若ものに読んでほしい「この一冊」 

(期間:2010.4.1 - 2010.5.31)

若い方々へ
 4月、船出のシーズンです。進学、入社―――など様々な船出があります。しかし、乗りだす海は、逆風で波も荒いと思います。なかには、乗船する船が見つからず、やむなく港で待機しておられる方もあると思います。
 そんなとき、一冊の本が勇気を与えてくれるかもしれません。

シニアのみなさまへ
 子どもの時、若い時に読んだ一冊の本が、その後の人生に大きな影響を与えた・・・そんな一冊をぜひご紹介ください。ジャンルは問いません。漫画本などでも結構です。


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  • [No.75] Re: 中島敦著「山月記」 投稿者:   投稿日:2010/05/03(Mon) 09:30
    [関連記事URL:http://homepage3.nifty.com/kiriko/

    唐辛子 紋次郎さん、おはようございます。

    >  これは素晴らしい作品。ぜひ一度読んで頂きたい。しかも今年の干支、トラの話である。というより、もと人間(=詩人)であった虎の悲しい物語である。

    私見によれば(あまり読書家ではないけれど)、「山月記」は
    日本文学上、比類の無い(少しオーバーかな)傑作だと考えます。

    隠居所へ移るとき、愛蔵書の大方は泣く泣く処分(寄付)したの
    ですが、俳句関連の書物と、どうしても再々読したい数冊の本は
    手放しがたく持ってきました。

    その中に中島敦著「山月記」があります。

    虎になってしまった主人公を自分の越し方と重ね合わせて、エラク
    “感極まって”、時々は落涙です。(ホントです)

                          桐子












    [No.74] Re: 艶笑譚のたぐい 投稿者:   投稿日:2010/05/03(Mon) 09:16
    [関連記事URL:http://homepage3.nifty.com/kiriko/

    唐辛子 紋次郎さん、おはようございます。

    朝っぱらから何ですが・・・。(*^。^*)~~~~

    若者に、この手の「本格もの」を紹介するのは
    イイ事です。

    >  でも満更知らないわけではない。←ショウジキ紋には福がある。(^_-)-☆

    あらっ、白状なさいましたね。(((((((((((^θ^;

    > 田辺聖子どんの「古川柳おちぼひろい」があるし

    これは、DOZEさんから頂戴した愛読書の1冊です。
     
    >  一に勉強、ニに勉強、三、四がなくって、五が勉強ってわけでやすな。大人になったのはエライ、一生かかってもあっしのように、大人になれないヤツもいる。(-_-;)

    あの頃想像していたのとは違って、イロイロ面倒な事も
    降りかかってきますから、紋次郎さんもご用心。

                      桐子








     


    [No.73] 中島敦著「山月記」 投稿者:   投稿日:2010/05/03(Mon) 00:01
    [関連記事

     これは素晴らしい作品。ぜひ一度読んで頂きたい。しかも今年の干支、トラの話である。というより、もと人間(=詩人)であった虎の悲しい物語である。

     文章は、無駄のない、しかも含蓄に富んだもので、たかだか10頁ほどのスペースに、無限の内容が畳み込まれている。

     角川の文庫では、巻末にこの作の元となった「人虎伝」が収録されている。ぜひ読み比べてみることをお勧めしたい。一読後、中島敦のこの作が原作に対して、決して引けを取らないことが、きっとお分かり頂けると思う。


    [No.72] Re: 艶笑譚のたぐい 投稿者:   投稿日:2010/05/02(Sun) 23:22
    [関連記事

      桐子 さん、みなさん、

    > > もう1冊の「艶笑譚」ほどではないかも知れませんがこれも『良い子』に
    > >読ませるような代物ではありません。たとえば、その内の一編「長い夜の話」は
    > >副題が『人妻に手を出したばっかりに』となっています。いま思えば、
    > >紋爺一生の不覚でした。(-_-;)
    >
    > 唐辛子 紋次郎さん、気に病む程のことでもありませんよ。
    > 私は6年生頃から、兄の本箱を漁って艶笑譚ものを拾い読みして
    > おりましたもの。

     おっ、姫はマセとる、あっしは晩生。延焼や炎症ならご幼少の頃から知っておったが、えん、えん、ゴホン、ゴホン、艶笑たらいう紋は、つい最近意味を知ったばかり。(-_-;)

     でも満更知らないわけではない。←ショウジキ紋には福がある。(^_-)-☆

     この手の本で、割とすぐ手に入りやすいのでは、田辺聖子どんの「古川柳おちぼひろい」があるし、小島貞二編の「艶笑小咄傑作選」や「艶笑落語名作選」「艶笑落語名演集」などがある。買うのが惜しければ、図書館で借りるという手もある・

    > でもね、“立派な大人は、決してしてはいけない”事柄なのだと
    > 心得ておりましたよ。(*^^)’
    > 何がって・・・あらっ。
    > 読んだからって大してグレもしませんでした。

