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「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 46 お産婆さんと妹の出生

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編集者

通常 「描き残したい昭和(新見 睦)」から 家庭 46 お産婆さんと妹の出生

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2016/4/30 6:48
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 お産婆さんと妹の出生  1944年

 「描き残したい昭和」戦争のさなか、隣りの八畳間ではお産婆さんが来て、母は出産に備えていた。ふすまを隔ててこちらの六畳間には私たちがいた。お手伝いのおばさんが、たらいにお湯を張って待っていた。兄弟たちはただならない雰囲気を感じて、父親と息を凝らしている。やがて元気な産声が聞こえ赤ちゃんが生まれた。みんなはふすまを開けて熱気あふれた八畳間に駆け込んだ。おばさんはたらいの湯に生まれたばかりの赤ちゃんを浸してガーゼで洗った。戦時中のため粉ミルクはなかった。
 母乳も出ない。それで妹妙子は初めからご飯をすりつぶして与えたという。今も妹は胃腸が丈夫だ。やがて戦火は本土に及び一家は市川を脱出し福島へ疎開した。


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