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藁(わら)を打つ

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2004/12/7 20:43
かれい  一人前   投稿数: 137
トントントンと藁を打つ様子は、歌や物語の中では見聞きしていま
したが、実物を手にして、米わらとはこんなに硬《かた》いものだったのか
と今頃知ったのでした。

ムシロや縄は柔らかだったですが、それには、ほどよく叩《たた》いた藁が
使われていたからなんですね。もっとも、近年はすべて手作業では
なく、それ用の道具が使われていたそうですが。

真似ごとをしてみるのに、碁盤《ごばん》に布を貼り付けて100円ショップ
で買ったラバーハンマーをつかいました。けっこう根気よく叩いた
つもりでしたが、それでもまだ充分ではなかったようです。
藁くずが飛び散ってゴミだらけになりました。

わら草履をいくつかと、鍋《なべ》つかみを作って、叩いた藁は捨てるに忍
びず、縄にしておきました。多分昔もそうだったんでしょうね。
手をかけたものは大事にしたくなりますし、縄はものをまとめるの
に、いつも必要なものでしたから。

さて、今後、私のワラ縄に出番があるでしょうか。

                      かれい
                       
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2004/12/8 6:52
ハム  新米 居住地: 岡山県  投稿数: 18
 藁(わら)は、いろんな用途に使われました。
 特にほどよく打った藁はしなやかで加工しやすくなりますから、
非常に優《すぐ》れた素材でした。

 たいていの農家の納屋《なや》(倉庫のこと)の入り口付近には藁を打つ
ための平たい石が埋《う》め込んであり、その石の上に藁を置いて木槌で
コツコツとたたいたものです。

藁打ちの留意点《りゅういてん》は、
1 適度に湿り気を与えること。
  打つ前に水に浸した後、水切りをしておきます。そうすると藁
  くずもあまり出ませんし、美しさとしなやかさが増すのです。
  さらには、水につけることで、藁のあくを抜く効果もあったよ
  うです。
2 あまり強くたたかないで、根気よく平均的に打つこと。
3 用途に合わせて、打ち方を加減すること。
などでしょうか。

 藁打ちも子どものお手伝いの一つでしたが、こつを習得するまで
はなかなかうまくできませんでした。
 祖父母や父母が打っている様子を横から観察しながら、自
分なりにこつをつかんだものです。
 秋の収穫が終わり、比較的ゆとりのできる冬季には、どの家から
も藁を打つコツコツという音が響いていたのを懐かしく思い出します。

 ちなみに、脱穀《だっこく》の終わった藁は、集めて田んぼの道路に沿った部
分に重ねておきます。(岡山県瀬戸内地方では「わらぐろ」と呼ん
でいました)
 そして、必要に応じて家に持ち帰り縄(なわ)やむしろ《注1》
・草履(ぞうり)・正月のお飾りに加工したり、役牛(えきぎゅ
う)《注2》のえさにしたり、堆肥《たいひ》にしたりしていました。

※1 藁で編んだ畳一畳分の大きさのもので敷物にしたりもみすり前の
   お米を乾燥したり、その他いろんな用途に使われた。

※2 農耕や運搬などに使う牛

--
ハム(把夢)

前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2004/12/8 14:52
堅香子  常連 居住地: 北九州  投稿数: 55
かれいさん、ハムさん、こんにちは。

日本は古代より瑞穂(みずほ)《=みずみずしい稲の穂》の国と言われるように、稲とは切っても切り離せない生活様式が定着していますね。
米を収穫した後の稲藁の利用法は、一本とて無駄にしない使い方、見事と言う他はありませんね。

かれいさんが今回その藁を使い、今風の道具を使用して鍋《なべ》つかみと草履作りに挑戦された事に敬意を表します。

藁を柔らかくする木槌(きづち)を加えます。ハムさんがすでにお書きになっているように平たい「石」やこのような「丸太木」の上で叩いていました。

かれいさん、注文が殺到しそうですね。
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2004/12/9 0:26
かれい  一人前   投稿数: 137
ハムさん

