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特攻インタビュー(第1回) 後編 その7

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通常 特攻インタビュー(第1回) 後編 その7

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2011/12/18 9:27
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 陸軍航空特攻 前村 弘氏(後編)その7

 ◆再び特攻へ(2)

 --------そこで敵機の襲撃を受けたのでしょうか?

 前村‥はい。たぶん沖永良部島か与論島か、その辺ですよ。

 --------いきなりバーツとやられて初めて敵機の襲撃と分かるといった感じだったのでしょうか?

 前村‥そうなんですよ。加藤機が白煙を吹いてから初めて「やられたな」と思いました。岡田さんも実戦は初めてだったと思うんです。それで旋回した途端に敵のグラマン戦闘機が、既にここまで(手振りを交えて)来ていたんですよ。こんな近くに来てちゃ重爆でなくて戦闘機でも撃てません。

 加藤機は、左のエンジンからバーツと煙を出し始めました。それから上昇反転し、そのまま海に向かって真っ逆さまになりました。一部始終を確認してはいませんが、恐らく最後は海の中に落ちたと思います。やがて煙を出した加藤機を見ているうちに岡田曹長がとっさにバーツと180度旋回し始めたんです。そして水平飛行に移って洋上すれすれに滑空したときには、いつの間にかグラマンがバリバリと攻撃しながら執拗に食いついて来ていたのです。敵の操縦士の顔まで見えるくらいの至近距離でした。そして、瞬間的に振り切りました。

 そこで岡田さんが、「(あの戦闘機に)体当たりやるかあ!」と鋭い悲痛な声で言い出したんです。私は重爆撃機が戦闘機の前で旋回をして体当たりなんてできっこないと思い、「もったいない、グラマン1機では! こちらは重爆ですよ」と反対しました。岡田さんはそれに対して何も言わない。死ぬつもりでいたんだろうと思います。奄美大島が見えた頃にはグラマンも諦めたのか、それ以上は迫って来ませんでした。ほっとした途端に何か空しい思いが残ってやり切れなくなりました。加藤機が撃墜されたときの光景が生々しく脳裏に焼き付いていたからです。

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