[掲示板へもどる]
一括表示

[No.32] どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/18(Sun) 23:41
[関連記事

どうか『米原万里』を読んでください!
画像サイズ: 375×500 (66kB)
 あえて書名を書かなかったのは、彼女の作品はどれをとっても名作であり、どれを読んで頂いても結構だからです。万里は手抜をしない、誠実な人です。

 じつは今日、市川の「芳澤ガーデンギャラリー」に『米原万里展』を観にいって来たところなのです。彼女にはどうしても惹かれるものがあり、自然と足が市川に向いてしまいました。こんなユニークな人物が日本にいたこと自体、チョッと不思議な感じがします。ただ「いた」と過去形で云わなければならないのが残念です。じつは米原万里は4年前の5月、卵巣がんを患い、ついに帰らぬ人となったのです。 

 3月27日から開かれていたこの展覧会のパンフに宣伝文を書いているのは作家の井上ひさしで、氏はこのギャラリーを運営している市川市文化振興財団の理事長でもあります。いや、これもまた「ありました」と云いかえねばなりません。というのは、氏もこの4月9日肺がんで万里の後を追う様にして、この世に別れを告げたからです。あっしが行ったとき、ギャラリーの入り口には、ひさし氏の遺影が飾られていました。

 それから多分ご存じとは思いますが、万里とひさしが、また親戚関係にあるのです。彼女の妹のユリが、ひさしの二度目の妻と云うわけなのです。
 
 一般に物書きの展示などは退屈なものが多いのですが、彼女の場合は違っていました。なにしろ共産党員の父をもち、家族ぐるみで日本を脱出、チェコの首都プラハのソビエト学校で学んだ希有の体験が、まずあっしらの度肝を抜きます。

 あっしも何冊か著書を読みましたが、その博識ぶりと、同時通訳と云う仕事の大変さはある程度理解していたつもりでしたが、他の面もきょうは、いくらか垣間見ることが出来ました。

 彼女は踊りも好きだったのです、また高校時代に描いた油絵、デッサン、自分で引いた建築図面なども貴重。商売柄使いまくってボロボロになった露和辞典、同時通訳用に使った膨大な量のケースファイルも、不断の猛烈な勉強ぶりが偲ばれて、思わず足を止めてしまう。また愛蔵の絵には、彼女の友人で、著書の表紙を飾った画家・後藤栖子氏のものがある。

 この画家とのそもそものなれ初めも、彼女らしくって面白い。万里が航空会社の添乗員で、栖子氏がそのお客だったという。そのほか、万里が小学3年から中学2年までを過ごしたプラハの学校教科書が残っているのもスゴイことです。

 もうひとつ付け加えるとすれば、壁に並んだ万里の著書、23冊の一つ一つに、井上ひさしが愛情をこめて書いた推薦文。これも中々に読み応えがあります。

 万里の著書をどうしても1冊となれば、あっしも斉藤美奈子に倣ってプラハ時代を活写した「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」を挙げたいと思います。(大宅壮一ノンフィクション賞受賞)

 ☆ 写真はこの展覧会の案内板。


[No.33] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/19(Mon) 23:09
[関連記事

Re: どうか『米原万里』を読んでください!
画像サイズ: 520×378 (49kB)
 井上ひさしの死、それに日曜と云うこともあって、玄関のあたりは、この賑わい。関係書籍の売り場なども、そばに近づくだけでもなかなか大変だった。


[No.34] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/20(Tue) 13:45
[関連記事

Re: どうか『米原万里』を読んでください!
画像サイズ: 520×390 (61kB)
芳澤ガーデンギャラリーは、お庭も素晴らしいです。(^_-)-☆


[No.37] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/20(Tue) 22:02
[関連記事

『米原万里展』はじつはこれが初めてではなかった。意外なことに万里さんは山形県と縁が深かったのだ。ちょくちょくここを訪れているし、講演までやっている。

 それで2008年9月行なわれたNPO法人シベールアリーナ&遅筆堂文庫山形館の柿落しに、この展示を行なうこことになったらしいことが、市川の会場に並んでいた200ページほどの図録を読んでわかった。