引用:
藁打ちの留意点は、
1 適度に湿り気を与えること。
  打つ前に水に浸した後、水切りをしておきます。そうすると藁
  くずもあまり出ませんし、美しさとしなやかさが増すのです。
  さらには、水につけることで、藁のあくを抜く効果もあったよ
  うです。

はい、私も最初は霧吹きを使ったのですが、湿《しめ》り気が充分ではなかった
ようで、指は痛いし、細工がしにくかったです。それで、その次はシャワーをかけて、新聞紙にくるんで、水気が引いた後で使いましたが、あく抜きまでには、相当長いこと浸《した》しておかないとだめでしょうね。

湿気た藁をそのまま長時間おくと、ぬるっとしまして、思わず納豆《なっとう》を思い出しました。バクテリアが発生したんでしょうね? 納豆を良い食品だと思いついた人は偉いですね。

引用:
3 用途に合わせて、打ち方を加減すること。

そうだと思いました。ムシロなんかは随分よく打たれた藁だったんでしょうね。
ムシロを一枚織るには、大量の藁が必要だったでしょうね。

引用:
 藁打ちも子どものお手伝いの一つでしたが、こつを習得するまで
はなかなかうまくできませんでした。
 祖父母や父母が父母が打っている様子を横から観察しながら、自
分なりにこつをつかんだものです。

そうですね。見て覚える、身体で覚えるということを要求され、それが
すべての基本だったような気がします。

                       かれい
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2004/12/17 21:26
ハム  新米 居住地: 岡山県  投稿数: 18
かれいさん、みなさん。

前の書き込みで、少し誤解を招くような記述があったようですの
で、補足説明をさせていただきます。

むしろはどこの家でも作れるというものではありませんでした。
むしろを織るには、布を織る機《はた》織り機のような機械が必要でした。
その織り機を備えた小さな作業場があって、そこで生産されていたのを覚えています。
縦糸に相当する部分には細いわら縄、横糸に相当する
部分にはよくそぐった数本のわらを使って、まさに織りあげてゆくのです。
こうして出来上がったむしろは、耐久性にすぐれていました。
この画像のむしろは、我が家でもう30年程も使っているものです。
端っこの方が痛んでほぐれかけていますが、まだまだ使えます。
現在も入手可能かどうかは不明です。
稲刈りと脱穀が機械化され、昔のように良質のわらが手に入りに
くくなりました。

引用:
ムシロなんかは随分よく打たれた藁だったんでしょうね。

かれいさん、むしろに使うわらは、私の知る限りでは打つのでは
なかったようです。
ゴミをきれいにとった(そぐった)わらを使っていました。
髪をすく櫛(くし)を連想してみてください。あの櫛のように金
属製の歯を並べた道具(わらそぐり機)に何回もわらを通して不要な部分を
取り除いてきれいにしたわらを使用していたと記憶しています。


--
ハム(把夢)

前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2004/12/20 0:13
かれい  一人前   投稿数: 137
ハムさん こんばんは

引用:
かれいさん、むしろに使うわらは、私の知る限りでは打つのでは
なかったようです。
ゴミをきれいにとった(そぐった)わらを使っていました。
髪をすく櫛(くし)を連想してみてください。あの櫛のように金属
製の歯を並べた道具(わらそぐり機)に何回もわらを通して不要な
部分を取り除いてきれいにしたわらを使用していたと記憶しています。

ハムさん、ご訂正をありがとうございます。記憶はおぼろなんですけど、ムシロ
は厚地で手触りが柔らかでしたよね。ということは、非常によく打たれたワラで
編まれたのに違いないと思ったのでしたが、そうではなくて、よくそぐった
(初めて聞くことばですが)ワラが使われたのですね。

ムシロは昔はどこの家にもあって、外で作業をする時の敷物として使われました。
漬物にする白菜をひろげて干したりするのにも使われていたのを覚えています。
女の子は「おままごと」をする時に使いました。ムシロを一枚敷くと、道端が
お座敷に早変わりします。

