[No.140]
Re: がれきの中で本当にあったこと
投稿者:人が死ぬということ
投稿日:2013/05/23(Thu) 09:59
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がれきの海「捜しようもない」
宮城県石巻市の被災地で流れる涙をぬぐおうともせず、くすぶるがれきの中をさまよう男性がいた。
男性は丹野徳雄(54)さん。妻が石巻市南浜で被災した。
幾度も幾度も津波と引き波を繰り返した一帯は、押し流された車の爆発で火災が発生。
数日間燃え続けた火が治まった3月16日、見渡す限りの "がれきの海" に初めて足を踏み入れた。
「体がねえなら何か見覚えのあるものねえかと思ったけど、これでは捜しようもないよね...」
靖子さんは2月に、この地で洋服の直し店を始めたばかりだった。
3人の子供を育てながら家事の合間に自宅で続けてきた仕事で、店を持つのが長年の夢だった。
10坪ほどの店の土台。明るい緑色に塗られたコンクリートの壁がわずかに残っていた。
2人で作った店の面影はこれだけだった。周囲の家も車もすべてが押し流され、近くの高台のふもとに打ち寄せられて焼けこげていた。
妻の店からわずか50メートルほどの高台の上に自宅はある。
「ちょっとのことで助かったはずなのに、5分走れば...。悔しいよ...」
靖子さんとは29年間連れ添った。
「今はばあちゃんだけど、若いころはめんこかったですよ...。ものごとをはっきり言う女で、しょっちゅうケンカしてました。あまりにもむごすぎるよね。これから仲良くしようと思っていたのに...」