[No.137]
Re: プロの誇り
投稿者:男爵
投稿日:2013/05/22(Wed) 09:17
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黙して任務全う 自衛隊員
東日本大震災での自衛隊による被災者支援活動は「最後の砦」である。
隊員はその重みを感じながら黙々と働くが、肉体的、精神的疲労は日ごとに増す。
身内に犠牲が出てもわが身を顧みず、被災地にとどまる隊員も多い。
実績を声高に誇ることもなく、黙して語らぬ隊員の思いと労苦を隊員同士のメールから検証した。
「海には数メートルおきにご遺体が浮いている」
「幼い亡骸を目にすると、わが子とダブってたまらない」
地震に津波の被害が重なった大震災。遺体収容も自衛隊の重要な任務のひとつだ。
日常的に遺体を扱う警察官と違い、慣れているわけではない。とりわけ、海に流された遺体と対面するのはつらい作業だという。
「流木にはさまれ、両手をあげていた。最後まで救助を信じていたように...」
凄惨な現場は、隊員の心を消耗させ、無力感さえ抱かせかねない。
そのために陸上自衛隊はメンタルヘルスを重視し、夜ごと隊員を10人ほどの班に分け車座になって一日を振り返る時間をつくった。
陸上自衛隊員は「仲間と苦しみ、痛みを共有できれば気力がわいてくる」と打ち明ける。
「自宅が全壊、家族も行方不明という隊員が普通に働いている。かけてあげる言葉がみつからない」
身内に被害が出た隊員も支援を続ける。
「被災地に来て12日目。風呂はまだ1回しか入れていない」「毎日、乾パンや缶メシと水だけ」
炊き出して温かい汁ものの食事を被災者に提供しても、隊員が口にするのは冷たいものばかり。
22カ所で入浴支援も行っているが、汗と泥にまみれた隊員は入浴もままならない。
「わが身は顧みず、何ごとも被災者第一」の方針を貫く。
兵たんや偵察といった自衛隊ならではのノウハウを生かし、役割も増している。
集積所によっては滞りがちだった物資輸送の効率化に向けて、自治体や運送会社を束ねるシステムを立ち上げた。
孤立地域のニーズをきめ細かく把握する「御用聞き任務」も始めた。
「被災者の心細さを考えたら...。 がんばる」
東京電力福島第1原発で17日からの放水活動の口火を切ったのも自衛隊だった。
ある隊員からはこんなメールが届いた。
「自衛隊にしかできないなら、危険を冒してでも黙々とやる」
「国民を守る最後の砦。それが、われわれの思いだ」
今日も自衛隊員は被災者のそばにいる。