しかし、ムシロにもランクがあったことを今知りました。写真のように上等に
編まれたものは、私は見たことはなかったです。
30年ももつものはやっぱり上等品で、大事に扱われてきたからでしょうね。

私のイメージに残っているのはもっと雑なものです。ゴザより粗雑《そざつ》に扱われ、
ムシロとはそういうものだと思っていたのでした。ムシロさんゴメンナサイ。

用途も、農家の方とは大幅に違っていたからでしょうね。

                        かれい

前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2004/12/20 16:32
Pan  常連 居住地: 大阪府  投稿数: 59
  かれい さん、ハム さん、こんにちは
引用:
ハムさん、ご訂正をありがとうございます。記憶はおぼろなんですけど、ムシロ
は厚地で手触りが柔らかでしたよね。ということは、非常によく打たれたワラで
編まれたのに違いないと思ったのでしたが、そうではなくて、よくそぐった
(初めて聞くことばですが)ワラが使われたのですね。
 あの作業を「そぐる」と言うのでしたか。朧気《おぼろげ》ながら思い出しました。藁のハカマの部分をそぎ落とす作業でしたね。
 そぐった屑《くず》を「ソブ」と呼んでいた事を思い出します。
 寒い時長靴の底に入れると温かかったです。汗で湿気てきても新しいのと入れ替えるとホコホコと温かくなりました。
引用:
ムシロは昔はどこの家にもあって、外で作業をする時の敷物として使われました。
漬物にする白菜をひろげて干したりするのにも使われていたのを覚えています。
女の子は「おままごと」をする時に使いました。ムシロを一枚敷くと、道端が、お座敷に早変わりします。

しかし、ムシロにもランクがあったことを今知りました。写真のように上等に編まれたものは、私は見たことはなかったです。
30年ももつものはやっぱり上等品で、大事に扱われてきたからでしょうね。

私のイメージに残っているのはもっと雑なものです。ゴザより粗雑に扱われ、ムシロとはそういうものだと思っていたのでした。ムシロさんゴメンナサイ。

用途も、農家の方とは大幅に違っていたからでしょうね。
 かれい さん の仰《おっしゃ》る粗末なムシロがどんな物か思い浮かびませんが、米俵の胴を平たく解いたもののように思えますね。

 何も着る物の無い人犯人をしょっ引く時に胴体に巻いていたり遺体に被せたりする菰(こも)の事ではないでしょうか?  菰なら藁は打たないでしょうね。
 酒樽《さかだる》を包んだら菰被り、一ランク上になります。(^-^)

 海岸で魚を干すのなら菰で充分ですね。
  
 茣蓙(ござ)は畳表の古ですから、小さな女の子でも丸めて抱えて運べましたね。

 ムシロはしっかりしていてそれほど軽い物ではありませんでした。自分で作った事は一度もありませんが、農家の絶対必需品でした。
 丈夫でしたが比較的柔軟だったのとしっかり詰まっていたのでで藁を打って編む物と思っていました。

 庭に拡げて一面に並べたムシロに、それぞれ1斗《注※》近くの脱穀した籾《もみ》を拡げて干す時はお手伝いの子供にも収穫の秋を実感させる時でした。 雨が降りそうになって、それを畳《たた》んで物置へ運び込む時の重かった事。
 絶対にひっくり返ったり落とす事は許されませんでした。

 そのムシロを半分に折りたたんで両側を縄で縫いつけた袋物がありましたね。「かます」でしたか?
 漢字の名前が出てきませんが塩等の粉体を運ぶ時の袋でした。

 水防や陣地構築の土嚢《どのう》もかますに土を入れた物ですね。
 藁がどれだけ我々生活に深くかかわってきたか、改めて思い起こしました。

※容積の単位、1斗=18リットル
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - | 投稿日時 2004/12/20 16:51
Pan  常連 居住地: 大阪府  投稿数: 59
 堅香子 こんにちは。

引用:
かれいさんが今回その藁を使い、今風の道具を使用して鍋つかみと草履作りに挑戦された事に敬意を表します。
 草履はともかく、勢いに乗って鍋掴み《なべつかみ》までとは恐れ入りました。
引用:
藁を柔らかくする木槌(きづち)を加えます。ハムさんがすでにお書きになっているように平たい「石」やこのような「丸太木」の上で叩いていました。
 見事な土台ですね。 楠《くすのき》のぶつ切りですか? 百年以上でしょうか? 今も使っておられるのでしょう?