 またこの図録のお陰で、会場の一角を占める多数の韓国語訳の本のナゾも分かった。

 帝塚山大学で講師を務める李賢進さんは、同僚の読んでいた本で万里の存在を知り、大きな衝撃を受けた。すっかり万里に惚れこんだ李さんは、つぎつぎと韓国語に訳しては母国に紹介した。万里のほとんどの著書がこうして今では韓国で出版されているそうだ。ただ、病に倒れた万里はついにその完成を見ることなく、この世を去ったという。


[No.43] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/22(Thu) 10:30
[関連記事

 万里の魅力はとても一回や二回では語りつくせないが、このあいだ展覧会へ行った時に見たトルコ蜜飴の箱はあっしに、彼女の書いたいろいろな著書を思い出させた。

 プラハに住んでいたころ、万里はよく近くの駄菓子屋へ行ったらしいが、そこでこのお菓子を見つけたらしい。(「旅行者の朝食」参照)

 著者に依ればこの蜜飴は、ケストナーの「点子ちゃんとアントン」という小学生向けの小説に出て来るそうである。

 普通のひとならこの蜜飴でエッセーを書いてもせいぜい1ページか2ページがいいところだが、探究心の塊のような彼女ではそんなことでは済まない。蜜飴の素性調べになんと17ページを費やしている。

 大辞林をはじめ、ランダムハウス、プチ・ロベール、インターネット英英辞典、岩波ロシア語辞典、ロシアの料理研究家ポフリョブキンの「料理芸術大辞典・レシピ付き」まで総動員、更に更に彼女は友人や通訳仲間を総動員して徹底的に探求する。

 これでビックリ仰天していたら、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」にも39ページと94ページに都合2回も出てくるのだ。このこだわりには、ショウジキだれでも兜を脱ぐに違いない。


[No.44] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/22(Thu) 11:28
[関連記事

Re: どうか『米原万里』を読んでください!
画像サイズ: 736×832 (78kB)
唐辛子 紋次郎さん  こんにちは

>  プラハに住んでいたころ、万里はよく近くの駄菓子屋へ行ったらしいが、そこでこのお菓子を見つけたらしい。(「旅行者の朝食」参照)

はてと思ったら、たぶんこの本は読んだことがあります。
 旅行者の朝食 (文春文庫) (文庫)
 米原 万里 (著)
そして、エッセイ「旅行者の朝食」にでてくる「トルコ蜜飴」とは、
ハルヴァのことらしいのですが、
http://blog.livedoor.jp/hanazamurai/archives/50232139.html

あるいは別のサイトに
>結論としてはトルコ蜜飴とは、イランが起源と言われる、イスラム圏のスフレっぽい食感のお菓子“ハルヴァ”が、ユーラシア各地のイスラムコミュニティ中心に伝播してゆき、
>次第に欧州人もハルヴァを口にするようになり、真似して作ったものを“トルコ蜜飴”と呼ぶようになったらしいのだが。
http://chikyu-syouyou.at.webry.info/200809/article_22.html

シルクロードの留学生から
トルコの甘いお菓子だというものをもらって食べたことがあります。
甘いけれど固いお菓子でした。
ハルヴァと同じものかどうかは確認していませんが。
写真を載せます。 お菓子の箱のほうは、マルチメディア館にも載せてみます。


[No.45] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/22(Thu) 16:49
[関連記事

  男爵さんも、あっしと同じように、あの本をお読みでしたか。(^_-)-☆

> シルクロードの留学生から
> トルコの甘いお菓子だというものをもらって食べたことがあります。
> 甘いけれど固いお菓子でした。
> ハルヴァと同じものかどうかは確認していませんが。

万里が「旅行者の…」の中で書いているturkish honey cakeは、あるルーマニア専門家が、ロクム★というお菓子と同じと断じています。「旅の指さし会話帳(トルコ語篇)」に出ているlokumロクムのイラストは、たしかにその蜜飴によく似ています。男爵さんの紹介された写真も、テュルク系(トルコ)の多く住む、中国は新疆ウィグル自治区からのもののようですので辻褄も合います。
 
 このお菓子はかなり広範囲な地域に広がったようですから、味にウマい不味いはあるにしても、大体同じようなものなんでしょうね。

> 写真を載せます。 お菓子の箱のほうは、マルチメディア館にも載せてみます。

 たしかに、同じキリル文字を使う地域からロシアや東欧に広がったのは分かる気がしますね。


[No.46] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:男爵  投稿日:2010/04/22(Thu) 20:15
[関連記事

