特攻インタビュー(第1回) 後編 その15
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陸軍航空特攻 前村 弘氏(後編)その15
◆若い人たちに伝えたいこと
--------戦友会の集まりとか、戦友の方たちと頻繁に会うようになったのは、戦後になって早い時期からでしょうか?
前村‥浜松の初年兵に入隊した頃のは、昭和37~38年くらいから始まりました。飛行第六二戦隊の戦友会は、昭和47年からです。主な戦友会は、これら浜松の初年兵に入隊した頃の戦友会と飛行第六二戦隊の戦友会がメインです。あとは戦友から誘われて航空碑奉賛会の世話役をやれということになり、理事をやりました。
--------当協会(特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会)でも熱心な活動をされていますね?
前村‥ええ。やがて特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会でも、世話役をやってくれと誘われまして、それからずっとお手伝いをさせて頂いています。多くの仲間が特攻で死んでいるだけに、慰霊祭だけは何はさておいても行くように心がけています。
--------やはり鹿屋や知覧の基地から特攻出撃した方々に対しても、現地の慰霊祭には頻繁に行かれているのでしょうか?
前村‥いや、私はほんの少々お布施を出しただけで、慰霊祭には行かなかったんです。鹿屋は海軍の基地で、鹿屋市が立派な慰霊碑と正式な案内板を作ってくれました。戦友が一人で鹿屋へ見に行ったんです。そしたら、碑に彫られた「近藤知康」という文字が、間違って”近藤和康″と彫られていることが分かり、修正するのに随分大変だったらしいです。
知覧は陸軍の基地ですが、飛行第六二戦隊はほとんど関係がありません。知覧から重爆は出撃していませんからね。だけど、飛行第六二戦隊の特攻で戦死した人の写真も、知覧特攻平和会館にいっぱい飾ってあると聞いていたので、一度それを見に行きましたところ、胸が一杯になって、しばらくその場から動けなかったことがありました。その後、知覧特攻平和会館の世話役の方と親しくなりました。今でもお世話になっている方がおられます。
--------最後にこれからの若い人たちへ向けて、これだけはみなさんに伝えたいということがありましたら、ぜひお願い致します。
前村‥今の人たちは、命を軽率に考えているのではないでしょうか。人の命は大事にしなければいけません。せっかく生まれたからには、明るく楽しく、他人の命も自分の命も同じように大切に生きる、それが一番幸せなことだと思います。人間独りじゃ生きられない、周囲の大勢の人のお陰で楽しく生かされて生きているんです。それを忘れてはなりません。
お互いに助け合って生きていることを、今の人たちは理解していないのではないでしょうか。自分の命を本当に生かしたいのなら、他人の命を生かす努力をすることです。自分を支える周囲の人々への感謝の気持ちを、どうか忘れないでいて欲しいですね。
--------今日は貴重なお話をありがとうございました。
(……了……)
「編注・当協会では、特攻に関連する史実とその精神を後世に伝承するため、特攻関係者の体験談等を取材し、記録することを企画し、有志会員による「特攻ライブラリー」を立ち上げました。特攻出撃の如何を問わず、特攻体験をされて九死に一生を得た方や、特攻出撃を待機された経験のある方で、映像と写真によるインタビュー取材を引き受けて下さる方を常時探しております。もしそんな貴重な体験をされた方がおられましたら、自薦他薦を問わず、協会事務局の大澤(03-5730-1016)までご連絡下さい。お持ちしております。」