@





       
ENGLISH
In preparation
運営団体
メロウ伝承館プロジェクトとは?
記録のメニュー
検索
その他のメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失

特攻インタビュー(第9回)・その11

投稿ツリー


このトピックの投稿一覧へ

編集者

通常 特攻インタビュー(第9回)・その11

msg#
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/7/4 6:19
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 ◆甲種予科練と乙種予科練の騎馬

 -------終戦の情報を事前に聞いていたということですが、8月15日の玉音放送は冷静に聞けたのですか?

 海老澤‥ガーガー騒音だけで……ちゃんと聞かせないようにしたのかな(笑)。それで、周りの人に「何て言ったの」と聞いたら、「戦争はこれから激しくなるから、特攻隊員は頑張れということだ」と言うんです。ですから、終戦から1週間、猛訓練を続けましたよ。そのうち、厚木航空隊からビラが飛んで来たりして、あれ、変だなと……。
 結局、訓練は終了するという停戦命令を受けたのは8月22日でした。

 -------その時のお気持ちは。

 海老澤‥ラバウルから帰ってきた時、アメリカ軍を、もう手の付けられない相手と思っていましたからね。その頃、病院に下宿していたんですけど、そこの先生が、「海老澤さん、戦争はどう?」と聞くから、首を横に振りました。「ダメ」と言葉に出したら軍法会議ものですからね。その先生は、その後、疎開しました。

 -------伏龍隊の隊員は10代、20代の青年たちだったと思いますが、海老澤さんから見て、彼らはどのような青年たちでしたか?

 海老澤‥20代なんていないですよ。みんな、16、17歳ですよね。私は500人の中の年長者でした。だから、みんな弟というよりも、自分の子供みたいなもんですよね。上官もみんな予備学生で20歳前後の若い人ばかりですから、私が一番の年長者。だから、その頃、私は26歳でしたけど、気持ち的には34、35歳、いや40歳くらいのつもりでいました。

 -------予科練も甲種と乙種がありますが、それぞれ雰囲気は違っていましたか。

 海老澤‥違いましたね。乙種は甲種よりも進級がずっと遅いんです。甲種に入った者はみんな、自分たちは海軍兵学校並みだというつもりでいて、進級も兵学校並みと教えられて来ていますから……。例えば、甲種と乙種に分けて騎馬戦をさせたんです。乙種は甲種に対して、もの凄いライバル心があるから猛烈な団結心があるわけです。甲種は優越感があるからそれほどでもない。騎馬戦をやらせると雲泥の差で乙種の方が強いんです。「甲種の奴らを生かしてなるものか」というくらい闘争心をむき出しにしてやるんですね。
 甲種は幹部候補生として入ってきているつもりだから、真面目だけど乙種に比べて大人しい。乙種は手に竹刀のツバをつけて殴ったそうです。甲種はみんな鼻血を出して倒れてました。まあ、乙種の方が若干、「与太っている」人間が多かったんじゃないですか。

 -------タイプの違う部下をまとめるのに苦労したのではないですか?

 海老澤‥今みたいに、部下に気遣いしたり、部下が上司に自由に意見を言うような時代じゃないですからね。上から一方的に命令するだけですから。上等下士がものを言ったら、百%その通りになるんです。命令には絶対服従の時代でしたからね。部下をまとめる苦労なんて考えてもいなかったですね。

 -------当時の隊員の年齢は今の高校生くらいの年齢ですが、全然違いましたか?

 海老澤‥テレビとかで今の高校生の姿を見てると、今の10代の方が、考え方が大人っぽいですよ。10歳は年が違うような……大人と子供くらいに違いますね。今は、自由に発言出来るから大人っぽく感じるのかもしれません。当時は発言を全部封じられているから子供っぽい……。今、我々が若い人にどうのこうのと言えないですよね。時代が違うから、ついていけないですよね。

  条件検索へ