Re: どうか『米原万里』を読んでください!
画像サイズ: 457×317 (26kB)
唐辛子 紋次郎 さん  こんばんは

>  著者に依ればこの蜜飴は、ケストナーの「点子ちゃんとアントン」という小学生向けの小説に出て来るそうである。

「点子ちゃんとアントン」はまだ読んだことがなかったので
この機会に図書館から借りてきて読みました。
物語は1931年のベルリンが舞台ですが
帝国議事堂(国会議事堂)、ブランデンブルク門、オペラ劇場、シュプレー川、フリードリヒ通り
など1982年に訪れたベルリンを思い出します。(当時はベルリンの壁はありましたが)

たいていの人は、この作品を読んだが、どこにトルコ蜜飴が書いてあったか思い出せないそうです。
それもそのはず、作者は各省の終わりに解説みたいな作者のつぶやき文章を小さい活字で書き加えてあります。その本筋とは関係のない小さい活字のところに、ロストックの歳の市のお菓子屋の屋台で、作者は10ペニッヒで蜜飴を買ったことをさりげなく書いていました。そこには、貧乏な人のことなど思いやることもない我が儘な子どもが母親にもっとジンジャーブレッドをねだる場面がありました。


[No.47] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/22(Thu) 20:46
[関連記事

>  万里の魅力はとても一回や二回では語りつくせないが、このあいだ展覧会へ行った時に見たトルコ蜜飴の箱はあっしに、彼女の書いたいろいろな著書を思い出させた。

 いま少し前「ロシアのお菓子、ロシアのお菓子、ロシアのお菓子は美味しいよ!」というサイトを見つけました。ハルヴァまたはトルコ蜜飴に興味のお有りの方は、ぜひここをクリックして見てください。かなり詳しく書いてあります。

 そのあと、やまがたひろゆき氏の「お菓子の話」(新潮文庫)というのを紐解いていたところ、ハルワ、ジャレービ、プラン・ポーリという項があり、このハルワが引っかかった。材料に野菜、果物などあるので、或いは違うかと思ったが、そのあと、ナッツ、砂糖が出てきて、さらに形状が羊羹状のものとあるので一先ず安心。

 つづりから云ってもhalwaとなっているので、恐らく蜜飴のインドヴァージョンはまず、間違いないと思う。


[No.48] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/22(Thu) 22:05
[関連記事

子規の柿好きは有名で、漱石の言によると、一遍に14、15個食うと紹介している(「三四郎」)。これには多少の誇張はあるにしてもかなり実情に近いような気もする。ちなみに、子規には柿を詠んだ句が、10以上あるという証言がある。

 これで何を云おうとしたかと云うと、例の米原家にもその血が流れているらしいからだ。万里の父、いたるという人はいわゆる大食漢で、彼女の「旅行者の朝食」によれば、知り合いの和菓子屋の主人に勧められるまま、薄皮饅頭をなんと総計75個、その場でペロリと平らげた伝説的な人物なのだそうだ。

 その娘はどうだったか。誰でも気になるところだが、同じお菓子屋で女ながらも23個までグアンバッタそうである。天晴れと云うしかない。(@_@;)料理研究家をなりわいとする実妹のユリさんは、三歳の頃「ものを食べる量と速さにおいて五歳の」万里を追い抜いたというから米原家のDNAはまさに驚異的である。この父にしてと云うか、この姉にしてこの妹とありと云おうか。


[No.49] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/23(Fri) 10:56
[関連記事

万里さんの魅力は幾つでもあるがまさかシモネタはここではチョッと紹介しにくい。で、友人の画家、後藤栖子さんをして「類稀なるユーモアの持主」と唸らせた彼女の得意技の一つ、ユーモア感覚についてきょうは語りたい。

 これもひとつやふたつではないが、ほんのお印に。

 さて、こういう名通訳者となるとお座敷が多くなるのは当然だが、それも有名人とからむ場合が多くなるようだ。

 その日のお客はご存じチェロのロストロポーヴィッチ、この人、無類のトロマニア。来日の都度、かならず築地まで足を運び、マグロのトロを大量に買い込み、まいにち冷蔵庫から出して食べるのが、大の楽しみだそうな。