     え、えらいっ、流石です。あっしら未熟者は読んだらすぐ、実行したくなる。(-_-;)
     
    > ホントかなぁ、ホントじゃないかもしれないなどと、勉強しながら
    > 大人になりましたよ。

     ホントかホントかと、想像している分には実害はない。

     一に勉強、ニに勉強、三、四がなくって、五が勉強ってわけでやすな。大人になったのはエライ、一生かかってもあっしのように、大人になれないヤツもいる。(-_-;)
     


    [No.71] Re: 艶笑譚のたぐい 投稿者:   投稿日:2010/05/02(Sun) 17:00
    [関連記事URL:http://homepage3.nifty.com/kiriko/

    唐辛子 紋次郎さん、こんにちは。

    >この間いってみたら、その中に「フランス中世処世譚」がありました。
    >これは同文庫の「フランス中世艶笑譚」の姉妹編なのです。
    >
    > もう1冊の「艶笑譚」ほどではないかも知れませんがこれも『良い子』に
    >読ませるような代物ではありません。たとえば、その内の一編「長い夜の話」は
    >副題が『人妻に手を出したばっかりに』となっています。いま思えば、
    >紋爺一生の不覚でした。(-_-;)

    唐辛子 紋次郎さん、気に病む程のことでもありませんよ。

    私は6年生頃から、兄の本箱を漁って艶笑譚ものを拾い読みして
    おりましたもの。

    でもね、“立派な大人は、決してしてはいけない”事柄なのだと
    心得ておりましたよ。(*^^)’

    何がって・・・あらっ。

    読んだからって大してグレもしませんでした。

    ホントかなぁ、ホントじゃないかもしれないなどと、勉強しながら
    大人になりましたよ。

                        桐子


    [No.70] 艶笑譚のたぐい 投稿者:   投稿日:2010/05/02(Sun) 15:36
    [関連記事

     さきに艶笑譚の話が出ましたが、それについて一言。

    じつは以前、当町の子供センターに行った際、そこの図書室に何冊か本を寄付したのです。それらは今センターの判が押され『持ち出し厳禁!』になっております。

     詳しくいうと、『このほんは、みんなのもの、もちかえったり、ページをきりとったりしないでね。よみおわったら、もとのところにもどしてね。』と書いてあるのです。

     この間いってみたら、その中に「フランス中世処世譚」がありました。これは同文庫の「フランス中世艶笑譚」の姉妹編なのです。

     もう1冊の「艶笑譚」ほどではないかも知れませんがこれも『良い子』に読ませるような代物ではありません。たとえば、その内の一編「長い夜の話」は副題が『人妻に手を出したばっかりに』となっています。いま思えば、紋爺一生の不覚でした。(-_-;)

     しかし、少年追いやすくではない(-_-;)、追ったりしたら変質者と思われかねません。老い易くという言葉もあります。ここへ来るのはもう頑是無い少年や少女ではないと思いますが、やがては中年になり最後にはあっしら同様、老年にもなるはずです。ただ、すこし早かったかなあとは、思いますが…。(^_-)-☆←あにぃ、向こうの方が先を行ってるぅ。う〜ん、あっしらは、思えばウブだったなあ。(-_-;)


    [No.69] 佐貫亦男著「奇想からの発想」 投稿者:   投稿日:2010/05/02(Sun) 15:22
    [関連記事

    佐貫亦男氏の「奇想からの発想」もお勧めである。この中に『相似発想の実際』と云う項があり、氏の別の著書「ゼロ戦と人力車」の紹介があった。

     これは名機ゼロ戦と日本古来の道具とを結びつけると云う試みで、奇抜といえば奇抜だが、氏はたとえば、吸い物椀とアポロ宇宙船の推進剤タンクの相似点を発見している。

     また順風満帆と思われる氏の人生について『私の過去はなん回となく職業を失い、不健康に悩まされた』と告白。

     いわば、科学者子規というような病苦も体験されたらしい。

     発想法は実用的で、便利な道具を作るだけが目的ではなく、日常の文章を書く場合にも、すこしは役立つのではないだろうか?

     民族的な発想の相違については、同じ著者による「発想のモザイク」「続発想のモザイク」がある。


    [No.68] 天上の虹 投稿者:男爵  投稿日:2010/05/02(Sun) 08:39
    [関連記事

    もう一度読みたい
    読んでもらいたい
     ジャングル大帝
    それが見つからなかったので
    別の機会に譲ることにして......

