立派でしたし、見晴らしのいいお店でした。「南予の鯛めし定食」をいただきました。1100円ですが、煮物や汁物もついていてお味も結構でした。 しかし、しじみ汁とは別に、黒っぽいだし汁の中に卵の黄身が浮いているお椀があったのですが、このいただき方がわかりません。途中で気がいたのですが、御飯の上に鯛のお刺身を乗せて、その上に玉子と出汁をかけていただくーーーというのが正解のようでした。
じつは、お料理の写真を撮ろうとカメラを出したのですが、小心者の私は、前の席の方からの強い視線を感じて大急ぎで引っ込めました。(どうやら東京からの熟年女性の団体だったようです。もちろん、彼女たちをカメラに収めるつもりは毛頭なかったのですが) さて、お腹もいっぱいになったところで「臥龍山荘」へ向かいます。といっても、油屋さんから4−5分のところです。 臥龍山荘は「国の重要文化財」であり、ミシュランガイドブックの「一つ星」でもあります。 ざっと降った雨も上がりました。 大洲を流れる肱川のほとりにあって、しかも三千坪の敷地の中に、臥龍院・知止庵・不老庵の粋を凝らした建物があります。 内子町にも木蝋で財を成した方がおられたわけですが、この町にも、同じような富豪、河内寅次郎さんという方がおられて、その方が構想10年、施工4年の歳月をかけて建設し、明治40年に完成したのです。 ここにも、内子町の「内子座」同様、受付には「自分の仕事を愛してやまない」「臥龍山荘の良さを、なんとしてもお客さんに伝えたいという気持ちでいっぱい」の女性の方が待っておられました。そしてここでも、その時間帯の来館者は私一人でした。(事業主体は「大洲市」、入場料は500円です) 「臥龍院は、撮影禁止ですけれど、お庭は、写真を撮っていただいていいですよ。どうぞ、ゆっくり見てくださいね。それから雨の後で滑りやすいところがありますから気をつけてくださいね。」といってくださいました。 大工さんの仕事が冴えています。主屋の臥龍院には、お茶の千家御用達の職家「千家十職」と呼ばれる名工達も築造に携わっているとのことで、全体に、素人目にもその「奥深さ」と「遊び心」がわかる素晴らしい建物とお庭でした。しかし、この建築を仕切る「大工の棟梁」に抜擢された中野虎雄さんは当時30歳の若さ。こういう若手を抜擢した河内寅次郎さんもすごい、明治という時代もすごいな、と思いました。川に面している不老庵では、障子を開け放った廊下から川向うの景色を眺めることができました。 もちろん、雨上がりのお庭は、それ以上に素晴らしかったです。「ああ、来てよかった」と思いました。 |