 この世界的巨匠も彼女にかかると「大トロ、中トロ、ロストロ」といとも簡単に笑いの種にされてしまうから敵わない。(-_-;)


[No.53] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/24(Sat) 15:14
[関連記事URL:http://homepage3.nifty.com/kiriko/

唐辛子 紋次郎さん、こんにちは。

私は伸さんショックで、ぼんやりと暮らしていますが、「米原万里」
の名前に惹かれてお邪魔します。

2002年度第33回大宅壮一ノンフィクション賞受賞の「嘘つきアーニャの
真っ赤な真実」を読んだ時、やっと気の合う作家を見つけたと、とても
嬉しく感じたものです。

どんな有名作家の作品でも、大方は1,2冊よんで、もういいやとなる
場合が多いのですが、米原万里の場合は全作品を楽しめそうだと直感
しました。

定年退職をして、さて自由時間を作れそうだから、街の図書館に通ったり
メッポウ気に入った作品は自分で買ったりして・・・と考えていた矢先、
彼女は逝ってしまいました。

それから、私自身、滅入るような雑事に振り回されて、「嘘つきアーニャ」
止まりになっております。

この度、紋次郎さんに嗾けられ、彼女への思慕の想いが再燃しました。

          ☆

井上ひさしさんも「ひょっこりひょうたん島」以来のフアンです。
かれも稀有な才能に恵まれた作家でしたね。

お母上が「日本のシェックスピア」だと息子自慢をなさってもいて、
そうかも知れないな・・・と同感したのもです。

ひさしさんの離婚騒動は派手に報道されましたから、鮮明に記憶して
おります。

再婚なさって、1番落ち着ける環境を見つけられたのだと、納得
させられました。

義姉弟お2人とも、もういらっしゃらない。

私もあまり認知症が進行しないうちに、「米原万里」作品集を
楽しんでみるつもりです。

                    桐子


[No.55] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/25(Sun) 01:13
[関連記事

  桐子さん、こんにちは。若者の部屋へようこそ!きのうは孫らが来て1日、多忙でした。(^_-)-☆

>私は伸さんショックで、ぼんやりと暮らしていますが、「米原万里」
の名前に惹かれてお邪魔します。

万里の名前に惹かれてと仰いますが、なぜ万里かお分かりですか?たぶんご存じとは思いますが、父親が誰にでも覚えやすいようにとの親心で万里の長城にちなんでつけたそうですよ。

>どんな有名作家の作品でも、大方は1,2冊よんで、もういいやとなる
場合が多いのですが、米原万里の場合は全作品を楽しめそうだと直感
しました。

 万里党が1人増え大変嬉しく思っております。万里の肩書きをかぞえてみたら随分ある紋ですね。まず大学時代は民族舞踊研究会座長、旅行会社添乗員、同時通訳者(ロシア語通訳協会会長)、NHKロシア語講座講師、日本ペンクラブ常務理事、エッセイスト(講談社エッセイスト賞、大宅壮一ノンフィクション賞)、作家(読売文学賞、ドゥマゴ文学賞)、翻訳家(カトー・ロンブ「わたしの外国語学習法」井上ひさし著「父と暮らせば」のロシア語訳。)、発明家(119の発明をした由。詳しくは万里著「発明マニア」参照。)

 そのほか、付け加えるとすれば、シモネタ製作者か。(^_-)-☆(-_-;)

>定年退職をして、さて自由時間を作れそうだから、街の図書館に通ったり
メッポウ気に入った作品は自分で買ったりして・・・と考えていた矢先、
彼女は逝ってしまいました。
>それから、私自身、滅入るような雑事に振り回されて、「嘘つきアーニャ」
止まりになっております。

 アーニャで思うのは同じ共産党員でも、二つのゼンゼン正反対の階級から成り立っているっとこと。つまり万里のお父さんのような清貧型とアーニャのお父さんのような特権型。北朝鮮などは特権型に属すると思う。

 1995年、万里は時間がとれたので、ルーマニアはブカレストにアーニャの実家を訪問することになるわけですが、この家がスゴイのです。屋敷は何人もの軍服が警備し、敷地にはテニスコートが三面あるという。建物は三階建てで東西七メートル、南北十八メートルの部屋(家ではなく一部屋の大きさですぞ)に、マルクス主義関係の本がギッシリ、とは何たる矛盾!お手伝いの入れてくれるコーヒーの器がざっと見たところ銀座でかるく60万はするという代物。