    今回は里中満智子の「天上の虹」です。
    これは持統天皇の物語なのです。
    20巻2007年2月に出てしばらく間があきました。
    ようやく2009年12月に21巻が出ました。

    作者は登場人物の心を大切にしています。
    後から見ると不道徳なことをしたとされる登場人物も
    本人の立場に立てばやむを得なかったと読者は同情できるように描いています。
    とくに恋や愛を大切にしたヒロインたちの気持ちを丁寧に描いています。

    持統天皇も人の親、わが子を次期天皇にしようと策をめぐらします。
    そんななかで非協力的な者たちは、たとえ身分が高くても
    世の中の秩序を乱すもの、天下国家のために
    厳しく処罰することも遠慮しません。藤原鎌足の息子史はいつも持統天皇に協力してきた。絶対裏切らなかった。

    大津皇子はそういうわけで配慮を欠いた行動をとったため命をなくします。
    あの「古事記」を書いた太安麻呂(多安麻呂)は、なんと大津皇子の子供で
    ひそかに育てられ、大津皇子の妹大伯皇女から父のことを教えられます。
     もちろん、これは学会の定説ではなく、作者の考えた説なのですが。

    作者は歴史上の登場人物を描くときは、その人物を主人公にすると
    主人公の立場で描くので、たとえばAとBとが歴史上ではライバルとすると
    後世の歴史では、どちらかが正義で、残りのほうは悪ということになるのが普通ですが
    この作者の作品では、Aが主人公ではAはあくまで正しく
    あるいはBが主人公の作品ではBが正義の人と描いています。
    それは矛盾ではないかと思うのは読者の勝手で
    この作者のように描くのが、本当の歴史なのかもしれません。

    これから長屋王の悲劇の話が起こると思いますが
    すでに作者によって描かれた長屋王の悲劇の作品では、長屋王は
    皇室の伝統を守るため、当時のしきたりを変えまいとして
    藤原氏たちの陰謀のため悲劇な最後をおくっています。

    持統天皇も多安麻呂も火葬です。日本で最初に火葬されたのは僧道昭です。道昭は唐に渡り三蔵法師の弟子となったのでした。


    [No.67] ヴォルコールの人獣裁判 投稿者:   投稿日:2010/05/01(Sat) 10:21
    [関連記事URL:http://fine.ap.teacup.com/serie-brog/

    戦後間もなく、物の無い時代、貧乏でろくに本も買えなかった
    ワタクシは、市役所の 巡回図書館で借りて読んだ、
    ヴォルコールの「人獣裁判」が今も強く印象に残っている。

    ニューギニアの奥地で新種の生物が見つかる。これは人間か
    それとも猿の仲間か…。動物学会に於いて、宗教界に於いて、
    医学会において、そしてマスコミに於いて…侃侃諤諤の論議
    が沸騰するが、結論が出ないまま、時日の経過とともに結論
    する事が 忘れ去られようとしている。

    ここに独りの記者が、妻の了解を得て、彼の地に渡り、その
    生物のメスと交わり、子供をもうけ我が家に連れ帰る。
    その子がある大きさまで成長すると、記者はその子を殺害し
    警察に出頭する。彼の殺人罪が成り立つか、否か…。
    そのためには、否応無くその生物が人間か、猿かの 判定が
    迫られる。記者の狙いはそこにあった。

    再び世界は 結論への議論が沸騰することになる。
    あるとき、独りの動物学者が、その動物たちが 木の枝で
    作った奇妙なものを所持している事を 発見する。
    日常使用する 道具らしき形跡はない。いろいろ検討して
    みるとどうやら「護符」のようだ。

    その動物学者は、その生物に「神の観念がある」として
    明らかに 未開の人間 と結論付ける。

    人間と動物の違いとは何か。その基準をワタクシに教えてくれた
    これは貴重な著作である。

    記者には殺人の動機が酌量されて 刑罰が科せられなかったのは
    言うまでも無い。


                 瀬里恵


    [No.66] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/05/01(Sat) 00:38
    [関連記事

    究極の通訳論といわれている万里の「不実な美女か貞淑な醜女か」も面白い。彼女ほどの達人でもとっさに言葉が出てこないことがあるという。そこで自身の、または先輩、同僚から得た豊富な体験ノウハウを常日頃から沢山ストックしているという。

     名づけて「窮地脱出法」。これらの方法はあっしら万年初心者にも何かと参考になるはずだ。たとえば、トンボにあたるロシア語がどうしてもでて来ない。通訳者に沈黙は許されない。そこで「ヘリコプターによく似た昆虫」とやったらしい。これは受けたが、中には意地の悪いのもいるようで、魚の名前が出てこない通訳者が、a kind of fishとやったら、相手のアメリカ人が「その『アカインドオブ』という名の魚は大変美味しそうだし、値段もリーズナブルで気に入った。ついては是非とも購入しようと思うんだが、何科の魚なのかね」と聞いて来たそうだ。

     また、小咄好きのロシア人はこれを多用するようだが、通訳者にそのオチが分からなかった。とっさに機転を利かして「最後のオチが難しくて分かりません。でもどうか大声で笑って下さい。イチ・ニ・サン!」でその場にいた日本人はみんな一斉に笑った。それを聞いて、ロシア人も自分のが受けたと思って大変機嫌を良くした、と。


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