心のふるさと・村松 第三集 2
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ア、典範令教育
典範令とは衆知のように、我々であれば「通信兵操典」、「通信教範」、「軍隊内務令(書)」、「陸軍礼式令」「作戦要務令」などを総括していう。これらは軍人として共通して理解しておくべきことがらについてのマニアルと思えばよい。
とりわけ軍隊内務書と陸軍礼式令は入校後、直ちに教えられる科目である。これらの内容やその他兵器の取扱い法は、抜粋して理解し易いように学校で独自に編集された配布文書(今でいうガイドブック)があったように思われるが原本がないので不詳である。例えば、生徒の外出制限区域として蒲原鉄道の今泉までは許可されるが、五泉や新津は不可であったことを記述した本があった。これは「生徒心得」のガイドブックであったかも知れない。
さきにも述べたように軍隊内務令や陸軍礼式令、さらに通信兵操典など日常の起居・學習・服務について支障のない最低限のことを教育されると、後は主として「通信教範」に依っていた。「通信教範」は総則にはじまる第一部から第五部まであったが全部教わった訳ではない。ただ別冊があって、これは暗号の組立て、解読教育の為に用いられたが、軍事秘密に属するから、個人所有は認められず、暗号教育の授業の場合には、冊数を数えて木箱に入れ講堂に持ちはこびしたものである。十九年から二十年にかけて一~二度、組立て法が変更された。
通信教範は漸次改訂されたが、その原点はいつ頃から規定されていたのか不明である。目下の資料によれば、昭和九年教育総監部から出された「歩兵通信教育規定」がその最初ではないかとも考えられる。この規定は有線が主で、無線については同規定第十三に「無線電信通信二関シテハ『歩兵無線電信通信教育規定』及『通信隊無線電信通信教育規定』ニ拠ル」と記されているのみで、この無線に関する資料は未見であるから判断の仕様がない。昭和十三年「諸兵通信法教範草案」が、つづいて昭和十六年 通信教範抜粋 総則及第一部」が教育総監部で編集され、最後に「通信教範」総則及第一部として刊行された。この第一編通信修技にもとづいて送受信技術が教えられたことになる。「通信教範」第二部以下は終戦時、全部焼却した。