 これは労働者の党の幹部の生活です。(@_@;)

>この度、紋次郎さんに嗾けられ、彼女への思慕の想いが再燃しました。

 娘だけでなく、万里のお母さんもまたスゴイのです。政治家としても、1964年、日本婦人団体連合会国際部長に就任しています。そのため海外へ行く機会が多く、世界各地を歩き、訪問した国は全部で80ヶ国を上回るそうです。

 さらに60歳になった1983年には、フランスはモンペリエ大学などに単身留学。帰国した86年には、フランス語の塾を始めたよし。またフランス語の翻訳出版まで手がけたそうで。この留学も誰の手も借りずたった一人ですべてやったというからオドロキです。                    


[No.56] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/25(Sun) 16:17
[関連記事URL:http://homepage3.nifty.com/kiriko/

唐辛子紋次郎さん、こんにちは。

> そのほか、付け加えるとすれば、シモネタ製作者か。(^_-)-☆(-_-;)

この手の万里もの、図書館にあるかしら?

検索してみたら
・パンツの面目ふんどしの沽券(-こけん)
・必笑小咄のテクニック(ひっしょうこばなし-)
辺りかなと見当をつけましたが、紋次郎さんがお勧めの“絶品”を
教えてください。

心身ともに疲弊しておりますので、カツを入れてみましょう。

                      桐子


                 


[No.57] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/25(Sun) 20:57
[関連記事

  桐子 さん、みなさん、こんばんは。

> > そのほか、付け加えるとすれば、シモネタ製作者か。(^_-)-☆(-_-;)
>
> この手の万里もの、図書館にあるかしら?
>
> 検索してみたら
> ・パンツの面目ふんどしの沽券(-こけん)
> ・必笑小咄のテクニック(ひっしょうこばなし-)
> 辺りかなと見当をつけましたが、紋次郎さんがお勧めの“絶品”を
> 教えてください。
>

 そう云って、堅物の紋爺を困らせるのは、甚だよろしくない。(^_-)-☆何が”絶品”かは、人により評価が異なるのでは?

 彼女の場合は、そういったネタは、一箇所とか二箇所といった生易しいものでなく、随所に出てきます。たとえば「嘘つきアーニャ」にだってあります。本がお手元にあれば、まあ201ページの13行目から206ページの、エーッ、やっぱ13行目(か)までを騙されたと思って読んでみてください。

 ところで、桐子姫も、見かけに依らず、なかなかお人が悪い。(^_-)-☆ハッハッハ。

 
 

                 


[No.58] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/26(Mon) 05:51
[関連記事URL:http://homepage3.nifty.com/kiriko/


唐辛子 紋次郎さん、おはようございます。

>  そう云って、堅物の紋爺を困らせるのは、甚だよろしくない。(^_-)-☆何が”絶品”かは、人により評価が異なるのでは?

> ところで、桐子姫も、見かけに依らず、なかなかお人が悪い。(^_-)-☆ハッハッハ

ふふふ。(*^。^*)~~~~
“実力”の伴わない艶笑譚・「和以唄」好みの桐子です。

上等の艶笑譚は、ワインを呑んだ時のように、心を酔わせて
元気をくれます。

> 彼女の場合は、そういったネタは、一箇所とか二箇所といった生易しいものでなく、随所に出てきます。たとえば「嘘つきアーニャ」にだってあります。本がお手元にあれば、まあ201ページの13行目から206ページの、エーッ、やっぱ13行目(か)までを騙されたと思って読んでみてください。
                
隠居所へ移るとき、俳句関係以外の書物は、本箱ごと大部分、近所の
中学校へ寄贈しました。

中学生が万里ものを読んで、すくすくと育ってくれそうです。(笑)

5月中旬、私のリハビリは卒業できそうですから、街の図書館や
大型書店に通って、いろいろ探してみます。

                   桐子















 


[No.59] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/04/26(Mon) 13:23
[関連記事

