心のふるさと・村松 第三集 3
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編集者
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ウ、・電磁気学 (通信学理第一部)
『通信学理』は四分冊から成り、昭和十六年教育総監部から公刊された。昭和十九年に百版を重ねている。第一分冊(第一編電磁気学)、第二分冊(第二編有線通信)、第三分冊(第三編無線通信)、第四分冊(第四編電源及発動機)となっている。我々は第二編を除いて学んだことになる。
第一編電磁気学は基礎科目であり、教授部の教官について学んだ。電磁気学の教官は四名おられた。十一期は甲斐憲夫中尉と須藤卓郎中尉(十九年三月交替)に教えられているし、十二期は山瀬暁平技術軍曹(五、六中隊)と小林喜久夫中尉(小林氏は後に八中隊四区隊長に転任、七、八中隊)が担当された。一分冊は後に忘失したために、現在、大学理工学部学生向きの電磁気学の教科書(大学一、二年生向)を二、三冊入手して調べてみたが、当時の教育水準からいえば専門学校程度の学力を要し、理解することは仲々困難であったように思われる。記憶に残っている内容とすれば、磁気電磁界に姶まりアンペアの右ねじの法則、インダクタンス、リアクタンス、オームの法則、クーロンの法則、インピーダンス、フラディの法則など、蓄電器や抵抗、電池の接続や計算について割合に高度なことが教授されたように思われる。ホイートストンブリッジの原理とかインピーダンスの計算方程式が仲々覚えられずに悩んだものだとは今は昔話として懐かしく想い出される。