特攻インタビュー(第8回)・その5
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特攻インタビュー(第8回) (編集者, 2013/5/17 6:31)
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編集者
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◆水上機の操縦 2
--------水上機は、すべて二座(二人乗り)か三座(三人乗り)なのですか?
粕井‥いや、一人乗りの単座もあるんです。零戦にフロートをつけた二式水上戦闘機というのがありましたし、それ以外に、「強風」という水上戦闘機がありました。二座の場合、前が操縦、後ろが航法と射撃です。三座の場合は、前が操縦、真ん中が航法、後ろが通信と射撃です。そういう役割分担がありました。
--------三座以外に二座の水偵にも乗られたのですか?
粕井‥いや、私は二座に乗っていません。三座しか乗りませんでした。練習機は二座でしたけど。私が操縦した飛行機は、赤トンボの水上機と陸上機、三座水偵の零式三座水偵と、九四式水偵ですが、風防のない吹きさらしの赤トンボの方が気持ち良かったですね。
--------風防のある飛行機の方が楽だというイメージがありますが?
粕井‥バスを運転するのとオートバイで走るのと、どっちが楽しいかというのと同じです。私はオートバイの方が楽しいと思うんです。ビューつと風を切り、運転してるぜという実感がありますものね。例えば、新幹線の技術はすごいし、時速200kmで、あの長い車両を運転する満足感はあるでしょうが、それよりも、昔のチンチン電車のような、ドアもなく風も吹きさらしという、その方がやはり運転する醍醐味があると思います。
--------練習機、実用機の訓練課程が終了すると、いよいよ実戦部隊に配属されるわけですね。
粕井‥はい。私は一番先に決まりまして、隊長に「アラフラ海の近くのアンボンという航空隊に決まったぞ」と言われ、皆が「おめでとう」と胴上げしてくれました。ところが、アンボン航空隊がどこにあるのかわかりません。地図で調べたら、ニューギニアの近くでしょう。「うわ、えらいとこになったな」と。まだ71~72時間しか乗っていないから自信がなかったんです。他の連中は大津に行ったり、詫間に残ったりと他の転勤先が決まるでしょう。うらやましいですよね。休みの日には家に帰れる者もいるし。ところが、私のアンボン航空隊行きが中止になりました。というのは、アンボン基地の飛行機がほとんど壊れてしまったんです。で、今度は転勤先がなかなか決まらない。やっと決まったのが、練習航空隊である九州の出水海軍航空隊国分分遣隊で、しかも陸上機の教官、それも練習機……九三式中間練習機、赤トンボの教官です。ちょっとガッカリしました。