書き忘れましたが、「嘘つきアーニャ」の一番初めにに出てくる三友人のうちのひとり、リッツァはいわゆる耳年増で、うぶな10歳そこそこの万里にその方の知識を次々と伝授してくれる。やっぱ、うぶな桐子さんもぜひ、あの本をまっ先に買わなくっちゃ!(^_-)-☆

 もしその方に特にご興味がおありなら、「デカメロン」は必毒の書。また、紋爺のおすすめは、フランコ・サケッティの「ルネサンス巷談集」(岩波文庫)かなあ。当時のカトリックの坊さんはやりたい放題だったようで。フランスにもこの手の話は昔からケッコウ多いようですが、日本でも江戸時代の川柳や小話にもいろいろありそう。

 しっかし、こういうのって特に、若ものにお勧めしたりしてもいい紋かなあ、果たして。(-_-;)

 ハッハッハ、なにも改めて勧めるまでもなく、みなさん、先刻承知の助だったりなんかして…。


[No.66] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/05/01(Sat) 00:38
[関連記事

究極の通訳論といわれている万里の「不実な美女か貞淑な醜女か」も面白い。彼女ほどの達人でもとっさに言葉が出てこないことがあるという。そこで自身の、または先輩、同僚から得た豊富な体験ノウハウを常日頃から沢山ストックしているという。

 名づけて「窮地脱出法」。これらの方法はあっしら万年初心者にも何かと参考になるはずだ。たとえば、トンボにあたるロシア語がどうしてもでて来ない。通訳者に沈黙は許されない。そこで「ヘリコプターによく似た昆虫」とやったらしい。これは受けたが、中には意地の悪いのもいるようで、魚の名前が出てこない通訳者が、a kind of fishとやったら、相手のアメリカ人が「その『アカインドオブ』という名の魚は大変美味しそうだし、値段もリーズナブルで気に入った。ついては是非とも購入しようと思うんだが、何科の魚なのかね」と聞いて来たそうだ。

 また、小咄好きのロシア人はこれを多用するようだが、通訳者にそのオチが分からなかった。とっさに機転を利かして「最後のオチが難しくて分かりません。でもどうか大声で笑って下さい。イチ・ニ・サン!」でその場にいた日本人はみんな一斉に笑った。それを聞いて、ロシア人も自分のが受けたと思って大変機嫌を良くした、と。


[No.77] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/05/04(Tue) 11:32
[関連記事

 地元の図書館にリクエストしておいた万里の「発明マニア」を読んでみました。世間知らずのあっしは大体万里にこんな著書があったことさえマッタク知りませんでした。おそらく「週刊毎日」の読者だったら読んでいたのでしょうが、週刊誌を読む習慣のないあっしは、万里にこんな面白い作物があること、万里が世界に比類なき発明王であったことなどを知り、大変おどろきました。

 本についてはまずその厚さに驚きます。なんと400ページ以上もあります。彼女の本は文庫になったのしか読んでないせいか余計おおきく感じられます。一つには、文中に新井八代、つまり万里のイラストがふんだんに入っているせいもあるでしょう。(たいへん上手で、たとえばビン・ラディンなどそっくりです)

 スゴイのは目次で見ると、これが万里の亡くなる2006年5月までつづいていることです。連載が始まった2003年にはたったの7編でしたが、よく04年には49編も書いており、その翌年の05年にも48篇と前年のペースを維持。さらに亡くなる06年にも、15編を書き残しています。総計119編にもなります。

 内容も読者の期待を裏切らない、万里らしい、サービス精神に徹したものです。たとえば「男女参画的便器」、「バイアグラも顔色を失う無敵の性欲増進法」「避妊具の、本来の用途とは異なる使い方」などのタイトルをみれば十分でしょう。

 ただ56歳という若さでこの世を去った彼女の人生を思うと、「寿命倍増プログラム」「「人類の悲願不老長寿で一儲け」「天国行きの片道切符」などのタイトルが痛々しい。

 傑作なのは49ページにある、Presidents of the United States of Americ(National Museum of American History)で、42代はクリントン、43代はブッシュの写真はいいとして、45代のところにはちゃっかり万里自身の写真が並び、45th President Chou Mei Lai(2013〜2021)★というキャプションが入っている。