 何でも流用の流行る《はやる》世の中、かれい さん の碁盤の流用には参りましたが、私は古い石臼《いしうす 注※》の片方を使っています。

 この写真を拝見して、はっとしたのですが、藁を括る《くくる》紐が藁ではなく合成樹脂ですね。
 今年も稲刈りの現場で藁を貰ったのですが、縛る紐が合成樹脂である事に気が付き驚きました。機械で刈り取り、
その場で脱穀までしてしまう新鋭機械でも、藁を使って藁を縛る事は出来ないようですね。何か皮肉を感じました。

※石で作った臼、大きい物や重い物のたとえに、つかうこともある
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2004/12/22 0:08
かれい  一人前   投稿数: 137
Pan さん

引用:
 かれい さん の仰る粗末なムシロがどんな物か思い浮かびませんが、米俵の胴を平たく解いたもののよう
に思えますね。

信用がないようですが、ムシロは知っています。小学校の運動会の父兄席などもムシロを敷き詰めて設営されたと思います。

交通事故の遺体などは、現場検証が済むまで、その場に放置されていた時代がありましたね。被せてあったのはムシロかと思っていましたが、それは違ったようです。遠目にしか見てませんので。

引用:
 そのムシロを半分に折りたたんで両側を縄で縫いつけた袋物がありましたね。「かます」でしたか?
 漢字の名前が出てきませんが塩等の粉体を運ぶ時の袋でした。

 水防や陣地構築の土嚢もかますに土を入れた物ですね。

そういう言葉があったことを思い出しましたが、あれはムシロを2つに折ったものでしたか。

土嚢《どのう》でなくても、ぬかるんだ道などに、ムシロが置かれることがあったことを思い出して、雑にあつかわれていたと感じたのですが、そういう目的のムシロも、ハムさんの写真のムシロも同質のものだったのでしょうか。

                       かれい
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2004/12/22 22:22
堅香子  常連 居住地: 北九州  投稿数: 55
Panさん、かれいさん、こんにちは。

引用:
草履はともかく、勢いに乗って鍋掴みまでとは恐れ入りました。
そうなんです、かれいさんが? と一瞬信じられませんでした。 
引用:
見事な土台ですね。 楠のぶつ切りですか? 百年以上でしょうか? 今も使っておられるのでしょう?
樹皮をみると、多分Panさん仰せのように楠(くすのき)のようですね。
と申しますのは、足を延ばして中間市《福岡県の》の歴史資料館で許可を得て撮ったものです。ですから現役?ではありません。
石臼の片方の利用とは良く思いつかれましたね。
引用:
 
 この写真を拝見して、はっとしたのですが、藁を括る紐が藁ではなく合成樹脂ですね。
藁と合成樹脂との取り合わせはどうも似つかわしくないですね。
私の住む近辺では稲刈りはもう見ることができません。
兼業農家(父親は勤め人だったので大量の打ち藁を必要とする時は木槌(づち)ではなく、杵(きね)を使っていたようです。

休日の雨の日には父が水を口に含んで霧を吹きながら藁を打ち、父の掛け声とともに幼い私はこの合成樹脂で藁を括《くく》ってある辺りを両手で握って廻していました。遊びたい盛りの私はいつ終るのか待ち遠しい思いをしたのを憶えています。
ハムさんが書いておられるように子供ながらお手伝いをしていたのです。

貝殻や、木の葉、空きびんなどの道具を使って ままごと遊びにはござや筵(むしろ)は欠かせないものでした。
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