 44代は毛沢東にそっくり、そこで写真を見ていたイラストの友人が「44代大統領って、毛沢東に似てませんこと?」とたずねると、それを受けた万里らしいイラストの女が「あら、ご存じないの。ブッシュ以後はしばらく中国系の大統領が続いたのよ。」と答える。それで、45番目に万里が出てきた理由も頷ける仕掛けになっているようだ。

 あの世が現住所になってしまった万里に「あの世の人捜しを請け負う探偵会社」という奇抜な『発明』がある。全文は紹介できないが、213ページのイラストが面白い。

 万里らしい人物に係員が、ここに会いたい方の写真を貼り、俗名、戒名、没年、享年などを記入してください、などいう。手続きがおわり3日たつと、くだんの係員は、当社のPCで調べたところ、母上は天国に、父上は地獄へお出でと判明しました。あなたはどちらへ?両方だと、料金は倍になりますなどたわけた事を云い出し、聞いている万里は思わず口あんぐり。

 ということは、この会社に連絡さえつけば、万里ファンが万里に会うことだって夢ではないかも。(^_-)-☆ 

★もし、任期が2013年から2021年とすると、2006年に死去した万里は、あの世での就任になる。また近未来の2013年になれば、影の大統領としてアメリカや、世界を実際に動かしてくれるかもしれない。日本についても、好影響があり、再び三度『日はまた昇る』ように、なるかも知れない。(^_-)-☆


[No.103] Re: どうか『米原万里』を読んでください! 投稿者:   投稿日:2010/05/12(Wed) 13:42
[関連記事

  どうかして、もう一度見たいと思っていた「米原万里展」もついに2日前に終ってしまった。また死後5年、10年記念展があるかもしれない。ならば、それに期待しよう。

 延び延びになっていた「発明マニア」をまた開けてみた。120ちかくある項目で一番目に飛び込んできたのが『遺失物発見法』だ。これなら、あっしのほかにも、メロウには、メモを持参でに駆けつけて来る方が何人かいるのではないか。

 読み始めると、万里はこの点に関する限り、紋爺とそっくりなのを発見して、たいへん嬉しくなった。(^_-)-☆

 そのうちでも、タクシー事件はとくに酷い。降りようとしたが財布が見つからず、座席にカバンの中身をぶちまけたが、やはり出てこない。どうやら現金もカードも一緒らしく、車に家まで引返してもらって、通帳と印鑑をもち出し、まず銀行へ行ってもらい、現金をひきだし、やっとこれで支払いだけは済んだ。

 運転手の方はたしかにコレでおわりだが、彼女の方はここでは終らない。前のカードを無効にしたり、新しいカードを発行してもらう手続きが残っていた。そのあと喫茶店でホッと一息。ふと気がつくと、首からぶら下げた袋に何もかもが、ちゃんと鎮座していた。

 そのほか、初対面の相手に出そうと思った名刺が出てこなかったり、クスリ瓶の字を読もうと眼鏡☆を探すが、どこにも見当たらない。かわりに先程赤っ恥を掻いたばかりの名刺入れがクスリ瓶のそばで見つかる。そのほか、エアチケットも、チェッキンの時はどうしても見つからず、仕方なく再度購入したあと、手品ではないが、左の胸ポケットから、済ました顔でひょっこり出て来るという始末。(-_-;)

 そこで考えたのが、なくなりやすい財布、カード、めがね、辞書、携帯、パスポート、クスリ瓶、その他もろもろにあらかじめチップをうめこみ、ディスプレー画面には家の見取り図、ものの配置図を入力。失せもののアイコンなどをクリックすと、たちどころにその場所のアイコンがピッカピッカと点滅する。名づけて、遺失物ナビ。しかい、これで終わったら万里ではない。

 隣ページに、万里自身の上手なイラストが1ページ大で入っている。万里は寝室で、愛猫をわきにすやすや眠っている。ベッドの足元には愛犬が思う存分体をのばして安眠中。

 折りしも窓際の仕事机では、侵入した泥棒がディスプレーを操作して呟いている。前に入ったときは通帳などあるべきところになくてえらく苦労した紋だが、こんどはこんな便利なものを作ってくれて、ほんとうにアリガトさんよ。でも、何でクレディットカードが洗面所にあるんだよ。

 ☆ めがねには苦労したらしく、展示品の愛用のめがねのところに「眼鏡は家のいろんなところに置いてあった」と書いてあったのを思い出す。(^_-)-☆